タイムラプスとは、一定間隔で撮影した静止画を連続再生することで作る動画です。
分かりやすく言うと、「パラパラ漫画」です。
長時間の変化を時間を短縮して観察することができ、胚発生の観察に有効です。
体外受精によって得られる胚は受精卵→初期胚→胚盤胞と、5~6日間を過ごすわけですが、
タイムラプスがない時代には、発育中の1点を観察するのみで良し悪しを評価せざるを得ませんでした。
タイムラプスの登場により、胚は常に変化しており、実は不良に見えたものでも、数時間たてばそうではないことがありうることが分かりました。
こうして現在ではかなり普及したタイムラプスですが、これによる胚評価の有用性を検討したメタ解析が報告されました。
過去の報告された5つのランダム比較試験をまとめた論文です。
従来の胚評価とタイムラプスによる胚評価をした場合の臨床成績を検討しています。
結果は、タイムラプスを用いたほうが、妊娠率や生産率が上昇し、流産率が減少するということでした。
とは言え、まだ論文5つのみとうことで、エビデンスのレベルはそこまで高くありません。
タイムラプスについてはこれまで賛否両論ありましたが、これから有望なツールとなりそうです。
もちろん、当院でも導入しております。
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