昨日の続き: 環境の役人の話。

 

意外と雨も降らず15:00に3名到着。

一人でないのは、良い事だと思うが、

女性1名、男性2名。

 

あの手この手で、また最初からやり直しをさせようとしていた。

今回KBLIを変えるだけの話なので、何ら製品や工程が変わるものでもないのだが、

いろいろ理由を探している。

 

DLHは環境、産業廃棄物の管轄でUKL/UPLも其のための物。

とても分厚い小冊子を作って承認を受けるのだが、その手数料を200万円貰おうとする。

分厚い小冊子といっても、各種取得済みの書類と廃棄物の計画書や処理工程を集めた様なもの。

なので、先進国では、本来自分で作るものだ。というか、

製造工程にしても、取得済みの許認可などにしても、外注しない。普通は。

 

実は、このULR/UPLというのが、賄賂の温床で、

法律上は、自分で作ってもいいのだが、自分で作っても受け付けない。

永遠に細かいクレームを毎回小出しに見つけてはやり直しをさせる。

なので、今回は絶対にパスしたい。

 

降参するか、期限切れになりそうになると、「自分のところでやってあげるが200万円」と言われる。

出来たものは、製本こそハードカバーでしっかりしているものの、内容は別に散々クレームされたものを集めているだけ。

スタンプ料の領収書代わりかと思える位、安直にでてくる。

 

さらに、期限が有るのを知っているから、困るであろうギリギリまで仕事をしないで引き延ばす。

今回も、「期限はどのくらいだ?困っているだろうから、我々が色々調整して手伝ってやる」

という直訳ではあるが、正しくインドネシア語として訳すると「このままだと困るだろ。助けてもらうにはどうしたらいいかわかるよな」

である。

 

頭、来たムキー。誰だ、雨だ、忘れただと遅らせてきた奴は。

 

表情にはださないが・・・

グラサン「既にIU免許も出ている。今回は切り替えができたら移行するだけなので、全然急がない。」

「でも材料、輸入でき無いと困るでしょ?」

「産業省はだめだというが、商業省は問題無いと言った。今は材料は商社経由で買っているから問題無い」

といったら、なんか焦っていた。

 

今回3つのKBLIの修正としてBKPMの承認を得ている。

大雑把にいってしまうと、

元々は"プラスチック"、"機械加工"、"プレス"で出来る一般部品というKBLIであったものを、

今回は、"電気部品"、"自動車部品"、"バイク部品"というKBLIにしている。

機械加工、プレスは、加工方法によるKBLIを、業界によるKBLIにしても材料も廃棄も同じとなるから文句は出なかった。

 

しかし、

プラスチックは書いただけで、実際には設備もなにも無いのだが、うまくいって将来的には有るかもしれない程度のものであったし、これも無くなるだけなので、問題無いはずであった。

偶々、将来、電気系の部品にも展開できるかと考えて電気部品も、別に同じ加工方法、材料からできるものなのでと、承認を受けていた。

 

それを盾、剣にして、途端に得意になる。

「プラスチック部品は確かに無くなったとしても、もともと承認していた範囲で0になったのだからいい。

だが、電気部品があると、廃棄物が其の分、機械加工で承認していた分に加えて新規に増えることになる。

この承認はしていない。だから廃棄物も増えるはずなので、これは前回の承認上限を超える。

UKL/UPLを作り直さないとだめだ!

おしかったね~。これでプラスチックが消えただけならよかったんだけどね~。

もしそうだったら、速攻で承認レター出してあげたのに」

 

また頭、来たムキー。 こじつけてんじゃね~よ!

表情にはださないが・・・

グラサン「それなら、どうせ現状は電気部品は製造していないし、いつお客様が取れるかわからないので、そのKBLIは無しにするよう仮免許から削除します。」

 

また、なんか焦っていた。言うには、

「この会社がドンドン新しい製品を作るようになって発展していくことを我々は支援する。別に減らさなくてもいいのではないか」

余計な御世話だ!! 

お前のボーナスを出すためにやってんじゃね~よ。

 

折角おりたIPだが、月曜にまたBKPMに相談にいくことにした。

DINASの臭い環境と違い、BKPMはまっとうなインドネシア人が多い。

が、...はたして、前回の様な大岡裁判的な支援を得られるかは

やってみないと解らない・・・

 

この国が法治国家になって、しかも意味のある、矛盾の無い法律が作られるためには

この臭い連中が早く淘汰されることが必須だがその「”矛盾”や”不可能"なものに承認をだす」のが利権であって、

変わるのは難しいだろう。また、その利権通り、こいつらにエサをやり続ける企業が後をたたない。他に方法が無いケースが圧倒的に多いからしかたないのだが・・・・

実現不可能な法律や、矛盾していて解けない法律群のクリアは、こいつらの胸下三寸で承認がでるからだ。

また、申請や書類を受け取るかどうかの判断も、規定が無いことが多く、細々とどうでもいいことで拒否する権限も彼等にある。

先の本なども、一例で、自分達が作ったものだけを、正として受け付ける。

 

結果、建設現場では良く壊れ、建造物は崩れ、事故が多く、故障も多い。水も漏れるし電気も漏れる。火事が起きればよく燃える。

エレベーターは落ちる。道路は穴だらけ。

実際に安全か、設計通りかではなかく、エサを与えて認可、承認を貰う仕組みになってしまっているためだと思う。

第3者の検査というが、指定の業者でそこの検査でないと通さないなど何が第3者かわかったものではない。

 

インドネシアで零細企業が生き延びるには、エサだと思われないようにしないとならない。

時に体を黄色と黒に塗って蜂のふりをしたり、時に、周りと同じ色になって消えてみたり、涙ぐましい努力が必要だ。

 

とりあえず、デルタマスのあそこの入口には看板が必要だと思う。

”エサを与えないでください”

グラサン