北杜市固定資産税 その傾向と対策 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

  先日東京の固定資産税を支払った。重い。6月はイヤな月である。年金生活に入るとますますイヤになるであろう。 昨年からは、これに加えて北杜市の固定資産税も支払っている。

 

 所得税、住民税、消費税は、それなりに納得がいくのだが、固定資産税だけは負担の論拠が理解できない。保有資産から果実を得ているのであれば(例えば家賃とか)、所得税で捕捉すればいいし、一種のぜいたく税だ、というなら貴金属と同様に取得時に消費税で捕捉するのが筋であろう。課税サイドも

固定資産税のいかがわしさはそれなりに認識しているらしく、特例だ軽減措置だ、というのが横行しているのもこの税の特色である。

 

 そんなわけで、2015年、家の完成を待たずして私は北杜市の固定資産税制度を調べた。

 
 以下は徒手空拳で巨大行政組織に挑んだ男の魂の記録である。
 北杜市に居を構えたい、とお考えの諸兄姉に少しでもお役に立てば、男の魂も浮かばれるであろう。

 

(権力の象徴北杜市章 「北杜市章規程」より 「北」をアレンジしてある。幾何学的でないところがセンスがいい 今は知らないがかつて練馬区章はネリマの「ネ」であった 杉並区はもっとしょぼい)

 

1.土地

 まず土地である。

 HPを見ると、さっそく、「住宅用地に対する課税標準の特例」というのがある。かいつまんで書くと、

〇 200㎡以下の「小規模住宅用地」は課税標準額を1/6にしてあげる。おトクでしょ。

〇 これを超える土地は「一般住宅用地」と呼び、上記+200㎡を超える部分の課税標準額をを1/3

 にしてあげる。金持ちだから、少し乗せちゃお。

というものだ。

 私の土地の場合約600㎡だから、200×1/6 + (600-200)×1/3 ≒ 167となり、

固定資産税の実際の支払額はわずか30%足らずとなるのである。もともとの基準がいかにバカらしいものかを如実に物語っている。

 もちろん、うれしくないの?と言われればうれしいに決まっているが。

 
 次に、「住宅用地の要件」というものがある。以下の者が、土地を「住宅の敷地の用に供する」場合に特例が認められる。これまたかいつまむと、
〇家屋の所有者が家屋の所在地に住民登録している「市民」
家屋の所有者が家屋の所在地以外に住民登録している場合で、毎月1日以上居住の用に供している
  場合

ということで、下線部分が、別荘族、ということである。

 

 さらに、この特典を受けるためには、別荘族は「固定資産税減額申請書」、「家屋使用状況申立書」を

提出しなければならない。そしてここに重要な注記がある。

 家屋使用申立書を提出された方(=別荘族)は、毎月1日以上居住の用に供していることを確認するために、市内で買い物された際の領収書や高速道路利用の領収書(ETC明細書)を5年間保存していただく必要があります。

 

2.建物

 建物については、 

〇 新築後3年度分固定資産税額を1/2にしてあげる。

 というだけのものだ。土地と違って償却が進むものだし、新築促進、景気回復、ということでまあ、おまけである。したがって市民も別荘族も関係ない、という建てつけになっている。

 

 なお、私の土地は購入前の地目が「原野」となっており、売り主さんは固定資産税を払っていなかったそうだ。課税標準額が30万円を下回ると、手間と金融機関の手数料で持ち出しになる、というので減免措置がとられるのである。

 

3.固定資産調査

 私は来るべき資産調査に備え、ああいえばこう言おう、こう来ればこう返そう、と日々妄想トレーニングに励んだ。

 

 敵ははたして私の存在をつきとめるのか、これも興味のあるところである。というのは、土地の所有権移転登記は行ったものの、地目変更などはやっておらず、かつ建物保存登記もしていない。公式記録上は原野の所有者が別の人間に変わっただけなのである。ということは、税額はゼロだ。

 さらにこの地域では、事前の建築確認も不要である。つまり市当局からは、私の存在は完全にブラインドなのである。

 

 話はまた横道にそれるが、建物保存登記をしていないのは、カネがもったいないからである。大黒工務店の見積もりに「租税公課〇〇万円」というのがあったので、「あ~これが建物の登記費用かあ」というと

大黒社長曰く、

「てっ、それは建物瑕疵保険の費用じゃんね。建物の登記は入っちゃいんよ、施主がやることだから。

まあ、この辺では建物の登記をする人はおらんよ」とのことだったのである。

 

 課税基準日の1月1日が近づいても敵の動きはない。仕事始めを過ぎても沈黙している。いよいよ

2016年度予算も固まったであろう、と思われた3月になってやおら「固定資産調査の実施について」というお手紙が到着した。決戦の日来る、私の闘志はいやがうえにも高まっていく。

 

 なお、敵方の状況を調べてみると、平成24年度決算ベースで北杜市の税収は69億2,900万円である。このうちの58%を占めるのが39億9,500万円の固定資産税収入だ。 その次は住民税の24億5,100万円である。北杜市の歳入は、これ以外では他の自治体同様地方交付税と市債発行収入(=借金)があるくらいで、「パノラマの湯」利用料収入なんぞは屁のようなもの、要するに市の財政を支える屋台骨で、かつ市の努力次第で変動するものが固定資産税収入なのである。

 敵の本陣北杜市役所固定資産税課の壁には、

「必達! 28年度目標46億49百万円 4649でヨロシク!」

「納税者は神様です。税金納付後は」

「見逃すな隠し田 見過ごすな悪質別荘族」

などというスローガンが貼ってあるに違いない(←ここは筆者の妄想である)。

 

 これは厳しい戦いになる。私は確信した。(ちょっと一息 次回に続く)

 

 
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