昔、歌の1節に「思い出だけじゃ生きてゆけない」というフレーズがあった。
確かにそうだなあと納得しながら歌っていたが、思い出も生きて行く力になると、思えるようになった。
生きていると、くじけそうになることの連続だけど、目を閉じて少し前のこと、ずっと昔のことに想いを
馳せると、自分の生きてきた道が見えてくる。
誰にも愛されないで、いきなり今の場所に立っている訳ではない。
何かに夢中になって眠る時間も惜しんでがんばった事、認められて嬉しかったこと、誰かを愛し愛されたこと、旅の思い出…いろいろなことが次から次に浮かんでくる。
未来を考えることはとても大切なことだけど、先のことばかり考えて、考えすぎて、苦しくなったら、少しだけ過去を振り返って見よう。
こんなにたくさんの思い出を抱えて、それらに支えられて今までちゃんと生きてきたんだもの。
大丈夫!!
そして、今の苦しみや辛さが、先になると懐かしく、忘れられない思い出になることをどうか憶えていて
欲しい。
今から十数年前のノートに書かれた自分の言葉に、久しぶりに触れて感慨深い。
その頃、何かに悩み自身を励ますつもりで書いたのだろう。
その日からの人生も決して平坦な道ではなかったと思う。
「それでも人生は続く」こんな言葉が浮かんで来た。
無我夢中で生きてきて、気がつくとこの位置に立っていた…人は皆、そうなのかも知れない。
深い刻みの無いのっぺらぼうの人生より、振り返ったとき、自分が歩んだ道筋がくっきりと
見える人生の方が味わい深いと思えるように、今日からの日々を生きていきたい。