夜の歩道橋 | 男の喫茶店

男の喫茶店

昔、日々の中で書き留めていた詩やエッセイに手直しをしながら載せていきます。


歩道橋の下を

無数の車が行き交う



人を乗せて


商品を乗せて


恋を乗せて


悪巧みを乗せて



ヘッドライトの目は

真っ直ぐ前を見ながら


ちゃんと列をなして



頭上の傘を打つ音と

路上の水しぶきの音



すべての渾然一体が

秩序を作る



無機質な歩道橋も

一体化の橋渡し



異化したい僕とは

気が合いそうもない



一人で渡る歩道橋には

もう誰もいない