原爆ドーム。
当たり前のことだけど、原爆のために建てられたわけではありません。
原爆が落ちるまでは、広島県物産陳列館だったことを、
わたしも、この絵本を手にして初めて知りました。
アーサー・ビナードさんとスズキコージさんによって生み出されたこの作品は、
原爆ドームに歴史を語らせています。
広島県の物産と人が集まる場所であった、ドーム。
プルトニウム爆弾により死の街となった広島の悲惨。
その時から原爆ドームと呼ばれるようになった物産陳列館。
今もウランを使い続ける人類への不安。
ウランの原子のカケラは何百年何千年、さらにもっと後まで残っていくことに対する、
改めての警告。
心揺すぶられる作品です。
この絵本は、大人たちにこそ読んで欲しいと思います。
そして、子どもたちにクリーンな地球を残していくことを一緒に考えたいものです。
未来ある地球を子どもたちに手渡すのが、私たちの責任ですものね。
原爆ドームのこのメッセージが、
世界中に伝わります様に。
アーサー・ビナード作 スズキコージ絵
玉川大学出版部 本体1,600.
チェコの建築家によって1915年に建てられた、
丸い屋根を持つ建築物であるぼく。
広島県中の特産物が集められて、売り買いされる、
活気にあふれた場所でした。
その広島物産陳列館は、あの日、歪んだ骨格だけになり、
そしてあの日から、
原爆ドームと呼ばれるようになりました。
ぼくは不安に思っています。
あんな日があって、ウランのかけらが飛び散ったのに、
世界中で今もウランが掘り出されていることを。
原子力で発電がされていることを。
ぼくは恐れています。
あの日に飛び散ったウランのかけらが今もドームに残っていて、
ドームに巣くうスズメたちを傷付けはしないだろうかと。
☆ もうひとつのアーサー・ビナード作品
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