はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

OODAループ

2024年02月11日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 OODAループとは、勝敗に関わる意思決定と実行のために行われる思考方法の1つで、現場の業務や私生活などでの改善に役立つ考え方と言われています。

 一般的には、「PDCAサイクル」の方が馴染みあるかと思いますが、時代の変化やあらゆる状況の変化に対応した行動に繋がる思考という点では、OODAループの方が優れています。

 状況の変化に応じて、臨機応変に対応するには、PDCAサイクルでは限界があるため、OODAループという思考を学ぶ授業を、奈良県フォレスターアカデミーで行ってきました。

 

 まず、OODAループのOODAとは・・・

Observe = 見る(観察・情報収集する)

Orient = 分かる(状況判断)

Decide = 決める(意思決定)

Action = 動く(実行・行動する)

 これら4つの頭文字を繋げたものです。

 

 PDCAサイクルはm、P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(行動)の順に沿って行いますが、OODAループは、必要に応じて、途中から前の段階に戻って再開するという考え方です。

 一方通行のPDCAサイクルに対し、OODAループは、状況の変化に応じて、任意の段階からループをリスタートできるという点が大きな違いです。

 

 このOODAループによる思考を意識し、体験いただくため、カプラを使ったOODAループ体験を行いました。

 

 まずは、2グループに分かれます。

 そして、それぞれのグループで、さらに前半組と後半組に分かれます。

 グループ対抗で、①早く作る ②多く作る ③高く作るの3項目を競い、2項目とったグループの勝利です。

 

 最初は前半組がカプラでらせん階段を作ってもらいます。

 後半組は、前半組の作り方や動きを見て、自分たちが作る場合の作戦を練ります。

 前半組が終了したら、対決を判定します。

 

 次に、後半組がスタートです。

 後半組は、前半組の動きを見て、どうすべきか理解した上で、”こうしよう”と判断して、勝負に勝つための行動に臨んでいます。

 この間、前半組は、次の挑戦に向けて、自分たちの作戦を練ってもらいます。

 前半組は、何もわからないまま、らせん階段を作ったので、勝負の判定や評価、自分たちの行動など全てを振り返って、再び、勝つための思考を巡ります。

 前半組は、一通りの勝負の中で、改善策を見出していますが、後半組の動きを観察することで、さらに改善策が改善されていきます。

 後半組は、勝負自体は初めてなので、作戦通りに進まないという状況になった際、どう行動すべきか、相手の動きを観察し、そこから改善策のヒントを得ようとします。

 

 後半組が終了したら、判定です。

 最後の勝負に向けて、前半組と後半組が一緒になって、作戦を練ります。

 

 最後の勝負は、前半組と後半組を合わせたベストメンバーを選出して行います。

 

 今の時代、常に状況が変化していきます。

 流行も次々と変わり、昔に流行したものが、再び流行することもあります。

 こうした変化に速やかに対応するためには、これまでのPDCAサイクルよりもOODAループの方が優れています。

 もちろん、PDCAサイクルも必要ですが、状況に応じて、OODAループという思考を取り入れていただくことが、今回の授業の目的として行わせていただきました。

 

 OODAループ、是非、この機会に知ってください。

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ヤドリギ

2023年12月25日 | 樹木・草花のお話

 クリスマスを代表する樹木「ヤドリギ」。

 冬の間でも、落葉樹に半寄生する常緑樹のヤドリギは、強い生命力という象徴として扱われ、ヨーロッパでは、昔から、宗教的に「神聖な木」とされたり、「幸運を呼ぶ木」とも言われているそうです。

 

 ヤドリギと言えば、「ヤドリギの木の下で出会った男女はキスをしても良い」という、なんか都合が良いような言い伝え(^_^;)がありますよね 。

 ケルト神話や北欧神話では、ヤドリギは幸福・安全・幸運をもたらす「聖なる木」とされており、非常に縁起の良い植物とされているそうです。

 そんなヤドリギの下を通るとき、幸福・安全・幸運を願うという習慣から、未婚の男女は幸せな結婚を願い「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」という習慣が生まれたそうです。

 ロマンチックな感じがしますが、逆に、ヤドリギの下でキスを断ると、縁起が悪く、翌年は結婚できないとも言われています。

 「え~、私、そんな気、ないのにぃ・・・」という状況だとしたら、ちょっとした脅迫観念に囚われそうな言い伝え・・・・(゚Д゚;) 

 

 

 ヤドリギは「宿り木」と書き、その名の通り、他の樹木に寄生する樹木です。

 主な宿主は、ブナ、ミズナラ、サクラ、ケヤキ、ムクノキ、エノキなどの落葉広葉樹で、宿主から生きるために必要な養分を吸収します。

 時に多くのヤドリギに寄生された宿主は、衰弱し、最悪、枯死するものもあります。

 なので、ヤドリギを「病害」や「病気」とする考え方もありますが、僕自身は病気という認識を持っていません。

 というのも、宿主が枯死するとヤドリギ自身も枯死するので、宿主を衰弱・枯死させるような吸収はしません。

 ヤドリギ自身も光合成を行いますし、宿主から養分をいただく代わりに、宿主が水分や養分を吸い上げるための蒸散を助けています。

 だけど、多数のヤドリギが寄生すると、ヤドリギが宿主の葉を遮り、宿主の光合成を阻害し、宿主の衰弱に繋がります。

 なので、宿主を弱らせたいわけではなく、個々のヤドリギが密集してしまったがために起こった悲しい事故だと思っています。

 

 ヤドリギ自身は、「あっ、この樹木に寄生しよう~♪」と狙いを定めているわけではありません。

 ヤドリギの木の実を食べた鳥が、ヤドリギの種を運び、そこで糞を落とされ、そこに寄生したという結果にすぎません。

( ↑ 発芽した若いヤドリギ )

 

 ちなみに、ヤドリギの種子は鳥にとって、貴重なエサ資源になります。

 ヤドリギが多いということは、多くの鳥が生育できると考えられるので、ヤドリギは生物多様性を支える1つの樹木ともいえます。

 

 なので、それぞれの見方によって、ヤドリギの評価は異なるんじゃないかなと思います。

 サクラの景観を重視する場合は、ヤドリギが発生すると、サクラの樹形を損なうし・・・・。

 多種多様なの鳥が集まれる環境では、ヤドリギがその環境を整える1つの要因になるし・・・・。

 

 結果的に、多数のヤドリギが原因で、宿主を衰弱・枯死させることに繋がりますが、決して、宿主から養分を吸収し尽くして、宿主の命を奪い取ろうという戦略をヤドリギが行っているわけではなく、不可抗力でたくさん集まった悲しき事故だと思っているので、ヤドリギは病気・・・ではないと、個人的には思っています。

 

※2016年12月の記事を改編

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葉痕

2023年12月19日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 冬になって、葉が落ちた痕跡のことを「葉痕(ようこん)」といいます。

 

 冬になると、ほとんどの生き物は冬眠をしたり、植物は落葉や地上部が枯れたりと、寂しい感じになります・・・・。

 そんな時、樹木の葉痕を観察すると、寂しい感じが一転して、楽しい気持ちに変わることがあります。

 

 今回は、そんな面白い葉痕の一例をご紹介します。

 

 葉痕は、枝に着いていた葉の柄が落ちた痕跡なので、葉が大きいほど、葉痕も大きくなります。

 そのため、葉痕の大きさや形は、樹種によって、大きく異なるので、それぞれの違いを観察しても面白いかなと思います。

 

 さて、枝に着いた葉は、枝と葉の間で水分・養分のやり取りを行っています。

 この水分・養分をやり取りする器官を「維管束(いかんそく)」といい、葉が落ちた後も、この維管束の痕が残ります。

 この痕跡は、点や線のような形で残るので、それが目や鼻、口に見えたりするので、動物の顔や笑っている顔に見える、そんな面白い葉痕に出会えます。

 

 ネジキの葉痕。

 飛行中のムササビを、真上から見下ろしたような葉痕。

 僕には、気持ちよさそうに滑空しているムササビの後ろ姿に見えてきます !(^^)! 。

 

 オニグルミの葉痕。

 オニグルミの葉痕は、「サルの顔」に似ているので、とても有名です。

 個人的には、この写真の葉痕は「ヒツジの顔」に見えます (^_^;) 。

 同じ樹種でも、縦に長い葉痕があったりするので、また表情が違ってきます。

 

 トゲトゲが多くて、林業の造林地でとても迷惑な樹木の1つカラスザンショウの葉痕。

 刺々しいのに、めっちゃ笑ってる (゚Д゚;)。。。

 

 こっちは、愛想笑い・・・か?

 

 なんか、悪いことを考えてそうな笑み・・・(^_^;)

 

 という感じで、同じ樹種でも葉痕に現れる表情が違います。

 

 葉が大きいと、葉痕も大きくなります。

 なので、葉が大きい樹木の葉痕を観察すると、面白い葉痕たちに出会えるかも・・・。

 

 ホオノキ、キリ、アカメガシワなども大きな葉をもっています。

 ちなみに、オニグルミやカラスザンショウなどのように「複葉」というタイプの樹木も、大きな葉痕をもつものが多いです。

 ウルシ、ネムノキ、センダンなども葉が複葉の樹木ですし、身近に生えていることも多いので、是非、どんな葉痕なのか、観察してみて下さい。

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コミュニケーションの研修

2023年12月12日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 ㈱はぐくみ幸房では、コミュニケーションの重要性を実感いただく、参加型の研修を行っています。

 今回は、林業の現場班長や班長候補の方々を対象に行うフォレストリーダー研修にて、コミュニケーションの研修を行いました。

 

 写真は受講生の感想です。画像をクリックすると拡大されます。

 

 

 心理学者のアルフレッド・アドラーの有名な言葉の中に、「すべての悩みは対人関係の悩みである」、「人間の悩みの90%が人間関係」とあるように、私たちの日々の悩みの大半は、人間関係です。

 

 中には、「いや、お金だ!」という方もいますが、実は、お金の悩みも対人関係です。

 請求する人と請求される人との人間関係があって、お金の悩みになります。

 

 例えば、請求する人が期限までに支払えと言ってくるから、お金という悩みが生まれます。

 もし、請求する人が5年以内に支払ってくれたらいいよ、お金に余裕が出来たらでいいよと、自分のペースに合わせてくれると、お金の悩みが解消されます(個人的に「早く支払わないと・・・」とソワソワするのは、個人の問題です(^_^;) 。。)。

 逆に、被請求者が、約束通り支払ってくれない、全然支払ってくれないという状況も、お金ではなく、払ってくれない被請求者との人間関係の悩みです。

 

 脱線しましたが、「人の悩みの90%が人間関係(対人関係)である」としたら、人間関係を良くするためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 では、コミュニケーションとは何なのか?

 コミュニケーションとは、「自分の伝えたい情報を正確に、上手に伝える。」ことと「相手に伝えたい情報が正確に、上手に伝わる。」こと、この双方向が成立することをコミュニケーションといいます。

 自分の伝えたいことが、相手に正しく伝わって、はじめて、コミュニケーションが成立します。

 相手の想いや気持ちを無視して、一方的に自分の考えや思いを語ることは、コミュニケーションとは言えません。

 

 コミュニケーション能力が高い人が話す場合、相手の反応を見つつ、伝える方法を工夫しながら、伝えたい情報を正確に伝えようとします。

 逆に、聞く側に回った場合、相手が伝えようとする情報を理解しようを耳を傾け、自分が受け取った情報が正しいか、相手に確認をとろうとします。

 これがコミュニケーション能力が高い人材の特徴です。

 つまり、初対面の方ともすぐに仲良くなってお話できる人が、コミュニケーション能力が高いと言うわけではありません。

 

 さて、弊社の研修では、「意識する」と「無意識」をキーワードに「コミュニケーションの大切さ」を実感するグループディスカッションを取り入れています。

 例えばグループディスカッションの1つとして、2人1組になって、話し手と聞き手に分かれ、あるテーマについて、2分間話し合ってもらいます。

 

 1回目は、相手の話を聞くポイントを意識しながら相手の話を聞きます。

 

 2回目は、相手の話に対して一切の反応をしないと意識して、相手の話を聞かないようにします。

 

 1回目と2回目の違いを研修生同士で話し合ってもらいます。

 2分という体感時間の違い、話しやすさの違いなどなど。

 特に2回目は、意識して相手の話を無視するので、お互いに精神的ストレスがかかります。

 通常、日常生活において、意識して相手を無視することは、ほとんどありません。

 しかしながら、実は、日常生活の中で、無意識で相手を無視したり、無視に近い行動をとっています。

 そのことに気づいてもらうことが、このグループディスカッションの目的です。

 

 実際、2回目の時は、教室全体の雰囲気が恐ろしいほど暗くなるので、講師の立場である僕自身も、気が滅入ります(゚Д゚;)。。。

 

 

 林業界において、よく言われている

 ・生産性を向上したい

 ・生産コストを下げたい

 ・人材を育成したい

 ・労働安全の向上を図りたい

 ・職場の離職率を下げたい

 ・職場の定着率を上げたい

 といったことは、コミュニケーションという土台がしっかりと出来ていることが前提です。

 

 「こうすべきではないか」、「こうした方が良かったのではないか」、「次は、こうしてみようか」などなど、お互いの意見を言い合える雰囲気が出来ることで、それが信頼関係の構築へと繋がっていきます。

 「いいから、黙って言うとおりにやれ!」なんて、言葉が行き交う関係では、信頼関係を構築することは、とてつもなく難しいです。

 上司や先輩にカリスマ性があり、かつ、部下や後輩に恵まれないと信頼関係の構築は難しいと思います。

 

 生物多様性の重要性が言われるように、人の多様性も重要です。

 僕自身、「人の多様性=価値観の多様性」だと考えています。

 人の多様性が多いほど、色々な視点から物事を考えられ、色々な価値観に触れ合うことができます。

 逆に、人の多様性が多いほど、話が平行線になったり、もめたりすることもあるので、その場合は、明確な目的を設定し、全員がその目的に向かう必要があります。

 いわゆる「バックキャスト(バックキャスティング)」という思考で、未来・目的・目標・ゴールを統一しておけば、それぞれの価値観を最大限に発揮できるのはないかと思います。

 そのためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 それを実感していただくため、全員の生き残りを賭けた(という設定の)ゲームをしていただきます。

 

 

 従業員は組織の資産です。

 従業員が成長すると組織の価値が上がります。

 従業員の成長志向が高くなると、その組織は成長し続けます。

 

 これからは、人が働きたい組織を選べる時代。

 「この組織で働きたい!」と思ってもらえる組織になるためのツールがコミュニケーションです。

 

***************

 

 この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 研修等のご依頼や詳しい内容を知りたいという方は、「morikatsu108108108@gmail.com」まで、メールください。

 なお、迷惑メール防止のため、先述したアドレスは、数字と@が全角になっています。

 

***************

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ヒナカマキリ

2023年11月27日 | 昆虫類+αのお話

 体長2cmに満たない日本最小のカマキリ「ヒナカマキリ」。

 出会うと、テンションが上がり、ついニンマリしてしまう可愛いカマキリです (^_^) 。

 

 ヒナカマキリは、体長1.2〜1.8mmと日本最小のカマキリで、本州(東北以南)、四国、九州、沖縄に分布します。

 常緑広葉樹林に棲息する森林性のカマキリで、主に林床や落ち葉の下など地面を徘徊しますが、サイズが小さいので、なかなか出会えない(見つけられない?)カマキリです。

 オオカマキリやコカマキリなど他のカマキリと違って、成虫になっても、跳ぶことが出来ないため、地面を徘徊しながら、トビムシなどの土壌生物を捕食します。

 たまに、ショウジョウバエなどを捕食する姿も。

 ヒナカマキリが最大サイズになる10〜11月くらいに、常緑広葉樹林の林床や落ち葉の下を観察すると、出会えるかなと思います。

 11月頃に2cm未満の小さいカマキリに出会ったら、きっとヒナカマキリだと思います!

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ハリガネムシ

2023年11月21日 | 昆虫類+αのお話

 カマキリに寄生するハリガネムシ。

 

 ちなみに、ハリガネムシは、カマキリだけに寄生するわけではなく、カマドウマやキリギリスにも寄生します。

 

 ハリガネムシの生態は、非常に興味深く、そして、面白い!

 

 ①ハリガネムシに寄生されたカマキリは、体を操られ、川の中に入水自殺させられます。。。

 ②川の中に飛び込んだカマキリの内臓から、ハリガネムシが出てきます。

 ③川の中で、ハリガネムシは交尾し、産卵します。

 (どのようにしてメスとオスが出会うのか、謎ですが・・・(゚Д゚;) )

 ④孵化したハリガネムシの幼虫は、カワゲラなどの水生昆虫に寄生します。このとき、水生昆虫は中間宿主として、寄生します。

 ⑤水生昆虫は、羽化するために陸上へ上がります。

 ⑥陸上に上がった水生昆虫、または陸上で成虫になった水生昆虫が、肉食性のカマキリ、雑食性のカマドウマやキリギリスに食べられます。

 ⑦このとき、ハリガネムシがカマキリなどの内臓に寄生します。

 ⑧寄生したハリガネムシは、カマキリの体内で成長します。

 ⑨成長したハリガネムシは、カマキリを操り、水の中へ・・・・という風に再び①へ

 

 本来、カマキリは、泳ぐことが出来ないので、水に飛び込むようなことはしないのですが、ハリガネムシによって、本来起こさない行動を取るようになってしまいます。

 恐ろしい・・・と感じる生態ですが、実は、このハリガネムシが川の生態系を支える重要な生き物であることが証明されています。

 

 通常、カマキリやカマドウマは、川の中に飛び込むような行動はしません。

 ところが、ハリガネムシに寄生されることによって、川の中に飛び込んでしまいます。

 すると、肉食性の川魚などの生き物にとって、格好のエサとなります。

 もし、ハリガネムシがいなければ、肉食性の川魚たちは、川の中に生息する水生昆虫だけがエサとなってしまいます。

 つまり、ハリガネムシが存在することで、陸生昆虫が肉食性川魚たちのエサ資源となり、その分、水生昆虫の被害が抑制され、川の中の生態系が豊かになる一助となっていることが、研究によって明らかにされています。

 

 いかにも寄生生物っぽい、うねうねした動きのハリガネムシですが、実は、川の中の生態系を豊かにする貴重な生き物です。

 

 まさに、見た目で判断してはいけないとは、このことですね (^_^;)。

 

 最後に、とっても珍しいハリガネムシの写真です。

 入水自殺させるハリガネムシが、なぜか、木の上で、引っかかっている・・・

 不思議な現象 (´▽`)。

 これだから、自然観察は面白い !(^^)!

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ドコモ紀の国・明恵峡の森

2023年11月13日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 和歌山県の「企業の森」に参画されている 株式会社ドコモCS関西 和歌山支店 様の「ドコモ紀の国・明恵峡の森」。

 今年も弊社で森林整備とイベント事業の企画と実施をさせていただきました。

 

 開会式の後は、森林整備班とイベント班の2班に分かれて、それぞれの活動がスタートです!

 

 まずは、森林整備班。

 約15年前に植栽したサクラ、モミジ、クヌギ、ヒノキが立派に成長し、そろそろ間引きが必要な段階に入りました。

 今回の森林整備活動では、樹木が健やかに成長できるよう、枯れ枝と光合成の効率が悪い枝を除去する作業を行いました。

 まずは、光と枝張りの関係性を解説しながら、除去が必要な枝の特徴を説明。

 その後、社員さん自ら鋸を手に取り、枝払い作業を行っていただきました。

 光環境をめぐり、競争関係にあるヒノキとモミジ。

 どちらを残すのか、両方残すならモミジの枝張りをどのように整えるのか。

 自然に生えてきたセンダンを取り除くのか、育てるのかなど自分たちが目指したいと思う森林を想像し、今後の森林整備の方針について話し合いながら、皆さん、楽しそうに枝払い作業に取り組んでいました。

 

 さてさて、一部の社員さんが、森の中で整備活動する中、イベント班では・・・・

 

 「火」と「木」を体感していただくため、アースオーブンによるピザ焼きと薪割りを体験していただきました。

 薪割りは、キンドリングクラッカーを使って、カン!カン!カン!と薪を割ってもらいます。

 割った薪を使って、アースオーブンで火を焚き、ピザを焼いていきます!!

 

 ピザ生地にソースを塗って、

 

 社員の皆さんと一緒にトッピング♪

 

 そして、アースオーブンの中へ・・・

 

 ピザは10分ほどで焼き上がります ♪♪~

 

 そして、ピザだけではなく、ジビエソーセージも♪♪

 

 出来上がったピザをカットして・・・

 

 下山してきた森林整備班と一緒に、みんなで出来立てのピザとジビエソーセージを堪能していただきました(あとサラダも)。

 

 昔の暮らしは、電気やガスがなく、森林資源に依存していました。

 ご飯を作る燃料は「薪」なので、人の生活と森林は密接な関係にありました。

 

 今回のイベントでは、森林整備を通じて「火」と「木」を体感していただきたく、企画させていただきました。

 なお、本イベントは、保健所と消防署に必要な届け出を提出した上で、実施しております。

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フクラスズメ

2023年10月05日 | 昆虫類+αのお話

 この時期になると大量発生する毛虫「フクラスズメ」。

 フクラスズメの幼虫が、大量に発生すると、秋が来たなと感じてしまいます。

 ちなみに、フクラスズメという名前ですが、スズメガ科の蛾ではなく、ヤガ科の蛾です。

 外部から刺激を与えると、体を激しく揺らし、捕まえると、口から食べた葉を大量に吐き出します。

 

 「捕まえると」・・・?

 フクラスズメは、無毒な毛虫なので、捕まえて、触ることが出来ます。

 実は、この時期の自然観察では、フクラスズメを見つけたら、必ず捕まえて、ツルツルのお肌を体感してもらっています。

 

 フクラスズメは、道路脇など日当たりの良い場所に生えるカラムシ(イラクサ科)に発生します。

 大葉に似た感じの草なので、よく見かける植物ではないかと思います。

←カラムシ

 

 フクラスズメが大量に発生すると、見た目によるメンタル的な被害 (;゚Д゚)、糞による生活衛生面での被害 (゚Д゚;) を受けてしまいます。

 

 道路脇にワッサーって、生えていたカラムシが、秋になると、カラムシが茎だけの姿になる様子は、まさに圧巻です(^_^;)。

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トランスコスモスの森

2023年09月10日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 2023年9月8日、トランスコスモス株式会社様が和歌山県の「企業の森」に参画され、それに伴い、弊社で森林体験イベントを企画・担当させていただきました。

 設定された場所は、和歌山県有田川町の森林で「トランスコスモスの森」として森林整備活動に取り組むこととなります。

 さて、今回の森林体験イベントは、9月8日の調印式翌日に行うというスケジュールで、調印式とイベントのW運営で、ご担当の方はとても大変だったと思います・・・。

 今回のフィールドは「鳥屋城山」、前半は自然観察会、後半は木のスプーンづくり体験とさせていただきました。

 

 午前は自然観察。

 鳥屋城山の麓は、花見や紅葉が楽しめるようソメイヨシノやイロハモミジが植えられており、人工的な環境の要素があるものの、頂上に向かうと、アカマツ、ウバメガシ、シャシャンボやナツハゼなどのツツジ科樹木等、やせ地に生育する森林へと変貌していきます。

 人工的な環境から自然の環境に変化する様子を観察していただきました。

 少し早いけど、ナツハゼが実っていたので、和製ブルーベリーとも言える味も体感してもらいました。

 

 お昼のお弁当を食べた後は、「木のスプーン」づくり。

 このスプーンづくりは、私たちの生活や生産活動の中で、やむを得ず、伐採された樹木たちを材料にしており、樹木の命をスプーンという形で活かしてほしいという想いを込めて、行っています。

 なお、紙やすりで磨いて、えごま油を塗るというシンプルな作り方で、刃物類は一切使わないので、小さいお子様でも参加できます。

 

 まずは、自分が作りたいスプーンを選んでいただきます。

 なお、今回ご用意したスプーンの樹類はサクラ、ウメ、ミカン、コナラで、50本ご用意させていただきました。

 加えて、木のお椀・お皿も7枚ほどご用意しました(樹種はイチョウ、クリです。)。

 

 木のスプーンを選んだら、おしゃべりしながら、紙やすりでツルツルに磨き、えごま油を塗って、完成です♪

 

 作り終わったら、完成度が高い「木のスプーン」をお土産として持って帰っていただきます。

 

 森林体験イベントは、予定どおり14時に無事終了しました。

 トランスコスモス株式会社の皆様、ありがとうございました。

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クズノチビタマムシ

2023年08月30日 | 昆虫類+αのお話

 クズに集まるとっても小さいタマムシ。

 クズノチビタマムシ。

 

 名前の由来は分かるけど・・・

 名前の中に「クズ」や「チビ」という単語が含まれるって、なんだか、気の毒だな。と個人的に思ってしまう昆虫です (^_^;) 。

 

 クズノチビタマムシは、成虫・幼虫共にクズの葉を食べます。

 幼虫はクズの葉の中に潜り込んで葉をモグモグと食べ、成虫はクズの葉の上で葉をモグモグと食べます。

 なので、クズの葉が虫に食べられたような痕があると、クズノチビタマムシが潜んでいるかもしれません。

 しかし、体長3~4mmと非常に小さいので、見慣れていないと、意外と気づかないかも・・・。

 不用意に近づくと、葉からポロッと落ちて、そのままどこかへ飛んで行くこともあります。

 

 非常に小さい昆虫なので、見つけにくい(見落としやすい)ですが、実は、本州、四国、九州、屋久島、種子島と幅広く分布しています。

 穴がたくさん開いているクズの葉を見つけたら、クズノチビタマムシがいるかもしれません。

 一度、探してみて下さい!

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