職業柄、年度末というのは毎年忙しいのだが、今年は加えて、『超』を3回連呼したくなるほど気ぜわしかった。パソコンに向かう時間が長く、おまけに体育館が使えないとあってバレーボールも出来ない日々が続き、運動不足で頭の疲れがずぅーっと取れないままでいた。

 

 気づけば、ブログも一ヶ月投稿なし。

 

 まさに、の連鎖。

 

 心身のリフレッシュが必要だ。

 

 おまけに澄み切った青空

 

 これはもしかしたら、「今日は旅に出かけなさい」と神も天啓を授けているのではないか。

いや、そうでなくてもこれ以上やっとられん。仕事は明日まとめてやれば良いのだ。

という訳で、『九州オルレ さいき・大入島コース』を歩いてみることにした。

 

 

 そそくさと準備をして佐伯港へ向かう。大入島は過去にグリーンツーリズムの取材で渡ったことがあるのだが、島全体のことについては良く知らない。天皇が湧き出させたという井戸があるとかなんとか宮崎県のパンフレットで見たことがあるくらいだった。

 

 

 港でオルレのマップを手に入れ、早々と船内で弁当をぱくついていると、トレッキングポールをカチャカチャ鳴らしながら、これから明らかにオルレようとしているカップルも乗船してきた。

軽快な登山ファッションに身を包み、偏光グラス越しにこちらを見てにやけてる。こういうタイプは苦手なので、体を反対向きにひねってなるべく取り合わないようにした。

 

往路はマリンバス常栄丸で堀切乗降場へ(200円)

 

船内から眺める港風景 どんなに短くてもやっぱり船旅はいい

 

 島へ降りると、潮風は少し冷たかったが、日差しが強かったので気持ちが良く、歩くにはちょうど良い天候だった。

 

どこの島でもリアカーは大活躍

 

スタート地点となる食彩館

 

スタンプも店内にある

 

 海岸線沿いを500~600mほど歩く。青い海と空が清々しい。

 

 

 途中から、道がせどへと変わる。

「おう、これだこれだ。これがオルレだ。」と2年ぶりのオルレ道を思い出した。

オルレとは済州島の方言で『通りから家に通じる狭い路地』という意味で、民家の間や畦道など変化に富んだ道を歩く特徴がある。コース設計もかなりこだわっているらしい。

 

家と家の間を縫うように歩く

 

 

島には猪もいるらしい

 

 目印のリボンが20~30mほどの間隔でつけられており、これまでのコースと比べて、かなり親切な感じがした。

 

島で遭遇した最初の恵比寿神社 狛犬も立派

 

 お参りをして写真を撮った直後に愕然とした。愛機である一眼レフカメラのバッテリーが点滅している・・・ああ、なんてことだ。充電を忘れていた。

 あらためてマップを開いてみると、『絶景ポイント』と表示された地点は4箇所あり、最後までは持ちこたえそうもない。

 ここで、やる気というかモチベーションが一気に下がった。

『たびねす』の投稿も考えていたのに・・・ガラケーの写真はNGだもんなぁ。

 

 しょぼしょぼと歩いているうちに最初の絶景ポイント『舟隠し』に到着。

海面に映る山と空の美しさに思わず溜息がもれた。

 

 

 最初っから、こんな風景が現れるとは。大入島恐るべし、である。

その後も、心洗われるような美しい島の道が続いた。バッテリー減っても、シャッターを切らずにはおれない、それほど素敵な道なのである。

 

湾にかかる堤防『海の細道』を渡る

 

 

 

 

この島の干し大根はかなり厚め 姫島とかいろんなカタチがあるんだなぁ

 

これが一眼レフで撮った最後の写真 八朔と山桜

 

 私有地であるみかん畑を抜け、高松という集落でカメラのバッテリーが切れた。

これから先は、ガラケーが頼りである。

 集落の奥地に加茂社という神社があり、境内は日陰でとても暗く、ガラケーでは撮れないほどだった。しょうがなく、龍の彫り物だけ撮ってみた。先が思いやられる。

 

 

 これまでの素敵な海辺の道は終わり、この神社から先は傾斜きつい登り道になる。

高さは150mほどだが角度が半端なく、いつになったら頂上が見えるのか、もうそろそろじゃないのか、休みたいけど一度休んだらもっときつくなりそうな気がする、下りになったと思わせてまた登り道・・・まるで、我慢比べでもしているような気分だった。

 この道は昔、島の子ども達が通う通学路だったというから、いい大人がギブアップする訳にはいかないだろう。

 

 

 そして、今度こそ今度こそ頂上ではないかと確信した20m先に、第2の絶景ポイントである『空の展望所』はあった。

 

ガラケー写真でも伝わるほどの絶景ではないか

 

 手作りベンチに腰掛け、タオルで汗をぬぐい、ペットボトルの水を飲み干した。

心地よい潮風にあたりながら、一年前に歩いた四国の佐田岬と足摺岬のことを思い出していた。あの時は四国の風景が蒲江や鶴見に似ていると感じたが、今はこの景色が四国にいるような気がしてならない。

 来てよかったと思えた。

 

 10分ほど休憩して出立した。実はこのあと、もうひとつ遠見山展望所という難関が待っているのだ。ここから一度海岸線まで下って、そこからまた200m登らねばならないのだ。

 しかし、一眼レフも使えない今の私には、既に絶景写真へのこだわりもなくなっており、遠見山越へのAコースと海岸線を歩くBコースという選択が出来るようにもなっていて、どちらを選ぶべきなのか随分悩んだ。

 

 登山路で考え事は禁物である。

 

 あれこれ考えて、悩んでいるうちに道に迷ってしまった。

 

 ブログもあんまり長文だと嫌われるので、続きは次回に。

 

 

 

 

 

でわ!