フランチェスコ・トッティ、40歳。現役からの引退を発表しましたね。J2の東京ヴェルディがオファーしたことでも話題になりました。
トッティはローマ生まれのロマニスタ(ローマのサポーター)で、ASローマの育成組織育ち。ローマ一筋なのです。
そういうわけで熱狂的なファンが多いことで知られるローマのサポーターから絶大な支持を受け続けてきたトッティ。
トッティは2006年のW杯で優勝メンバーです。背番号は10番。
La vittoria del 2006 vista dagli occhi di un tifoso nostalgico." Photo by Nazionale Calcio
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ポジションは攻撃的なポジションならどこでもこなし、監督交代の度に戦術変更やコンバートにも適応してきました。
トッティの強いハートを物語る有名なエピソードがあります。代表デビューして初の大きな国際大会はユーロ2000。
準決勝のオランダ戦がPK戦にもつれこみ、キッカーがトッティの番に。
その時、蹴る前にトッティがチームメイトに言った言葉が「今からクッキアイオ決めてやっから」。
クッキアイオとはイタリア語で「スプーン」の意味です。つま先と足の甲でボールをスプーンですくいあげるようにして蹴り、ボールはふわりと放物線を描いてゆっくり落ちる。チップキックとも言います。
ゴールキーパーとのPK戦でクッキアイオを実行すると、キーパーの意表をついて流れを変えることができますが、失敗すればその逆。
代表で新参者のトッティがチームの先輩たちに予告してクッキアイオを見事に決めました。
ナイスガイで愛妻家のトッティ。古代ローマの衣装も似合いそう。
"DSC_0682_totti" Photo by romazone
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プロサッカー選手は一般的に移籍に関して情を挟まずドラスティックです。選手生命は短く、ピークとなればさらに短いですからね。
そういうサッカー選手の生き方も色々で、ローマ一筋はトッティの美学なのでしょう。
若いころは天才にありがちな天真爛漫、やんちゃ者という雰囲気がありましたが、頼れる選手になって久しいトッティは「王子」にふさわしく美しい姿でした。
今後はローマのディレクターに就任されるとのこと。第二の人生もトッティなら活躍されることでしょう。お疲れ様でした。