ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

中国の世界シェア~人口、時価総額、名目GDPの観点から~

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「世界シェア」

という観点から中国の国力の一部を観察する記事です。

世界シェアという言葉を使うのが適切か、少し疑問がありますが、ニュアンスは通ると思うので

「人口」「時価総額」「名目GDP」

の3つの観点から、1990~2016年の中国を観察してみます。

「時価総額」「名目GDP」はドル建ての数値です。


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世界シェア~中国の人口~

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※出所:世界の人口 国別ランキング・推移(国連) - Global Noteのデータより管理者作成

※期間:1990~2016年

26年で約22.0%⇒約18.8%に比率は低下、約3.2%の低下です。

この期間においては、中国の人口増加のペースは「全世界の人口増加のペース」より低いです。

2016年末で世界の人口が1000人なら、中国人は188人くらいの比率。

比率が減ったとはいえど、人類の5人に1人程度は中国に住んでいることになります。

世界シェア~中国の時価総額~

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※出所:Global NoteWorld Federation of Exchangesのデータより管理者作成

※期間:2003~2016年の年末データ

浮動株調整を行っていない時価総額です。

※浮動株⇒発行されている株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式のこと

【浮動株や浮動株調整についてはコチラ↓】

浮動株│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

浮動株調整時価総額とは|ノーロード投資信託ガイド

2003年以前のデータが入手できないので、2003年以降の推移です。

2003年頃は中国の時価総額は全世界の2%に届きませんでした。

それが2016年末で1割強。

世界シェアを5倍以上に伸ばした13年間、ともいえます。

10年ちょっとで5倍です。

中国では国有企業などが上場企業の株式の多くを保有し、市場に流通しにくい株式が多いようです。

そのため浮動株調整後の時価総額は先進国に比べてとても小さくなってしまいますが、浮動株調整をしていない時価総額はもはや全世界の10%以上、米国に次ぐ世界第2位の地位を占めています。

世界シェア~中国の名目GDP~

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※出所: Global Noteのデータより管理者作成

名目GDPのシェアは見事な右肩上がり。

世界シェアを26年感で「1.7%⇒14.9%」に拡大しています。

時価総額とからめて考えると、概算ですが

・2003年末の時価総額と名目GDPのシェア

⇒時価総額:2%。名目GDP:4

・2016年末の時価総額と名目GDPのシェア

⇒時価総額:10%。名目GDP:15

です。

経済規模の増大とともに市場規模も拡大する傾向がうかがえます。

 

また、人口とからめて考えると、1990⇒2016年の期間で

ざっと2割前後の人口シェアを持つ国の経済規模のシェアが、2%から一気に2割に近づいてきた(2016年末で約15%)

という見方をできるかもしれません。

かつての中国の一人当たり名目GDPが、全世界と比べて極端に低かったこともうかがえます。

まとめ

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※出所:Global NoteWorld Federation of Exchanges世界の人口 国別ランキング・推移(国連) - Global Noteのデータより管理者作成

中国の1990~2016年の「人口」「時価総額」「名目GDP」の世界シェアを併記すると上記のようなグラフになります。

※時価総額は2003年以降

一言でまとまれば、この26年間(特に2000年以降)は

中国の一人当たりの経済規模と市場規模が世界平均に急速に近づいた時期

といえるのではないかと思います。

・1990年のシェアは人口:22%、市場規模:?、経済規模:2%。 

・2003年のシェアは人口:20%、市場規模:2%、経済規模:4%。

・2016年のシェアは人口:19%、市場規模:10%、経済規模:15%。 

 

ただ、中国は急速に高齢化が進行しており、人口増加も頭打ち、2015-2025年は生産年齢人口も減少に転じると予測されています。

また、一人当たり名目GDPが世界平均に近づいてきたことは、

・中国の給与水準や人件費が世界平均に近づいてきたこと

も意味するので、かつてのような「膨大な低賃金の労働力」という中国の優位性が失われつつあること、

・いわゆる【中所得国の罠】にはまりやすい時期に差し掛かっていること

も意味すると思われます。

※中所得国の罠⇒中所得国の罠とは|金融経済用語集

これらのことから今後、ここ10年20年ほどの勢いは続かないように思われ、中国の株式インデックスへの長期投資にはわたしは積極的ではありません。

それでもかつてより世界における存在感がとても大きくなったことはデータ的にも確かであり、その動向は今後の日本や世界にも大きな影響を及ぼし続けそうです。

「米国と日本の世界シェア」と「生産年齢人口」の関連記事です

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