秋場所が惨憺たるありさまだ。
高安、宇良は休場、期待の照ノ富士、御嶽海も連敗スタートである。復調が伝えられた照ノ富士は棒立ちで、全く踏み込みができない状態に見えるが膝は相変わらずなのだろうか。
今場所は貴景勝(四股名がイマイチなんだよなあ)、阿武松の次代を担う若手がいい相撲を取っていることと、ご当地力士竜電がいいスタートをきった位しか見どころがない。優勝はもう日馬富士で決まりでしょ。豪栄道もカド番脱出が簡単になって、よかったね。
それにしても、怪我が多い。
その多くは膝だ。数年前に大騒ぎされた遠藤も膝を痛めてから幕尻をウロウロする平凡な力士になってしまった。宇良も今後長いこと膝に泣かされることになるのだろう。
これは昨今力士の大型化が進んでいることと関係があると思う。どんなスポーツでも、筋肉は鍛えられても膝関節を鍛えることは難しいが、まして巨漢同士の肉弾戦である大相撲で力士が膝を痛めるのは必然といえば必然だ。
幕内力士の平均体重を調べてみた。
1955年 平均体重 114kg (幕内最軽量石浦115kgとほぼ同じ)
第44代横綱 栃錦 体重132kg
第45代横綱 若乃花 体重105kg
(栃錦ー若乃花 全勝対決 どっちも軽量だ)
1975年 平均体重129kg
第54代横綱 輪島 132kg
第55代横綱 北の湖 169kg
(「黄金の左」輪島 年寄名跡を質入れ→質流れという前代未聞の不祥事を起こし角界追放)
(前理事長北の湖 江戸期から続く大名跡「小野川」を取得していたが、兄弟子播竜山に貸している際に引退、やむなく一代年寄「北の湖」に 引退理由はやはり膝痛だ)
2000年 平均体重149kg
第64代横綱 曙 233kg
第65代横綱 貴乃花 150kg
(曙 これも両膝痛で引退 相撲をとらなくても膝痛に悩んだはず)
(ボブサップが強いんじゃない、これも膝が悪いせい)
(大横綱貴乃花 幕内優勝22回 膝痛のため7場所連続休場→引退)
2017年 平均体重 164kg
第69代横綱 白鵬 154kg
第70代横綱 日馬富士 133kg
第71代横綱 鶴竜 155kg
第72代横綱 稀勢の里 176kg
なんと、60年間に50kgも増えている。けが人が増えるわけだ。
横綱の引退理由をみると、体重が150kgを超えたあたりから膝痛のリスクが高まるように見える。
高安164kg、御嶽海153kg、阿武咲165kg、正代160kg、貴景勝168kg、朝乃山162kg、次代のホープは皆膝痛予備軍でもある。
ここは協会も真剣に膝対策を検討すべき時期に来ているのではないだろうか。力士用膝関節サポーター着用を義務付けるとか、対策はあるはずだ。
(大相撲クイズ)
怪我、病気以外の理由で引退した横綱といえば、あの朝青龍、玉ノ海(現役で死去)以外に誰がいるで
しょう?
(答)
第60代 双羽黒(現冒険家?) 師匠立浪親方との喧嘩に仲裁にはいったおかみさんを殴打、即廃業
第39代 前田山(故人) 本場所を休場して日米野球を観戦していたのがバレて、引退勧告→引退
引退後は高砂親方として横綱朝潮、高見山大五郎を育てた。