先週のブログで、ケベック州での中絶薬無料配布というお話をいたしました。その中で、中絶が禁止されているアイルランドの例も出しましたが、今回のエル・サルバドルのケースはそれ以上かも。。


エル・サルバドルでレイプ被害にあったEvelyn Hernandezさん・19歳。その結果、望まぬ妊娠をしてしまいましたが、幸か不幸か自然流産という結果に。Evelyn Hernandezさんによれば、自身が妊娠していたという事実も知らず、体調の悪さの自覚はあったようですが、結果トイレで流産してしまったようなんです。


そして私が「頭がおかしい」と思うのが、この件でエル・サルバドルの裁判所がこのEvelyn Hernandezさんに対して「意図的に流産した疑い」があるとして懲役30年の刑を言い渡したんです!


はぁぁぁぁぁ?????

ElSalvador JUL102017 01
(被害者のEvelyn Hernandezさん。エル・サルバドルには神はいないんでしょうね。Global Newsサイトより。)

レイプ被害に苦しむ女性をサポートもせずに、刑務所に30年も入れる・・・。もちろん、国際的な女性団体・人権団体が猛抗議。それはそうでしょう。少なくとも「人」としての感情を持つ人であれば、いかに頭がおかしいことか、わかると思います。。


国として、そしてカトリックの影響が強いというのも理解できますが、「犯罪被害者」が自分の意志とは関係なく妊娠してしまった場合も中絶を認めないというのはやっぱりおかしいと思います。


ニュースによると、エル・サルバドルを含めて世界中には5つ、いかなる状況であれ中絶を認めていない国があるそうです。そのうちの一つが多分アイルランドでしょう・・。今もそうなのかはわかりませんが、カトリック色の強い国ですので、中絶はいまだに認めていない気もします。あとは同じくカトリックの強い国・フィリピンも。


でも本当、これはおかしい話ですよね。自分の意思とは関係ないところで起こった出来事の責任をなぜ取らないといけないのでしょうか?カトリック云々よりも、「人」としての理性がない国、と言っても言い過ぎではないくらい、ひどすぎる法律だと思います。少なくとも、加害者も同様の措置、もしくはもっと厳しく、死刑くらいにしてほしいですよね。だってこの加害者のせいでEvelyn Hernandezさんのような被害者女性は人生を大きく狂わせられたんですから。


今回のようなケースにおいては、エル・サルバドルのような国では、宗教というのは「弱者を痛めつけるだけで一切救済などしない」、害のあるものでしかない、と思ってしまいます・・・。勿論、一側面だけで物事を決めつけるような言い方は良くないとは思いますが、でも本当、宗教って人間に必要なものなんでしょうか??個人的には宗教は、それにより人生がおかしくなることがない限りは存在しても問題ないと思うんですが、人ひとりの人生を狂わせるようなことがあるのであれば、やはり現代においては「害」の面が大きくなってきているのかな?と思います。


これはカトリックだけでなく、例えばイスラム教でも、その経典により過激派が世界中で罪なき人の命を奪ったりしていますし。。


宗教のない世界、これって難しいと思いますが、沢山の人たちがこういった世界が必要になると思う日もそう遠くないと思います。


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