山梨銘醸

南アルプスを望む山梨県白州町には、七賢を醸す老舗酒蔵、山梨銘醸株式会社があります。

目標として掲げるのは、地元白州の名水を生かす酒造りです。

甲斐駒ケ岳を源とする伏流水に、地元の米と人の力が合わさって、山梨を代表する地酒が生みだされています。

山梨銘醸株式会社

山梨銘醸白州の水にこだわる山梨銘醸株式会社は、寛永3年(1750)の生まれです。

創業のきっかけとなったのも、白州の水であったと言われています。

良質の水に惚れ込んだ、初代北原伊兵衛光義が、信州で酒造業を営んでいた本家から分家したのが始まりです。

本物の地酒を造るため、地元山梨原産の酒米を南アルプス甲斐駒ケ岳の伏流水で仕込んでいます。

日本名水百選にも選ばれたこの名水を生かすため、麹造りや醪発酵、保管や発送に至るまで徹底した管理体制が整っていることも特徴です。

「七賢」という銘柄は、5代目蔵元の時代に誕生しました。

母屋の竣工祝として、当時の高遠城主であった内藤駿河守から「竹林の七賢人」を彫った欄間が贈られたことに由来しています。

山梨銘醸の酒は、原酒タイプと言えます。

加水量を抑えることで、より深みのある旨さを実現しているためです。

また、上槽後に酒を寝かす期間を短縮し、切り上げるのに最適な時期を見極めることで、瑞々しい味わいが感じられる酒となっています。

長年培った酒造りの技術は、酒を醸すためだけに活用されているわけではありません。

地元農家の協力のもと、塩糀や糀糖といった食品としての糀製造などを行い、新たな食品ブランドの開発にも携わっています。

また、明治天皇の行在所として指定された建物や直営レストランなど、見どころが多い蔵でもあります。

山梨銘醸株式会社
山梨県北杜市白州町台ヶ原2283

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酒蔵見学

山梨銘醸酒蔵見学山梨銘醸の醸造期(11月~5月)に入ると、醸造蔵である「誠和蔵」の見学ができます。

実際の酒造りを見ながら回るため、香りの強い香水の使用や、乳幼児を連れての見学は遠慮した方が良いようです。

また、定員も15名までとなっているのでご注意ください。

案内時間: ①10:30 ②11:30 ③13:30 ④14:30 ⑤15:30
所要時間: 約30分
見学料: 無料

予約は、山梨銘醸の公式HPから行なうことができます。

※画像は公式HPより

行在所

行在所山梨銘醸に足を運ぶのであれば、もう一つ見ておきたい場所が、北原家の母屋奥座敷です。

明治13年に天皇陛下がご巡幸された際にお泊りになった、「行在所」という由緒ある建物です。

「七賢」の銘の由来ともなった「竹林の七賢人」の欄間一対も、こちらの奥座敷で見ることができます。

立川専四郎富種作の透かし彫りが見事です。

案内時間: ①10:00 ②11:00 ③12:00 ④13:00 ⑤14:00 ⑥15:00
所要時間: 約25分
見学料: 大人200円(文化財保護のため)・未成年者は無料

予約は、山梨銘醸の公式HPから行なうことができます。

レストラン壺眠(だいみん)

レストラン壺眠また、酒蔵の隣接地にオープンした直営レストランでは、山梨銘醸ならではの、糀などの調味料を使用したメニューに舌鼓を打つことができます。

白州の米や旬の食材を贅沢に使用した料理を楽しんでみましょう。

レストラン臺眠(だいみん)の名前は、4代目蔵元北原伊兵衛延辰(1789~1830)の俳号からきたものです。

お土産として、日本酒以外にも販売されている「酒の麹づけ」や「わさびの醤油づけ」といった加工食品もおすすめです。

営業時間: 11:30~15:00、17:00~20:30
(完全予約制・時期によって時間変更あり要確認)
予約: 前日17:00までに受付
休業日: 火曜日(祝日の場合は水曜日)、年末年始(12/31~1/3)

〒408-0312 山梨県北杜市白州町台ヶ原2287
Tel:0551-35-5111

おすすめの日本酒

「七賢 天鵞絨の味 純米吟醸」が、山梨銘醸の一推しの酒です。

天鵞絨(びろうど)は、青味が暗い緑色を示す言葉でもありますが、もともとの語源は、毛織物を意味するポルトガル語の「veludo」やスペイン語の「velludo」から来ています。

長期低温発酵管理で引き出された、華やかな吟醸香と爽やかな飲みくちで、柔らかで深い光沢の毛織物を意味するビロードのような飲み心地が堪能できる一本です。

銘柄: 七賢 天鵞絨の味 純米吟醸
特定名称: 純米吟醸酒
使用米: 山梨産夢山水
精米歩合: 57パーセント
日本酒度: +1.0
酸度:
アルコール度数: 15度

香り  弱・・★・・強
コク  薄・・★・・濃
キレ  弱・・・★・強
味わい 甘口・・★・・辛口

美味しい飲み方

レストラン壺眠のビーフシチュー冷やして飲むと美味しい純米吟醸です。

酒の色沢も同時に楽しむために、透明のグラスに注いで味わうと良いでしょう。

こちらは、洋食と合わせても実力を発揮する一本です。

安易かもしれませんが、レストラン臺眠のビーフシチューのように、糀や日本酒を隠し味に使った料理にするとテンションが上がります。

酒との相性に親和性が出てくるので、お互いの味わいが引き立ちます。

その他おすすめの酒

天鵞絨以上の滑らかな味わいを堪能するなら、「七賢 絹の味 純米大吟醸酒(純米大吟醸酒)」のほかにありません。

大吟醸特有の果実香は抑えめに、口当たりはすっきり爽やかに仕立てられた、絹のような存在感の一本です。

七賢 「天鵞絨の味」と「絹の味」はアマゾンでセット販売されています。

蔵元最高級

IWC2015金賞受賞、ISC2014銀賞受賞の実績を持つ、「七賢 大中屋 純米大吟醸酒(純米大吟醸酒)」は、蔵元最高級の酒。

精米歩合37%の山田錦と白州の水のコラボから生まれた、柔らかい甘味と瑞々しい後味が忘れられなくなる一本です。

七賢【しちけん】~地産地消で醸す、山梨の真の地酒~ まとめ

水の旨さを引き出す山梨銘醸の「七賢」ブランドを購入したら、ラベルの裏をチェックしてみてください。

精米歩合「37%・47%・57%」といった隠された七の数字も旨さの秘密です。

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