かっちん夫婦とマミーの日々<第9話>・・・生まれて初めての腰痛 | 義母と僕とリハビリ介護日記

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脳出血の後遺症で要介護4、一級障害者になった一人暮らしの義理の母マミー、娘夫婦と同居して厳しいリハビリを続けるか? 
それとものんびり施設入所をするのか?選んだ答えは「厳しいリハビリお願いします!」その日から涙を流してリハビリを頑張る
義母と僕の成長日記です。

義母の在宅リハビリをサポートするための学び-かっちん夫婦とマミーの日々<9>

脳出血を起こし左片麻痺になってしまった義母“マミー”。在宅生活に向け、入院中も熱心にリハビリに取り組んでいた。頑張り屋さんのマミーの中にある可能性を最大限に引き出してあげたいと思った僕は、リハビリ介助について貪欲に学ぶようになった。

[甘やかした起き上がり介助で、ぎっくり腰に]
義母マミーのように左片麻痺になってしまった人は、ベッドから起き上がる
時にも手順というものがある。

まず動く方の右手で動かない左手をしっかり持ってお腹の上に乗せてから
動く方の右足で動かない左足をすくって、そのまま右を向いて足をベッドか
ら下ろすという段取りだ。

そして自力で起き上がれる人は、ベッドの柵を掴んでそのまま起き上がる。

しかしマミーの場合は起き上がれないので、ここで理学療法士が手を貸して
マミーをゆっくり起こすのだ。

ここで大事なのは、なるべくマミーにも自力で起き上がれるように努力させる
こと。

介護全般に言えることだけど、リハビリというのは本人に既存の能力をいか
に使ってもらうかが1番大切なことだ。

自分でできるのにやらせなくては、ますますできなくなってしまうからね。

そんな事は本を読んで十分に理解していたはずだった。それなのに、ついつ
いマミーを甘やかせてしまっていた僕は、マミーをベッドから起す時いつも抱
きかかえてあげていたのだった。

するとある日突然、僕の腰にピキッと電気が走った。

生まれて初めて腰痛というものになってしまった僕はあせりにあせった。
その事を家に帰ってから妻のかっちんに報告する。

「なんか腰が気持ち悪いことになった・・・」

「何?ぎっくり腰か?どん臭い男やで! ほんだら治るまで湿布貼って横に
なっとき!」

その後2日間、湿布貼って横になってもこの気持ち悪い腰痛は治らなかった。

そこで僕は大好きな図書館へ出かけ、腰痛体操の本を借りてきた。

[ぎっくり腰は回復、再発防止に古武術介護もマスター]
僕はもともと体を動かすのが大好きで、ぎっくり腰をやった頃も毎日自転車に
乗って何十キロも走ったり、腕立てや腹筋を何百回もしたりするほど体を鍛え
上げていた自称アスリートだ。

なので、ただ湿布貼って安静に寝ているだけなんて一番苦痛だった。

そこで少しでも動きながら治せるように、と腰痛体操の本を借りてきたという
わけだ。その様子をかっちんは「またこの男はおかしな事やり出したで」と冷
ややかな目で見ていたものだ。

しかし、かっちんに冷たくあしらわれようとも、僕はこの本に書いてあった通り
の体操をすることで腰痛の方は呆気なく治してしまった。

そして二度とこんなヘマをしてはいけないと思った僕は、腰痛体操と一緒に
古武術介護という本も借りてきていたのだった。

この本を読み、付属のDVDを見ながら同じ体勢をとってみる。
実際にマミーを介助している様子をイメージしながらトレーニングを積んだ。

ちなみに古武術介護とは、日本に古来より伝わる古武術の技術を用いた
介護のことだ。いかに余分な力を使わずに効率のよい動作で介助できるか
ということを実践している。

なので力の弱い女性の方でもこれをマスターすると楽に介助ができるので
ぜひ読んで観て欲しいものなのだ。

これを習得したおかげか、あれ以来一度たりとも腰に電気が走ることは無く
なった。

[介護休暇取得をきっかけに、同僚達の介護事情を知る]
こうして着々とマミーを引き取って自宅でリハビリをする準備を続ける僕たち。
後は僕の勤め先で介護休業を取らせて貰うだけだった。

休業の期間は1年間。

会社員がそんなに長期で介護休業を取るなんて、さぞ大変だったろうと思
われる方もいるかもしれないが、僕の場合は意外とそうでもなかった。

当時僕が勤めていた会社は旧財閥系の化学メーカーで、わりと大きな会社
だったためか、こういう事にはむしろ寛大だった。

職場の仲間たちにも介護休業を取ると伝えると、最初驚きはしたものの、
みんな応援してくれた。

そして同僚達の親御さんの中にも、マミーのように脳出血や脳梗塞を起こ
している方がわりと沢山いるということを、その時初めて知った。

そして貴重なアドバイスも頂いた。

「うちの親父も脳梗塞やって退院後はリハビリ頑張るって言ってたけど結局
やらへんかったわ」

「リハビリやるって言うから廊下中に手すりとか付けまくったけど、結局使わ
ずじまいやったな」

「リハビリの良い先生がおるところとか教えてもらって、連れて行こうとしたけ
ど行かへんかった」

このような意見を頂いた僕は、家に帰ってからそれをかっちんに報告した。

「なんかね、どこの家の親御さんもリハビリ続かなかったんだって」

「ふ~ん、でもマミーは根性あるからな。そんじょそこらの人間と一緒にされ
たら困るで!」

「そうだね、マミーは根性あるもんね」

そんな風に笑って話していた僕たちだった。  

(つづく)

この時の腰の電気はホント怖かったね~。あんな風にピキッてなるなんて
ホント初めての経験でどうなる事かと思ったよ。

マミーのような絶対介助が必要な人の介護はコルセットが必須だと、ある人
に教えて貰ってたんだけど、普通に長いこと介護なんてしてたら誰でも腰痛
になっちゃうんだろうな・・・(介護士さんの離職率でも腰痛が原因の人って
ホント多いからね)

今は、この古武術介護を自分なりに考えたやり方と併せて習得した僕は腰
がピキってなるような事は一切なくなっている。

なのでこれから介護しようと思っている方や、腰痛で悩んでいる方は僕の
ように図書館で古武術介護の本と腰痛体操の本をぜひ借りてきて習得して
頂きたいものだ。

ちなみにうちのかっちんさん、マミーを動かしたりは全て僕が担当なので腰
痛とは無縁なはずなのに、何故かしょっちゅう腰が痛くなったと言って騒い
でいる。(多分、寝すぎのせいだと思うんだけどね~笑)

しかし、かっちんは以前僕の教えてあげた腰痛体操をやりすぎて余計腰痛
になってしまったというほろ苦い経験から全く腰痛体操をしなくなった。
(これ、以前にブログの記事に書いたんですが・・・)

なのでかっちんが腰痛の時はいつも僕が揉んであげている。

腰痛体操って言ってもさ、沢山やりゃ良いっていうものじゃないのでみなさん
もやるんだったらほどほどに~。笑


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