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CVポートとCVカテーテルの違い、適応の基準って何?

CVポートとCVカテーテルの違い

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こんにちは、星谷です。

ネットのニュース記事で、たまたま小林麻央さんが鎖骨下にCVポートを埋め込む手術をしたらしい、というのを見かけました。

この記事は、当初 麻央さんが逝去される前に書いたものです。

「鎖骨下にCV」という文字に反応して読んだのですが、どうやら腕の血管 ( 末梢静脈 ) からの点滴に限界を感じていたご様子。

より安定して投与できる 中心静脈 から投与する運びとなったようでした。

きっと 高カロリー輸液や、がんの治療薬を投与するためなのだろうと思います。

 icon-arrow-down IVHとか、CVカテーテルのCVって何?がわかる記事

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でね、ふとそのニュース記事を読んでいてある疑問が湧いてきたんです。

ポートを入れる人とそうじゃない人の違いってなんだろう? と。

中心静脈カテーテルとは

中心静脈カテーテルは、[CVカテーテル] とも呼ばれます。

私は昔、首元から挿入したCVカテーテル経由で 高カロリー輸液などの濃い薬剤を投与していました。

静脈の種類についてのイラスト

理由は、持病の 潰瘍性大腸炎 の炎症がひどく禁食していた為、高カロリー輸液を投与する必要があったからです。

腕のほそい静脈よりも太い静脈にカテーテルを挿入することで、長期的な薬液の投与が可能になります。

 icon-arrow-down 私がCVカテーテルを挿入した時の詳細

CVカテーテルの記事のアイキャッチ画像
中心静脈カテーテルを入れた時の話と恐怖心の話【UC体験記】 ≪ 前 | 体験記もくじ | 次 ≫ 中心静脈 (CV) カテーテルの挿入――。 これは簡単にいうと、栄養や薬...

CVカテーテルの挿入は処置室で出来る

CVカテーテルを挿入した首元の説明イラスト

首元のところから穿刺してカテーテルを挿入したら、カテーテルが抜けないように糸で縫って固定します。

なので 管そのものはプラーンと外に出ている状態です。

こちらのデメリットとしては

  • 挿入した部分からの感染症のリスクがあること
  • カテーテル(管)が体外に出ているため邪魔
  • 何かの拍子に抜けてしまう危険性もなくはない

といったところでしょうか。

ニュースをみてこっちの処置をしたと勘違いする人も……

私も、[CVカテーテル] の経験はあるけど [CVポート] の事はよく知らない身だったので、

最初読んだときは「あれ?」と少し混乱しちゃいました。

CVカテーテルも、穿刺する時には局所麻酔は使うので、文面だと ほぼ同じような感じに見えちゃうんですよね……。

実際に、ニュース記事のコメント欄で「手術って言うのは大げさすぎやしないか」という人もちらほら見かけたので、

「処置室で挿入する事ができる [CVカテーテル] を入れたのだ」と勘違いした人は、けっこう多かったのだと思います。

星谷
星谷

「中心静脈から輸液や薬液を投与する」っていう点で同じ括りにあるから、余計に話をややこしくしてるよね。

違いも、両方の存在を知っていないとまず分からない事だしなぁ……。

では、[CVポート] の方は、一体どんなものなのでしょう?以下にまとめてみました。

CVポートとは

こちらも中心静脈カテーテルの一種です。皮下埋め込み型ポートと呼ばれるそうな。

その文字通り、このポートと呼ばれるものを皮膚の下に埋め込みます。

このポートの真ん中の所がシリコン素材になっていて、ここにぷすっとポート専用の針を刺して点滴を投与する、という感じですね。

CVポートについて説明したイラスト図

こんな感じで入ってる↓

CVポートが体内にどう入っているのかを説明したイラスト

埋め込んでしまうワケ

これを体内に埋め込む……?

とあまり想像がしにくいですが、埋め込むことによって下記のようなメリットがあります。

  • 針を何度もさし直す苦痛がない。
    点滴の針はポートのシリコン部分(セプタム)に刺すため、血管に直接ささずに済む
  • 体内に埋め込まれているため、投与中に自由に両腕を動かせる
  • 管理をしっかりとしていれば、かなり長い期間使用することも可能

通常の点滴だと、腕を動かしている内に留置針が血管からはずれて、点滴漏れを起こしてしまうこともあるんですよ。

あれ、漏れると腫れて痛いのよね……;

長期的な治療になればなるほど、針の刺し直しも多くなったり、刺す場所がなくなっていったりするので、

それらの苦痛から解放されるのは、かなり大きいと思います。

中心静脈に入っているカテーテルもポートと一緒に体内に埋め込まれてしまっているので、腕が自由に動かせるのも、いいですね。

デメリットは?

デメリットで考えられるものとしては、

  • 小規模とはいえ、外科的手術が必要であること
  • 合併症のリスク
  • 目立ちにくいとはいえ、やはりポートが入っているのが分かること
  • 異物を体内へ入れることへの恐怖心

などがあります。

ポートの埋め込みは手術室で

局所麻酔 (特定の部位だけを無痛にする麻酔。意識アリ) が使われます。

そして、ポートを埋め込む 小手術 となるので、手術室で行われます。

ポートを入れる人と入れない人の違いがわからん!

ざっとポートなしのパターンとありのパターンをみてきたわけですが、

「ポートを入れずに済む方法があるのなら、ポートってどういう場合に入れるの?」

と思いませんか?

小林麻央さんのニュース記事を読んでいて生じた疑問はこれです。

その疑問の答えは、ポートのメリットを更にみていくと分かってきました。

在宅療養での使用が可能

通常の点滴では、看護師さんが静脈を探して、血管の中にうまい具合に留置針をいれてくれますよね。

血管が細かったり見えづらかったりすれば、一発で入らないなんてこともよくあるわけで……。

そんな時!

このポートがある場合なら、セプタムと呼ばれるシリコン部分にさすので、一発で確実にさすことが可能になるんです。

狙いを定める 的(まと) の大きさがでかくなった、と考えていただければ分かりやすいかな、と思います。

ピンポイントで狙わなければいけなかった血管という小さな的から、分かりやすいポートという大きな的に変わった感じですね。

そのため、その場に医療従事者がいる場合には医師や看護師さんがやってくれますが、

自宅で治療をおこなう際には、患者さん自身でCVポートへの針の抜き刺しをおこなうことが可能だそうです。

定期的に入院して投与する、などの場合にも

CVカテーテルの場合、

挿入したカテーテルが体外に出ている状態になるため、退院となれば抜去することになります。

処置室で済むものとはいえ、カテーテルの挿入は そこそこの恐怖心も伴うため、

入院するたびにカテーテルを挿入するなんていう事があったら、かるくトラウマになりそうですよね……。

けれどCVポートであれば、体内に埋め込まれているおかげで、常にルートが確保されている状態です。

長期にわたる治療計画の中で、定期的に中心静脈からの投与が必要になると分かっている場合にも、適応となることがあるようです。

考えられるのは、がん患者さんの抗がん剤治療などですね。抗がん剤は濃いものが多いようなので。

抗がん剤治療でポートを使用されている方が多い印象

ニュース記事のコメント欄でも、がん治療の際にポートを埋め込んだという方が多く見受けられました。

在宅の治療の際にも使用できるというのは大きなポイントですよね。

記事では、麻央さんは今後は退院して在宅で療養する方針だということが記述されていましたから、

CVカテーテルではなくCVポートを埋め込むことになったのにも頷けますね。

おわりに

個人的にとても気になっていた、この2つの療法。それぞれの違いを知ることができてよかったです。

私がCVカテーテルの適応となったのは、自宅で点滴治療する予定はなく、

カテーテルが必要なのは入院生活のあいだに限ってのことだったので、ポートをいれる必要性がなかったからなのでしょう。

同じことをするのにも 色々な方法があるのだと、とても勉強になりました。

2017年6月22日夜 小林麻央さんが逝去されました。

命とは何か、生きるということは何か、ということについて多くの人々が考えるきっかけをくださった方でしたよね。

小林麻央さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。