バラバラの家族がひとつになる時 | ネコ人間のつぶやき

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 明日は山の日。そしてお盆シーズンになりますね。ご家族で里帰りのご予定の方も多いのではないでしょうか。

 

 家族で旅と言えば「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年)。この作品はコメディ映画の傑作で、家族の価値観というものを考えさせてくれますね。

 

 7歳の少女オリーヴは地元の美少女コンテストを繰り上げで優勝。しかし一家全員で本大会会場のカリフォルニアまで飛行機で行くことはできない。

 

 そこでオンボロワゴンを購入した一家は会場目指して旅に出ることに・・・。

 

"Little Miss Sunshine" Photo by Gideon Tsang

source: https://flic.kr/p/jfvAU

 

 一家のメンバーは、愛嬌たっぷりですが美少女コンテストに出場するタイプに見えないオリーヴ、成功理論に囚われた父、悩める母、哲学者でゲイの叔父、父親違いの兄、そして老人ホームを問題行動のために強制退去させられた祖父。

 

 オリーヴは天真爛漫で本大会出場にワクワク。祖父は破天荒で口が悪く、皆ドン引きですがオリーヴと仲が良い。思春期の兄は飛行機パイロットになるために一人「誓い」を守っている少年。

 

 皆の価値観が違い過ぎて一家はバラバラですが「オリーヴを本大会に行かせてやりたい」ということで旅に出ます。が、道中はトラブルの連続。

 

 なんとか会場に着くも、今度は父と兄が「オリーヴが恥をかくから」と断念するよう主張しだす。

 

 旅という危険込みの成長の機会。家族のそれぞれが抱える問題と価値観の押し付け合いをいかに解決するのか?・・・。

 

"233. miss sunshine_1_1" Photo by petcor80

source: https://flic.kr/p/vXXCWZ

 

 オリーヴと皆が祖父がなぜ仲が良かったのか?…それはオリーヴの考え、気持ちを傾聴して尊重し、オリーヴのその希望が叶うために一緒に考えてアイディアを出していたから。それは祖父はオリーヴの価値観を尊重していた、ということですね。

 

 さて、バラバラの家族も旅をするには協力しないといけない。互いを理解して思いやらないとなりませんしね。

 

 バラバラな家族ですが、ポイントは旅をするきっかけが「オリーヴをガッカリさせたくない」という気持ちは一致していたこと。

 

 この物語は「相手のため」と言いながら、ついつい自分の価値観を押し付けているかも・・・ということを考えさせられます。

 

 そしてこの難しいテーマに対する答えも笑いと共に教えてくれる一作ですね。

 

 家族ものでは本作のスタッフが世に送った「サンシャイン・クリーニング」(2009年)もお勧めです。

 

 

ひまわり「サンシャイン・クリーニング」についての記事は→ 「ピンチの時に人生が動き出す」