妊娠高血圧腎症はお母さんや赤ちゃんに様々なリスクを増加させる産科合併症です。
Preeclampsia Associates with Asthma, Allergy, and Eczema in Childhood.
今回ご紹介する論文は、妊娠高血圧腎症を発症した場合、生まれてくる赤ちゃんが成長していく過程で、アレルギー性疾患を発症しやすいというお話です。
妊娠中に母親が妊娠高血圧症を発症したかどうかで、生まれてきた子供のアレルギー性疾患発症率を比較しています。
結果としては、妊娠高血圧腎症を発症した場合、その後の児にとって
7歳の時点でステロイドを使用している割合が約4倍になる
アレルギー性鼻炎が約4.8倍多くなる
空気中の物質や食物に対するアレルギーが増える
喘息のリスクが増える
ということでした。
筆者は、子宮の中で胎児が免疫プログラミングを構築していく過程に、妊娠高血圧腎症が悪影響を及ぼしている可能性があると指摘しています。
妊娠高血圧は胎盤形成に問題が起こって発症すると考えられています。
体内環境の悪化は、子宮内発育不全のリスクとなりますが、その一つとして免疫系の異常にも関与しているのかもしれません。
過去の関連記事