前回の「吉方位旅行」の記事に書いたように、三連休に台風の中、高知に行ってきた。もちろん、無事に戻ってきた。

 

台風直撃の2日目の午後はホテルに閉じ込められたが、旅行中に予定していた神社は全て巡ることができた。飛行機の欠航もなく、現地の電車やバスの運休の影響を受けることもなく、強雨や土砂降りに会うこともなく。

初日は高知空港到着時に1~2mm程度の雨。その後も最大3mm程度の、参拝に差し支えない小雨と言える範囲内の雨で済んだ。旅行前日くらいの予報では10mmの強雨となっていて、「これは初日はダメだな」と思っていたことを考えれば良かったと言える。

旅行2日目は台風直撃なので、さすがにどうしようもないうえに、その前日(旅行初日)寝る前の天気予報では朝7~10時くらいしか行動できない感じだったのが、朝起きてみたらお昼の12時か13時くらいまでは大丈夫になっていたので、これも良かったと言える。

初日と2日目の旅程が大幅に影響を受けたため、その場で状況と最新の天気予報を見ながら旅程を切り貼りして組み直す作業に追われたりはしたが、要するに、2日目の午後が丸々潰れた以外は普通の神社巡り旅行だったということである。

3日目は台風一過で晴天。その3日目に行った神社から土佐神社と海津見神社(龍王宮)を紹介したい。

土佐神社は文字通り土佐国の一宮であり、高知で一番有名な神社ということになると思うのだが、初詣参拝者数では市の中心部にある潮江天満宮(うしおえてんまんぐう)に負けているらしい。事前に見た画像でも特に感銘を受けることもなく、それほどは期待していなかった。この予想は後で良い方向に裏切られる。

鉄道だと土讃線に土佐一宮という駅もあるのだが、そこから徒歩15分かかるし、高知駅からバスで行くのが便利。一宮神社前というバス停で下りるのだが、「いっくじんじゃまえ」と読むことを知らないと驚くかもしれない。というか、実際、驚いた。途中にある一宮バスターミナルも「いっくバスターミナル」であり、地名も一宮しなねは「いっくしなね」、駅名も「とさいっく」だそうである。

 

 


バスを降りると参道入口となるシンボル的存在の楼門が目に入る。この楼門の前に説明書きがあったのだが、それによると御祭神は味鋤高彦根神(アヂスキタカヒコネ)なのだが、これが一言主と同一神らしいのである(葛城一言主神社の御祭神であり、どんな願いも一言で叶えてくれるとされる。古事記に書かれている雄略天皇との話が有名。過去記事「神社巡り 葛城一言主神社・高天彦神社ほか」を参照のこと)。

 

 

これは知らなかったので、素直に「そうだったのか・・・。一言主神社は存在が珍しいと思っていたが、こんなところにも一言主神社があったのか」と思ったのだが、公式サイトの説明では別神に思えるので微妙なところである。

 


しかし・・・。楼門をくぐって参道を歩き始めると、似ている。確かに似ている、この感じ。葛城一言主神社の参道を歩いた時の感触が蘇ってくる。どちらの神社も参道が印象的で、開放的な参道(社叢に覆われていない)だが両脇に木が並び、参道正面に山。

 

 

そんな参道はいくらでもあるのではないかと思うかもしれないが、そんなことはない。この2社の参道は確かに似ている。思い出がフラッシュバックする程度には似ている。どちらも歩いていて気持ちの良い、気分が良くなる参道。期待が高まってくる感じ。

 

 

こちらは葛城一言主神社の参道の参考画像。画像では似ていると思うかは微妙かもしれないが、実際に歩いてみた時の感じでは確かに似ていた。

 


そして、しばらく参道を歩いて手水舎・鳥居に到着。鳥居の外から眺めた感じが、また良い。失礼ながら、あまり期待していなかったと書いたのだが、場の気は期待を大きく上回って良い感じである。

場の気が良いとか悪いとかというのは特に難しいことを言っているわけではなく、力強さ、清浄さ、崇高さ、荘厳な感じなどが自然と伝わってくれば、その場の気は良いと言える。

 

あと、気分が勝手に良くなっていったりする。だから、前述のように参道を歩いているうちに、気分が高まっていくような神社は良い神社なのである。そして、そういう場所をパワースポットと言うわけである。

 

 

 


拝殿は歴史を感じさせる古風な趣のあるつくり。台風の後だったので、境内では神職総出で清掃を行っていた。そのため、落ち葉がまとめられている。

さて、ここまで鳥居前や拝殿前で私同様に熱心に写真を撮り、熱心に参拝していた女性が1人いたのだが、拝殿での参拝後、私が拝殿左手の境内社に参拝して本殿後方の社叢に入って行ったのに対して、その人はついて来なかった。

神社に興味がある人でも、あまり境内社に参拝していなかったり、本殿をとり囲む周回路とか本殿後方の社叢とかを無視している人がとても多い。もちろん、参拝の仕方は人それぞれであり自由なんだけど、それだと宝物を見逃すよっていうお話。

神社趣味人からのアドバイス。「境内をなるべくくまなく歩こう」。「本殿のまわりに歩ける周回路があったら、必ず歩いてみよう。本殿もなるべく見てみよう(本殿裏等で参拝しても良い)」。「社叢(鎮守の森)があったら、ちょっとのぞいてみよう」。

 

神社における不文律。これ、誰からも教わったことがないのだけど、神社において入ってはいけない場所は入れないようになっているか、きちんと明示してある。逆に入れるようになっている場所は入っても良い。

 

今まで1300社くらい参拝してきて例外はないと思う。一度だけ神社の人にそこは入ってはいけない旨言われたことがあるが、それは神社側のミスであり、その件の後、入れない部分の道の中央にカラーコーンを置いていた。そうするものなのである。

 

 

本殿。入母屋造り。

 

 

境内社3社。中央が西御前神社(御祭神未詳)。右に大国主神社、左に事代主神社。


私は神社趣味人だから、神社の構成要素の多くに興味があると言えるかもしれないが、そのうちの1つに「社叢(しゃそう=鎮守の森=神社を取り囲む森)」がある。これは多くの場合において、神社の良い場の気を生み出す最大の構成要素になる。それを無視することはできない。特に神社をパワースポット的に見ている場合などは、社叢がパワーの源であったりするのだから。

 

 

文字が読めないけど、参拝順路として社叢も行ってみてね、ということが書いてあったはず。
 

 

 

今「社叢」という構成要素が出てきて、さっき「参道」という構成要素が出てきたんだけど、構成要素ごとに神社を見ていくと面白いし、見方が深くなるかもしれない。

 

「拝殿」だと寒川神社や穂高神社が凄いと思うし、「参道」は候補がたくさんあるけど過去記事で椿大神社が凄いと書いた。「社叢」も候補が多すぎるけど大馬神社(三重県熊野市)が凄いとかね。

 

「鳥居」とか「本殿」とか「境内社」とか「御神木」とか「神池」とか「太鼓橋」とかまだまだ構成要素はたくさんあるので、それぞれ一番印象深かったものを考えてみるのも面白い。神社の楽しみ方の一例として。

 

 

 

さて、 当社の話に戻ると、本殿裏手の社叢と御神木、神明宮が超絶素晴らしい。この辺りは私以外に参拝者が皆無だったのだが、これらを訪れないと後悔するので、是非見逃さないようにしていただきたい。

 

この御神木、凄かったんだけど、画像になっちゃうとちょっと伝わっていない感じ。

 

 

 

 

こちらが神明宮。参道や石段の雰囲気がとても素敵。

 

本殿の裏を一周して戻ってくると、守護霊様の名前「速開都比咩(ハヤアキツヒメ)」とサブ守護霊様の名前「瀬織津比咩(セオリツヒメ)」を発見。もちろん、ここで参拝する。

 

 

 

守護霊様チームのメンバーの全貌がわかってから、こういうことにより敏感になった。さくや姫(浅間神社)と宗像三女神(宗像神社、厳島神社)は神社や境内社が多いのだが、それ以外の女神様を祀る神社・境内社は多くはないので、見逃さないようにしないといけない。

 

 

 

そして、当社にも厳島神社があった。大きな神社の境内社として存在している宗像神社・厳島神社ってわりと優遇されていて、神池があって、島があって、橋があって、社殿も結構大きかったり豪華だったりすることが多い。すべて当社の厳島神社にも当てはまる。

 

これで一通りの参拝が終了。一周40分程度の参拝時間。評価は5点満点で4.5。事前の予想を大きく上回って良い神社だったので、参拝体験としても大満足だった。

 

バスで高知駅に戻り、さらにバスを乗り換えて次は桂浜に。

 

ちなみに、バスは途中で長浜地区(長浜バスターミナル)を通るのだが、その辺りに秦神社と若宮八幡宮という2つの県社がある。前者は長宗我部元親を祀り、後者は長宗我部元親が戦勝祈願に訪れた神社とのこと。桂浜からの帰りにこの2社に参拝したが、ここでは紹介は省かせていただく。

 

30年ぶりの桂浜である。そして、バスの中から海が見えた時、心の底から感動した。太陽の光が海面に反射して、無数の小さなキラキラ。めったに見ることのできないレベルの美しい光景だった。

 

この桂浜にあるのが、海津見神社(わたつみじんじゃ)。通称で竜王宮と呼ばれているようである。30年前は神社に興味がなかったため訪れておらず(たぶん)、今回が初参拝となる。

 

 

 

まずは、さきほど見たバスからの光景を、もう一度間近に見ながら桂浜を歩く。

 

 

 

やはり美しい。桂浜って、こんなに美しい場所だったのか。そういう記憶はないのだが、30年前は天候がいまいちだったのかもしれない。曇りの厳しい天気だった気がする。今回は台風一過の晴天だから、その点は却って良かったのかもしれない。

 

 

海津見神社の遠景。

 

 

途中に龍宮橋という橋がある。どこからが神社境内なのかは不明だが、この橋から先が境内という雰囲気になる。

 

 

 

 

石段を登ると、鳥居と小さな社殿。朱を基調とした社殿は龍宮城をイメージか。

 

御祭神は大綿津見神(オオワタツミ)。オオワタツミの娘が豊玉姫であるが、豊玉姫が祀られていないのは意外である。

 

日本神話の中では、豊玉姫は山幸彦(天孫ニニギの息子)と結婚するのだが、その話の中で兄から借りた釣り針をなくして困っていた山幸彦を助けたのが、豊玉姫の父であるオオワタツミということになる。龍宮城の王様がオオワタツミ、娘のお姫様が豊玉姫。

 

 

 

桂浜を高いところから一望する眺めは、やはり素晴らしい。

 

 

 

 

 

さらに一段高いところに上る階段があり、その辺りからの素晴らしい眺め。実はこの一番高い場所に小さな祠の早高神社という神社があったらしいのだが、事前調査不足で見落とした。

 

当社のような小さな社殿の神社は5点満点評価で3.5くらいまでしか付かないことがほとんどなのだが、当社はなんと評価4.0。高知に来たら、一宮の土佐神社の次の優先順位で考えても良い神社。お奨めしておきたい。

 

 

近くにある坂本龍馬像。30年前にも見た記憶があるのだが、砂浜の上に立っているのかと思っていたら小高い丘の上にあり、記憶が全然違っていた。

 

今回紹介した2社以外の高知の主要神社についても簡単に書いておく。

 

市の中心部付近にあるのが、初詣参拝者県内1位の潮江天満宮(うしおえてんまんぐう、県社・別表)、山内一豊ほか土佐藩歴代藩主を祀る山内神社(別格官幣社)、高知八幡宮(県社)。やや離れたところに高知縣護國神社(指定護国・別表)。

 

桂浜方面が、海津見神社龍王宮のほかに、秦神社(県社)、若宮八幡宮(県社)。

 

高知駅から鉄道で西方面に向かうとあるのが、朝倉神社(式内・土佐国二宮・県社)、椙本神社(すぎもとじんじゃ、県社)、小村神社(土佐国二宮・県社)。

 

これらが私が今回の旅行で参拝した神社。

 

ほかに、県内では須崎市の鳴無神社(おとなしじんじゃ)が有名だが、公共の交通機関では参拝が困難な場所にある。鳴無神社の御祭神も一言主であるのは非常に興味深い。また、鳴無神社では一言主と味鋤高彦根神(アヂスキタカヒコネ)を同一神としているとのことである。

 

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