肉を食べています

今、日本にいた時に比べるとずっと体調が良いのです。その原因の一つに肉を食べはじめたことがあると思っています。(個人的な話なので、今日はあまりチェコに関係がありません。すみません。)

わたしはここ18年間ほど肉を食べない生活をしていました(理由は、工場的畜産への反対です)。細かく言うなら、肉NG・魚と乳製品OKな「ペスクタリアン」と呼ばれるベジタリアンの一種です。

最初は、割と軽い気持ちで始めたのですが、特に体が肉を欲することもなかった(と自分では思っていた)ので、ずっと続けていました。わたしが始めた2000年頃は、ベジタリアンですと言えば「宗教?」と言われるのがお決まりでしたが、2000年代後半は、オーガニック、エコ、マクロビなどの言葉が広まり少しは市民権を得た気がします。それはそれで「そっち系ね」という目で見られるので困るのですが、まぁそっちの括りに入ってしまった方が楽なのでそうやって暮らしていました。

そして、チェコへ来て。
チェコ伝統料理のレストランへ入ると肉以外の選択肢が無くて困ることはありますが、それ以外だとメニューにベジタリアンマークが付いている店も多く、ベジタリアンでいることが日本よりずっと受け入れられているなぁと思います。なので、チェコでも肉を食べずに暮らすことは全く難しくはないのですが、実は、渡航から3ヶ月ほど経った頃から肉を食べ始めました。

理由は、体調面です。
ここ数年、肌の痒みがひどく、色々な病院・検査・治療法を試したものの治らない状態が続いていました。

以前、ヨーロッパを一ヶ月間周遊していた時に、なぜか肌の調子がよくなる、ということがあったので、チェコへ引っ越したら同じように治るかも、と期待していましたが、渡航からしばらく経っても全く変化がありませんでした。
日本では、皮膚科でもらった薬を常飲して騙し騙し暮らしていたのですが、日本を出る前に処方してもらった薬(3ヶ月分処方してもらえた)もいずれ無くなります。こちらでは病院に行くにもハードルが高いし、と困っていたところ、ペトルが「試しに肉食べてみない?」と提案してきました。

彼なりに私のために色々調べてくれていたので、無下にするのも悪く、一度試してみるか、と少しずつ食べてみることにしました。最初は抵抗があったので、比較的食べやすいソーセージやハムから。仮に肉に効果があったとしても、加工肉で意味あるんだろうか、という疑問は残りつつ。

そうしたら、びっくり。食べ始めて2、3日で痒みが治まったのです。加工肉効果あった!

数年悩んでいた症状がそのタイミングでピタリと治ったので肉を食べたことが良かったとしか考えられません。どれだけ検索しても、肉の食べ過ぎはヒスタミン(痒み)を増やすとされているので、何が原因だったのか、なぜ効いたのかは今だに謎です。足りていなかった何かの栄養素が補われたのでしょうか?

 
自分一人だったら肉を食べるという選択肢はありえませんでした。
元々、畜産環境に反対する気持ちで始めたとはいえ、菜食は体にいいというのも信じていましたし、そこに原因があるなんて認めたくありませんでした。ペトルが心配するので、「効かないと思うけど、そんなに言うなら食べてあげてもいいよ」という上から目線でとった行動が功を奏するとは。中年女の石頭を優しくかち割ってくれたのは可愛い年下の夫なのででした。

ちなみに、チェコ含むEUの畜産環境、倫理面では日本よりずっと進んでいるイメージがあります。そのことも「肉を食べてもいいかな」と思わせてくれた理由でもあります。
少なくとも自宅で鶏などを飼って捌いて食べる、というのが周りでもごく普通に行われているので、一般的な日本人よりはよっぽど「生き物を殺して食べている」という感覚は持っているし、肉との距離感が近いというのは確実に感じます。家で飼っていた動物を殺すことに抵抗がある人はそこで菜食を選択することがあるのかもしれません。

 
結果的に郷に入って肉を食べるようになったというわけです。せっかくなのでチェコの伝統料理にも挑戦したいのですが、如何せん肉ドーンな料理が多く、まだソーセージ・ハムから次の段階へは進めていません。まぁいずれ。