お盆ですね。お盆は命というものや、死生観について考える機会になったりします。
今回は「グラディエーター」(2000年)からお話を。監督は「スパルタカス」や「ベンハー」など往年のスペクタル作品を愛していると言う巨匠リドリー・スコットです。
"Gladiator角斗士" Photo by jdxyw
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時は西暦180年。ローマ帝国の将軍・マキシマス(ラッセル・クロウ)は、遠征先で老いた皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)から「皇帝の座を託したい」と要請される。
これを知った皇帝の息子・コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は父王を暗殺して新皇帝を名乗り、マキシマスは難を逃れて帰郷するも、そこで絶望して倒れてしまう。
奴隷にされたマキシマスは辺境の地で剣闘士(グラディエーター)として有名になり、皇帝コモドゥスが待つローマ・コロッセウム(闘技場)にグラディエーター仲間と共に向かう。
"275. gladiator_1_1" Photo by petcor80
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グラディエーターの死生観が印象的なのです。絶望を味わい、あの世に行きかけるマキシマスに「まだだ!」と何者かの声。
マキシマスが目覚めると奴隷ジュバ(ジャイモン・フンスー)の介抱を受けています。
ジュバは故郷に家族がいるも、一生奴隷であろう自分は「現世での再会は無い、早死にすればあの世で再会まで長く待たねばならない」とマキシマスに言います。
「既に家族はあの世でもう自分を待っている」と答えるマキシマスにジュバは微笑みながら「いつか会える。しかしまだ今ではない」。
以降、マキシマスは一日を生き残るために闘います。グラディエーターにとって生きること自体が使命なのですね。
"Elysium" Photo by Sundaram Ramaswamy
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人は自分が人生を生きていると思っているものです。で、「人生の、生きる意味って何か?」と考える。
でもこの作品を観たとき、「日々を生きるという使命が人生の方から人に要求されている」と思いました。
そして人生が人に要請するその使命自体を一日一日こなす先に、人生が私たちに何を求めているかを知るのだろう、とも感じます。