「ニュー・シネマ・パラダイス」等のジュゼッペ・トルナトーレ監督作「海の上のピアニスト」(1998年)は、生涯船を降りることのなかったピアニストの物語です。
"Legend of 1900 - 09" Photo by electronpusher
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1900年。ヴァージニア号で黒人機関士が生まれたばかりの赤ん坊を見つけ、「1900(ナインティーン・ハンドレッド)」と名付ける。
船底で育った1900(ティム・ロス)は神がかったピアノの才能を発揮する。
法的には存在しない男、1900。彼を唯一知っているのはトランペッターのマックス(ブルイット・テイラー・ヴィンス)だけ。
船でピアノを弾き続ける1900と演奏するマックスは幸せの時間を過ごす。
"Legend of 1900 - 08" Photo by electronpusher
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船で生まれ育った1900は陸に上がったことがありません。
ある日1900は美しい娘(メラニー・ティエリー)と出会い、彼女に会いにニューヨークに降りようとするも、タラップを降りずに船に引き返してしまいます。
第二次世界大戦でヴァーニジア号には爆弾が降り、客もいなくなります。
そして戦後、廃船として爆破されることになったヴァージニア号に1900が残っていると確信するマックスは1900を探しに船に乗り込む・・・。
"Legend of 1900 - 07" Photo by electronpusher
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1900にとって海から陸に上がることは生き方を変えるということ。でも1900は生き方を変えられない。
そういう1900は不幸なのでしょうか?1900はマックスに言います。
「何かいい物語があって、語る相手がいるのなら、人生は捨てたもんじゃない」
"Legend of 1900 - 04" Photo by electronpusher
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マックスのように無力感は人を「自分は無価値だ」と思わせる。でも1900のように思えたのなら、その人生は言うほど悪くない。確かにそうですね。
現代のおとぎ話はいつ観ても美しく色あせず新鮮で心をうつものです。そして美しき音楽もそうですね。