老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

44;意地悪婆さんをトイレに置き去り

2017-04-24 04:45:07 | 老いの光影
ご訪問ありがとうございます

老人保健施設での話
人生を70、80,90年と
生きてきた老人は凄い。
脳卒中や転倒骨折などの病や事故がもとで
手足が不自由になり
車いすやベッド上での生活となった今でも
元気である。

意地悪婆さんもいて、
結構そういう婆さんも楽しい。
青山登志子(83歳)さんもその一人。

或る晴れた日の空
意地悪な婆さん 青山登志子(83歳)さんから
「トイレに行きたい」と頼まれた。
車いすに乗り換え
トイレまで車いすを押し洋式便器に腰かけさせた。
そこまでは登志子さんとの関係は良好!

施設内放送で私は呼び出され
彼女に「チョッと電話をしてくるから待っててね」と話しかけた。
彼女は「大丈夫だよ」と。
電話をしている間に
私は洋式便器に座っている彼女のことを
こともあろうに忘れてしまった。
(彼女は座位保持が安定しているので
洋式便器から転落することはなかった。
が、一人で洋式便器から車いすに乗り移ることはできない)

「あっ」、彼女をトイレに置いたままであった、と気がつき
トイレに慌てて行ったときには、もう居なかった。
急いで彼女のベッドに行き謝るも
ガンとして許してくれるどころか怒られてしまった。
「そんなことでお年寄りの介助が勤まるか~」と。
何度首を垂れてもその日は許してもらえなかった。
登志子さんと一緒に生活している他の婆さんからは
「あの人頑固だからもう謝らなくてもいいよ。
謝ったんだから、気にしない」
と慰めてくれた。
退勤するときも
彼女のベッドに行き許しを乞うたが
無言。
最後まで許してくれなかった。

翌朝 登志子さんに「おあはようございます」と挨拶をした。
彼女から「昨日はいい過ぎた。悪かったね」と逆に詫びの言葉が返ってきた。
私は彼女に一本とられた、と思った。
彼女は私を試したのだ。
本当に心の底から謝っていたのかどうか

もうこれだけ、謝ったんだから、と
というような言動を示していたら
彼女との信頼関係は崩れ、修復に時間を要したに違いない。



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1 コメント

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はじめまして~ (N&N)
2017-04-24 20:42:14
読者登録ありがとうございます。

日々の暮らしをブログにしています。
今年、父を亡くし
49日の法要も終わり 初盆に向けて準備中です~
是からも宜しくお願い致します。

老人介護は大変です!
体力と精神的な面が重なりますが、お仕事頑張って下さい 
私も両親の介護&金銭で苦労しました!!

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