Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE1522.  大学入試

2018年01月23日 | diving

 1月11日のブログで「どこかの大学でミスらないかなと虎視眈々と狙っているメディアがある」と書いた。その後に行われた大学センター試験では、幸いに大学のちょんぼがすくなかった。といっても教員が居眠りした記事があったけど大きな話題にはならなかった。そこでメディアの関心は入試問題に向かった。ねぇーっ、やっぱりマスメディアが騒いでいるでしょう。大学センター試験地理Bの言語圏を尋ねる設問で。出題者も受験生も関心はないのに、部外者だけが騒ぎ回るというのがメディアの特性。

 昨年は、ゲゲゲの鬼太郎にまつわる出題がなされアニメ系が連続しているから、試験問題の作成者は同じ可能性が高い。つまり出題者は2年任期かと類推したくなる。そうであれば結構ハードな仕事だ。大学毎の入試でも出題者を2年続けることは国公立大学系ではないだろう。

 私も大学毎の入試で実技試験の出題や採点をしていたが、ある年に英語の出題委員をさせられたことがある。先ず5月に出題委員があつまり出題方針を決める。次に7月に出題案を持参して問題作成に取りかかる。9月に全部の出題案が完成し校正する。以後出題担当者が毎月校正し、12月頃には印刷所へ送られる。だから雑誌や新聞記事から出題するとすれば、9月以前のものになる。

 大変なのは記述式問題の採点である。試験後の三日間は某所に英語の出題教員全員が集められ缶詰となり採点に従事する。択一式の採点は簡単なので、多くの教員と時間と神経をさくのは記述式設問だ。

 問題の出題者が採点するのが原則である。私は英文和訳の採点を担当したが記述式の問題は正解がないといってよいぐらいに多彩な回答が多い。それは同じ内容でも和文の書き方は人によって全く違うからだ。だから解答答案を何回も読む。そうすることで自分の中にある基準ができてくる。それに従って採点してゆくわけだ。それはデッサンの実技試験の採点よりアバウトではないか。そしてそれを複数の先生が採点行い、複数回チェックして採点してゆく膨大な作業になる。同様のことを和文英訳の場合は、多数のネイティブ(外国人教員)が担当しておこなう。

 でっ、設問と外れた回答をしていても良心的に読み取ろうと努力する。そう採点の先生は、ものすごく良心的なのだ。だから書いてあれば何点かの点数がはいる可能性はある。「芸術の学生ってユニークな回答しますねぇー」と笑いがもれるほど回答者の意図の理解に地道に努める。

 たしかに言語は、人によって多様な表現ができる。あれこそ最もアバウトな世界だろう。同じ内容を日本語で話していても話し方は人によって違う。そうした分野を出題しているのだから本当の正解というのは私的にはないといってよいのが英語だ。そんな風に仕事は単調を極め膨大な数の採点をするのだからストレス解消に夜は酒。二日酔いでトイレでもどしながら採点したときもあった。

 それにくらべりゃ大学センター試験は五択だろ。機械にかけてハイ終わり!、簡単でいいじゃないか。だが2020年度から大学入学共通テストになり、記述式の問題を増やすようだ。英語はTOFELやTOEICなどを使うのだろうけど、30科目で60万人ぐらいが受験するとすれば、その採点状況は想像を絶する恐ろしいものになるだろう。国語などは民間事業者採点だって。つまり問題の出題者と採点者が異なるわけだ。それって考えようによっては恐ろしいことだ。入試の出題経験も採点経験もない人々が採点する可能性もある。となるとガイドラインをシビアに作成してビジネスライクにクールにやるということだ。私が経験した英語の採点のように先ず良心的に回答者の意図を理解しようなんてことは行われないと推測する。どんなに事前準備をしても新テスト実施初年度の採点現場は混乱の世界だろう。うーーん、それは、想像するだけでもやだねぇー。

 

沖縄県慶良間諸島久場島キャニオン紺瀬の鼻

OLUMPUS E-M1,M.ZUIKO DG FISHEYE 8mm/F1.8
 ISO200,露出補正-1,f/2.5,1/500

 

 

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