おばんです。
高校野球の熱い戦いが続いておりますね。
昼からビールで観戦ってのも良いんですが、なかなかできません。
贅沢するには、モット頑張らねば。
今日は行政指導です。
以前、行政指導の定義と適用除外についてサラッとふれました。
今日は条文を見ながらやっていきます。
行政手続法第四章に行政指導はあります。
まず、定義を再確認します。
六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
行政指導は、任意の協力の上に行われる非権力的な事実行為です。
ですが、以前は、事実上強制力を伴うような行政指導が多く、問題点が多く指摘されてきました。
そこで、透明性や明確性を保障するために手続的規定が定められました。
第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
原則
行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならない
相手方の任意の協力によって実現されるものであることに留意する
不利益な取扱いをしてはならない
不利益な取り扱いとは?
行政指導に従わなかったことを理由として、報復的ないし制裁的な意図をもって取り扱うこと。
不利益な取り扱いについて過去問でこんな問題がありました。
行政指導に従った場合に助成措置をとる。
行政指導に従わない場合に助成措置を行わない。
意味合い解りますか?
行政指導に従わない場合に助成措置を行わないってのは何も不利益ではありません。
この場合に行政指導に従わない者の利益を制限したり、侵害している訳ではないので、報復的ないし制裁的な取扱いに含まれません。
助成措置を与えられる方が特別であり、与えられない方が通常の扱いですよって意味です。
第三十三条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
これは重要ですね。
それと次条の条文も同様です。
第三十四条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
いいですね。
してはならない。
いかに従来の行政指導に問題があったのかがうかがえる条文のような気がしますね。
第三十五条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。
一 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項
二 前号の条項に規定する要件
三 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由
3 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前二項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
4 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。
一 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
二 既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの
電磁的記録=電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。
これは、行政指導が誰がどのような立場でどんな権限で行われるのか、内容はどのようなものでそれを何故行うのか等を示すために相手方に明確に示すように規定されております。
第三十六条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
これは、同一の行政目的を実現するため複数の者に対し行政指導が行われる場合、行政指導の明確性とともに多数者間の公平性も要求されますので、公平性を確保するために定められた規定です。
法的義務なのか努力義務なのかしっかりと把握しましょう。
第三十六条の二 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 当該行政指導の内容
三 当該行政指導がその根拠とする法律の条項
四 前号の条項に規定する要件
五 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。
行政指導の中止を求めることができる条件や申出書の記載事項、それについての調査を行った後の措置等について定められております。
第三十六条の三 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
最後は、処分、行政指導をしなさいって誰でも求めることができますよってことが書かれてます。
その際にはこんな風に書いてねってのが書かれており、申し出があった場合に調査を行い、必要性を認めたときは処分又は行政指導をしなければならないと規定されております。
この行政指導は過去に問われることの多かったところですので十分な理解が必要なところです。
今日のところはこんな感じで。
んでまずまた。