ホンダ N-VANは走るカプセルホテル?

新たなホンダの軽商用バンとして登場した「N-VAN」ですが、お値段はともかく個人的には同じホンダの「N-BOX+」よりも一人用の車中泊車としては実用的なのではないかと思います。というのも、「N-BOX+」のシートアレンジの一つに「ベッドモード」にすると2人が寝られるだけのスペースが作れるのですが、そうして寝る場合には前席と後席をまるまる使って190センチ超のスペースを作り出していて、便利な半面運転席のスペースを潰してしまうのがポイントです。例えば先日あったような大雨で急に川が氾濫するような危機的状況になった場合、車を出すためには「ベッドモード」を元に戻さないといけなくなります。元に戻すには時間がかかるだけでなく、パニックになってしまったら車を動かすことすら難しくなるかも知れません。

これは、限られた軽自動車の規格の中で空間を作り出している関係で、エンジンを後ろに置くことでボンネットの部分を極力短くし、その分で荷室の長さを確保しているスズキエブリィやダイハツハイゼットと違って、「後部座席」+「荷室」の長さがどうしても大人が手足を伸ばして寝るためには足りなくなってしまうのです。その分、「N-BOX+」や今回紹介する「N-VAN」もそうですが、フロントの長さを確保して、運転者の安全性やエンジンを前に置くことによってのメリットも有ります。

私自身、過去にはスズキのワゴンRに長いこと乗って車中泊の旅をしていましたが、同じスズキでもエブリィにしなかったのは、「後部座席」+「荷室」のスペースだけでは車内で手足を伸ばして寝ることは難しい空間であったものの、助手席を前に倒すことで長いスペースを作り出すことが可能で、これなら大人一人での車中泊なら十分に使えるものになったからです。この考えを押し進め、ある意味一人で出掛けるための車中泊車として仕上げてきたのが「N-VAN」ではないのかと思っています。

詳しくはホンダのホームページから「N-VAN」の概要を見ていただきたいのですが、ホームページで紹介されている標準のシートアレンジで何と常に助手席をフラットに畳んで後部座席および荷室まで凹凸なく一直線になっているスペースを出してきています。ホンダが考える商用バンとしての使い方というのは、荷物を運ぶ場合はほとんど一人乗車なので、常に助手席を倒しておいても何も問題がないと思ってのことでしょう。さらに「N-VAN」はピラーレスの構造になっているので、助手席を畳んだ状態で後方からだけでなく助手席側からも出入りや荷物の積み込みがしやすいようになっていて、自転車だけでなくバイクが一台積めるということも大きな話題になっています。

助手席はフラットになる他に運転席側からテーブルとして使えるモードも有り、フラットにする場合はホンダお得意のシートが下に沈み込むことで、車高に比べて車内の空間的に天井が高くなるという特徴もあります。これは、私が現在乗っているフィットで使われているアレンジと一緒で、必ずしもハイルーフでなくても多くの荷物が載せられたり、ネットを天井に設置すれば天井収納も活用できるような作りになっています。

この車で車中泊を考える時、ちょっと疲れたらすぐに寝られるように車の助手席側である左半分を寝床として空けておき、キャンプ用のマットでも十分ですが、さらに快適に寝られることを考えると、このサイズに合わせてふとん屋さんでふかふかの敷布団をオーダーメイドで作ってもらい、使わない時には荷室に収納できるようにしておけば、体調がすぐれずちょっと横になりたい時にはスペースに布団を敷けばすぐに休めます。この場合は、常に運転席以外の空間がフルフラットになっているだけなので、災害など緊急の場合でもすぐに運転席に移り車を発車することができます。

あとは、車で日本一周するような場合には圧倒的に荷物を車内のみに収納することは厳しくなるでしょうからルーフキャリアのような屋根の上に収納を新たに加えるとかも考えたり、オートキャンプ場で使えるようにサイドオーニングを付けるとか、用途に応じて自分好みの機能を付け加えるのも面白そうです。私自身はシートをフルフラットにして寝床を作り、残りの運転席後方のスペースに机を置いて、ノートパソコンが使えるようにすれば、まさに走るカプセルホテルとして使えるようになるので、それで十分かなと思っています。ただ、あくまでシングルユースのカプセルホテルになるので(^^;)、同乗者がいる場合にはちょっと厳しいかも知れません。


カテゴリー: 車中泊に適した車種 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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