機嫌の悪いフォトジェニックは無駄に広いフロアに入り天井の高さを確認する
ガウンを脱ぎ捨てると高い窓を見上げなだれ込む陽射しに両手をかざし爪先立ちをした
右壁面のステンドグラスは余計だと言う
慌てたスタッフがそのステンドグラスを黒い布で覆うとようやく機嫌を戻した
ところが今度は陽を遮られた床が怒り
踊るフォトジェニックを滑らせ転倒させた
調和が不足している
スタッフは壁にfunkyの電光文字を点滅させ天井から吊るしたミラーボールが回転を始めた
DJが恐る恐るレコードを回す
お詫びのしるしにスタッフから瓶のスーパードライを配られると観衆たちも立ち上がった
時代の覇者は群れに埋もれたがそれが調和の始まりなんだ
いや 調和はもう死語か