西安・唐皇城墻含光門遺跡博物館(城壁内博物館)をのんびり歩く【後編】

西安・唐皇城墻含光門遺跡博物館(城壁内の博物館)をのんびり歩く【前編】のつづき。

隋・唐時代の長安は世界最大の都市であり、シルクロードを通って毎年多くの外国人が長安に集まっていました。

隋・唐時代はシルクロードの黄金時代であり、交易によって長安が栄えに栄えた時代。ちなみに、シルクロードは陸の道だけかと思っていましたが、海の道もあります。

まず、陸のシルクロードは、中央アジアを通り中東、地中海までを繋ぐ交易路。

一方、唐の時代にあった海のシルクロードはというと、

なんとも複雑な航路……。おそらく(絶対)輸送手段としては適していないと思うのですが、陸が戦争中の時などは活用されていたようです。でも、海は悪天候や海賊などの問題で、かなり効率が悪かったのではないかと想像。

ここからは、1階フロアに展示されていたキレイな壺をご紹介。

50個近い美しい壺が展示されている理由がよく分からなかったのですが、おそらく中国の各時代を想像して制作された壺ではないかと予想。唐時代の出土品だったら、こんなに発色&保存状態がいい訳ありません。

それぞれのテーマに沿って作られたであろう壺は、どれも素晴らしい装飾。

 

中国的な絵柄だけでなく西洋風のものもあり、交易を経て得た文化が当時だけでなく今もなお生き続けていることを実感。

ちなみに、この博物館のきちんとした入口は城壁下にあり、そこから入場料を払って博物館と城壁の見学ができるようになっている模様。

とはいえ、東西南北の定番の門に近い場所ではないため、観光立地の面から言うと他の門から城壁に上り、城壁を観光しながらこの博物館に行くほうがスムーズです。

この博物館には国宝級遺跡が展示されていますが、あまり宣伝しないせいか観光客がほとんどいませんでした。

西安は歴史的に世界遺産級の有形物が多い地域ですが、以前、北京政府から発掘を禁止されていると聞いたことがあります。

それは発掘されると北京よりも西安に観光資源が増えて、中国国内での都市としての価値が逆転してしまう恐れがあるためだとか。

北京政府としては、陝西省が力を持つことを恐れているのかもしれません。

どちらにせよ、西安には観光地として有名でなくても、歴史的にすごい場所・建造物が多くあるので、散歩していると色々な遺産に出会えて面白い!

食事はイマイチですが、歴史好きな人なら何度でも訪れたくなる、今日の西安はそんな都市なのでした。