中華鍋を鉢受け皿にして、カネノナルキを育て上げた家人が、最近は収穫の出来る
植物にも手を伸ばし始めた。
以前は、只々観葉植物しか目に入らず、何年も増やし続けていたものだが、少し
宗旨変えした模様。
ベランダ栽培なので、何でもOKという訳にはいかないのが難しいところだ。
一昨年は、パッションフルーツにチャレンジして、ネットを張り巡らし、苗を購入して
育てたのだが……
哀しいかな、我が家は東南に向いているので、朝日はさんさんと差し込む代わりに、
日中は少し日差しが足りないらしい。
時計草の花が咲き、卵大の実も成ったが、とうとう熟れず仕舞い……
「やっぱり日照時間が足りないのかなあ」 嘆きつつ、家人はネットや支え棒を
片付けていた。
そこで、昨年はもう少し易しい植物に切り替えたらしく、ブラックベリーの苗を
購入した。
最初は「果たしてこれが、無事に育つのかしら?」 と心配になるくらい、ヘニョ~と
した苗だったが、家人の熱意が伝わったのか、グングン蔓を伸ばしていく。
今度はネットを張らずに、あんどん仕立てで蔓をグルグル巻きつけて育てることに
したようだ。
六月には、可憐な白い花が咲き、たくさんの実をつけた。
七月に入ると、赤い実は更に黒く熟し、触るとポロッと手の中に落ちてくる。
甘酸っぱく、しっかりした種がプチプチと歯に当たり、野趣に富んだ味である。
これに気をよくした家人は、種を植木鉢に埋めて、来年に備えることにした。
何十日経っても、芽を出す気配すらなく、ほぼ諦めた頃、緑色の小さな芽が
萌え出でた。
「いつまで経っても芽を出さないから、もう片付けようかと思った」
気短な家人の言葉に、まさに間一髪の発芽であった。
さて、満を持しての今年である。
種から育てた苗は、スクスク大きくなってはいるが、今年の収穫はまだ早い。
昨年秋に、古い枝を切り詰めたブラックベリーの親木は、今年もしっかり新しい
蔓を伸ばしていっぱいの実をつけている。
只、昨年に較べると、熟し方が今一物足りない気がする。
丁度熟す頃、雨が降り続いたせいかも知れない。
日中、何気なく外を見ていると、白い鳥が飛んで来てブラックベリーの実を
ついばんでいる。
「今日が採り頃かも知れないなあ」 収穫担当でもある家人が丁寧に採取
してくれた艶々の黒い実を、取り敢えず記念撮影。
カネノナルキから始まった家人の植物への、飽くなきチャレンジはまだまだ
続きそうである。
熟す日が待ち遠しいブラックベリー(^~^)
黒い実は甘くて美味だけど、種は
しっかり歯ごたえあり(-。-;)