人生が生きることを求めている | ネコ人間のつぶやき

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 お盆ですね。お盆は命というものや、死生観について考える機会になったりします。

 

 今回は「グラディエーター」(2000年)からお話を。監督は「スパルタカス」や「ベンハー」など往年のスペクタル作品を愛していると言う巨匠リドリー・スコットです。

 

"Gladiator角斗士" Photo by jdxyw

source: https://flic.kr/p/8o8SMk

 

 時は西暦180年。ローマ帝国の将軍・マキシマス(ラッセル・クロウ)は、遠征先で老いた皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)から「皇帝の座を託したい」と要請される。

 

 これを知った皇帝の息子・コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は父王を暗殺して新皇帝を名乗り、マキシマスは難を逃れて帰郷するも、そこで絶望して倒れてしまう。

 

 奴隷にされたマキシマスは辺境の地で剣闘士(グラディエーター)として有名になり、皇帝コモドゥスが待つローマ・コロッセウム(闘技場)にグラディエーター仲間と共に向かう。

 

"275. gladiator_1_1" Photo by petcor80

source: https://flic.kr/p/v1WMrW

 

 グラディエーターの死生観が印象的なのです。絶望を味わい、あの世に行きかけるマキシマスに「まだだ!」と何者かの声。

 

 マキシマスが目覚めると奴隷ジュバ(ジャイモン・フンスー)の介抱を受けています。

 

 ジュバは故郷に家族がいるも、一生奴隷であろう自分は「現世での再会は無い、早死にすればあの世で再会まで長く待たねばならない」とマキシマスに言います。

 

 「既に家族はあの世でもう自分を待っている」と答えるマキシマスにジュバは微笑みながら「いつか会える。しかしまだ今ではない」。

 

 以降、マキシマスは一日を生き残るために闘います。グラディエーターにとって生きること自体が使命なのですね。

 

"Elysium" Photo by Sundaram Ramaswamy

source: https://flic.kr/p/9TAmXc

 

 人は自分が人生を生きていると思っているものです。で、「人生の、生きる意味って何か?」と考える。

 

 でもこの作品を観たとき、「日々を生きるという使命が人生の方から人に要求されている」と思いました。

 

 そして人生が人に要請するその使命自体を一日一日こなす先に、人生が私たちに何を求めているかを知るのだろう、とも感じます。