1週間前、大学病院の眼科を訪れた時のこと。
大学病院の眼科は高齢者で込み合っていた。
やっと歩いているような人たちの多いこと。
たいていは配偶者がついてきたり
娘や息子がついてきたりしているが、
なかには高齢なのにひとりで来ている人も多い。
そんななか一人できている80代くらいの
ご婦人が、なんども受付にいき同じことを
繰り返し聞いている姿を目撃した。
眼もよくみえないし、理解力もない・・・
そんな印象だ。
あまりに不審な動きをしているので、
そばにいた別のご婦人とともに話しかけ
「ここでこしかけて待ちましょう」
と促した。
高齢婦人は「いろいろ調べているの。」
というが、なんだか落ち着かない。
予約なしできたので、相当待たないとならないのに、
そのことが理解できないでいるようだった。
まもなく検査を終えた父がでてきたので
その老婦人の相手は
別の方にまかせてその場を離れた。
その後1時間ほどして
眼科診察室のまえで車いすの父と共に
待っていると、さきほどの老婦人がふらふらと現れ
診察室のまえの名札を見ようとしていた。
けれどもせまい通路をふさぐように立ってしまって、
反対方向からきた、杖をついた別の老婦人が
通れなくて困っていた。
すかさず私は先ほどの老婦人に近づき、
「奥さん、ほらほらここで立っていると
こちらからきた別の奥様がとおれなくて
困っていらっしゃるわよ。」
と話しかけ、別のほうに連れて行った。
父の隣にもどってくると
そばにいた60前後の方に言われた。
「ヘルパーさんとか介護のお仕事
されているの?」
「いえ、していませんよ。
ただもう10年近く親の介護をしています。」
「そうなのね。
実は自分はヘルパーの仕事していたことが
あるけど、普通の人はなかなかああいうふうに
知らない老人に声をかけられないから、
介護の仕事している人かなって
おもったのよ。」
認知症サポーター講座や
そのフォローアップ講座をうけて、
父の老人ホームでも、父以外の高齢者の相手を
積極的にしているのだから、
困っていそうな高齢者に声をかけるのは
あたりまえのこと!
これからの時代
こうして困っていそうな高齢者に
善意で声をかけられる人間がふえていかないと・・・
身内の介護で困っている人の参考になりたいです。