オペラとフライパン

「オペラとフライパンの違いもわからない
 状態になってしまった」



90歳を超えてすっかりボケてしまった
老画家の様子を村上春樹氏はこう表現
した。

オペラとフライパンの違い、、
何を暗喩(メタファー)として表した
かったのだろう。

すっかり長寿国になり、100歳超えた
方の存在も最近はめずらしくなく
なってきた。

「いつまでも元気でいたいよねー」

と週末毎にもうすぐ80歳のお袋と話を
する。

老後も活き活きと過ごせる様にする
為にはどうすればいいのか。

時々テレビ番組でもこのテーマを
取り上げて特集を組んでいるのを
見かける。

①いっぱい人と喋りましょう。
②良く笑いましょう。
③好きな事を続けて常に頭を使いま
 しょう。

親父と叔父貴(親父と同じ年齢)の
様子を見ると常日頃からいずれかの
条件は満足していた筈なのだが
90歳を迎えて健在だが相応にボケて
しまった。。

④音楽をいっぱい聴きましょう。

というのが確かあったような気が
する。

親戚の中で唯一クラシック音楽を
こよなく愛していたハイカラな
叔父貴がいた。鹿児島に帰省して
会うのが楽しみな叔父だった。

でも連れ沿ってきた叔母
(笑顔が素敵な叔母だった…)が
癌のために60歳を少し過ぎた頃に
他界。それから長い時間、叔父貴
一人での暮らしが続いたが、
モーツァルトの音楽がいつも家の
中で流れていた。


美しい旋律を独りで寂しそうに
聴いていた叔父貴。

でも最期の数カ月を迎えるまで
ボケなかったと聞く。

好きな音楽の好きなフレーズを
聴いていると脳内に白いものが
混じり込んでくるのを感じる。

脳内麻薬物質が分泌されている。

この快感をこれからも長く享受
できる様に大切にしていきたい
ものだ。
案外ボケない為の最強の特効薬かも
知れない。

それにしてもオペラとフライパン、、

語呂合わせとしての面白みだけ
ではなく、裏に何かが隠されて
いるのを感じる。


屋根裏部屋に日本画の大作が
隠されていたように。。


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