(いつもお世話になってます)
2024年3月19日、日銀がマイナス金利政策の見直しを決め、近い将来17年ぶりの利上げが行われることが必至となった。
また、これと歩調を合わせるかのように3月27日には円ドルレートが34年ぶりの安値(151円94銭)となった。
2024年は「我が国が30年続いたデフレの時代からインフレの時代に回帰した年」として長く記憶されることになるだろう。
我が国の行く末が心配だが、それより焦眉の急は私の行く末(短いけど)である。インフレは年金生活者の暮らしを直撃するし、乏しい預金も日々減価していく。
さあどうするか。とりあえず預金を日本株に代えることにした。
空前の高値圏にある(しかも先行きが明るくない)日本株を買うなど愚の骨頂だが、ほかにこれという手段を思いつかないので仕方がない。
かつてはデイトレーダーまがいのスイングトレードを繰り返していた私が最後に株を売買したのは3年前のこと。
これを最後に株の世界からはすっぱり足を洗った。
日本株を買うには我が国の先行きは絶望的だし、他の金融商品に投資するには知識がなさすぎるからだ。
すっかり初心者に戻った私には何を買えばいいのかすら、皆目見当がつかない。
悩んだ挙句に選んだのは「コシダカホールディングス(2157)」。カラオケ「まねきねこ」の運営会社である。
配当は年間14円。
直近の株価(945円)で計算すると配当利回りはわずか1.8%にすぎないが、それでもこの株を買ったのは株主優待に惹かれてのこと。400株以上以上保有すると5000円分のまねきねこ利用券がもらえるのである(3年以上保有すると10000円に増額される)。
前回まねきねこで私が払った料金は850円だったから6回タダでいける計算になる。この無料券を加味した総合利回りは2.8%となる。
株主優待に惹かれて株を選ぶなどシロウトそのものだが、元々シロウトなんだから当たり前だ(←開き直り)。
とはいえ、これだけでは「インフレ逃避」というにはいささかショボすぎる。
そんなわけで清水の舞台から飛び降りるつもりで選んだのが半導体製造装置の雄「東京エレクトロン(8035)」。
半導体需要は世界規模で爆発的に伸びる一方だが、ご承知のとおり技術革新や需給による変動(斯界ではBBレシオと呼ばれる)が激しい世界である。それに比べれば半導体製造装置分野はより安定的な事業だから株価もさらに上がるはず、というのが私の我田引水理論だ。
実は10年ほど前に同社株を買ったことがある。
買った時の株価はたしか25万円程度だったが、30万円になった時にうれしくてさっさと売ってしまった。
それが今はどうだろう。権利落ち日の3月28日の終値は396万円(!)である。
株の世界には10bagger(10倍株=野球用語で「10塁打」を意味する)という言葉があるが、同社はまさにそれだったのだ。
年間配当利回りは0.9%と預金金利よりはマシだが大したことはない。
それでもこの銘柄に手を出したのは「愛想をつかして別れた男がいつの間にか大スターになっていた」、そんなやっかみが背景にあるのはいうまでもない。
東京エレクトロンこの10年の株価推移
(上がれ上がれ、天まで上がれ~)
コシダカはともかく東京エレクトロンはとりあえず、の感が強い。
預金だろうが株だろうが所詮インフレに蹂躙される運命だから、いずれは外貨建ての金融資産に切り替えることになるだろう。
羽鳥慎一モーニングショーによると日本株を押し上げているのは中国市場から逃げてきた外国資本で、我が同胞は新型NISAを活用して外貨建て商品に投資しているのだという。どうやら皆さん同じことを考えているらしい。
10年ほど前にFX取引で為替相場に大きなインパクトを与えた「ミセスワタナベ(日本の主婦層)」が有名になったが、今回は何と呼ばれるのだろう。