【LG杯決勝三番勝負】井山裕太九段、惜しくも世界戦準優勝!感動をありがとう!!

LG杯決勝第3局

2月5日から2月8日の日程で、国際棋戦の第22期LG杯決勝戦が東京の日本棋院で行われました。

決勝戦は三番勝負で5日に第1局が、7日に第2局、そして8日に第3局がそれぞれ打たれました。

三番勝負というのは、先に2勝した方が勝ちというルールです。

去年に行われた予選の結果、決勝戦の組み合わせは日本の井山裕太九段 対 中国の謝爾豪五段です。

 

実は囲碁の国別強さランキングでは、日本は現在3位なのです。。。

ここ10年近く、中国と韓国がずっとトップを争っており、その次に日本が来るという構図です。

日本では七冠を達成し、国内敵無しの井山九段でも世界のトッププロ相手では中々勝つことができないのが現状です。

今回、井山九段が世界戦のLG杯で決勝に進出したというのは、それだけでもとても快挙でして、日本囲碁界では悲願の世界戦優勝なるか!!と、とても注目を集めています。

ちなみに主要な世界戦での日本の優勝は、同じくLG杯で13年前に張栩九段が優勝して以来遠ざかっています。

 

もちろん井山九段のプレッシャーは本当に大きいと思います。

しかし井山九段はずっと世界戦で結果を出したいと言っていましたので、ようやく巡ってきたこのチャンスをしっかり掴んでもらいたいですね!

 

ちなみに今回は対局内容の感想は書いていません。

内容があまりにも難しいというのと、単純に書く時間が無いというのが理由です。

時間ができたら感想も更新するかもしれませんが、本当に内容が難しいので並べて勉強するだけでもとても時間がかかりそう・・・

ではとりあえず、決勝戦三番勝負の結果を見ていきましょう!

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第1局は謝五段の白番中押し勝ち!

結果は180手完、謝五段の白番中押し勝ちでした。

棋譜はこちらです。

 

中盤までは黒番の井山九段のペースだと思っていたのですが、中盤以降の戦いで謝五段が鋭くポイントを上げてそのまま勝ち切りました。

本当に中国、韓国の棋士は勝負所の読みが深いです。

ここが日本の棋士との最大の差ではないでしょうか。

途中まで優勢だったけど終わってみれば負けていました、というのが国際棋戦ではとても多いように思います。

棋力にはそこまで差は無いと思うのですが・・・

 

何はともあれ、初戦を落としたことで井山九段は残り2局を連勝するしかない状況となってしまいました。

苦しくなりましたが、次の第2局はどうだったのでしょうか!?

 

第2局は井山九段の白番半目勝ち!

第1局から2日後、迎えた第2局。

結果は309手完、井山九段の白番半目勝ちでした。

 

井山九段、やりました!!

途中、もう絶望的な形勢まで追い込まれましたが、そこから驚異の粘りを見せて見事半目差で抜き去りました。

井山九段のどんな形勢になっても諦めず、少しでも難しくなるように打ち進める姿勢は、応援している我々囲碁ファンにとってとても励みになりました。

 

負けた謝五段も、自分がどうして負けたか分からない、と局後のインタビューで答えていたようで、本当に粘り勝ちという言葉がピッタリな勝利だったようです。

日本の棋士に今まであまり見ることがなかった、勝利への執念を世界中に見せつけた大きな1勝だったと思います。

 

これで対戦成績は1勝1敗。

勝負は第3局の結果次第となりました。

大逆転で最終局にもつれ込んだということで、流れは井山九段かと日本中が期待していましたが、結果はどうだったのでしょうか・・・?

 

第3局は謝五段の白番中押し勝ち!

結果は226手完、謝五段の白番中押し勝ちでした。

 

井山九段、無念の敗戦ということで準優勝となりました。

謝五段は嬉しい世界戦初優勝!

おそらくこれで九段に一気に昇段すると思います。

まだ19歳の新鋭棋士ですが、このレベルの棋士が中国、韓国にはたくさんいるみたいです。

本当に層が厚くて恐ろしいですね・・・

 

最終局も井山九段は力強く厳しい手を連発し、果敢に勝負を挑んでいきました。

結果はどうあれ自分の持てる力を出しきり、この大舞台で井山裕太の碁を世界中に見せつけたと思います。

大舞台でも萎縮することなく、自分の打ちたい手を打つことができるのは井山九段の大きな武器ではないでしょうか。

 

まとめ

ん〜、やっぱり残念ですね。

この大きな大きなチャンス、何としてでも優勝して欲しかった。

 

ただ3局通して観戦した限りでは、まだはっきりと世界のトップと力の差があるように感じました。

日本の棋士に足りないものが何なのか?

それはこれから身につけていけるものなのか?

私にはよく分かりませんが、日本囲碁界はそれを考えてこれからやっていく必要があると思います。

 

また、この三番勝負はツイッターなどで戦局をチェックしていたのですが、日本中の囲碁ファンが1つになって井山九段を応援していました。

日本が最後に世界戦で優勝した13年前はツイッターはおろか、スマホがまだ無い時代でした。

もちろん今のようにリアルタイムに状況を確認できませんし、SNSを通じてみんなで感動を分かち合うなんてこともできません。

そう考えると時代はすごいスピードで進んでいるんだなと、改めて感心してしまいました。

それだけ長い間、日本が世界戦の大舞台に立てなかったということでもあるのでしょうが・・・

コンスタントに世界戦の決勝に日本の棋士が出てくれると、ツイッターで大盛り上がりする機会も増えるんでしょうね。

 

昨年からAIが囲碁界にも進出してきて大きな話題になっていますが、やっぱり人間の碁が面白いですね。

対局している棋士一人一人の感情や背景が碁に現れてきますから。

AIが打っている碁では勉強にはなっても感動することは無いと思います。

人間同士だから間違えることもあるし、劇的なドラマが生まれることがあるのも人間同士だからですよね。

この三番勝負は囲碁の面白さを改めて教えてくれる機会となりました。

 

井山九段、本当にお疲れ様でした!

日本中の期待を一身に背負って戦い抜いた姿、本当に立派でした!

月並みな感想になってしまいますが、感動しました!

これからも国内のタイトル戦や世界戦が次々と予定されているので、しっかり休んで気持ちを切り替えてください!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次の記事でまたお会いしましょう!

 

 

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