高知県の国道55号線を太平洋沿いに東へ走っていると、九州では見かけない建造物が目に飛び込んだ。

 鉄筋で造られたその建物は螺旋状のスロープがあり、ビルでいうと5階位の高さだろうか。

 最初見た時は展望台かなと思いつつ通り過ぎていたら、しばらく走るとまた同じものがあるではないか。3つめ辺りになって、それが何なのか知りたくて車を停めて見学した。

 どうせなら上まで登ってみたい。

 

 

 どうやら津波が発生したときの避難所らしい。

 入口にはアパートのベランダで見かけるようなお隣さんとの薄い壁が貼ってあって、中には入れないようになっていた。「非常時にはこの壁をぶち破って進入してください」みたいなことが書いてある。登れなくて大変残念。

 非常事態になるまでこの建物は何の役にも立たないということか。せめて、太平洋を望める展望スポットとして観光客に開放するとかお遍路さんの休憩所にするとかすればいいのに。

 

 車に戻り55号線を走りながら、同じ海沿いに住んでいる者として災害対策の難しさについて考えさせられた。

 我が大分市でも「ココは海抜〇〇mです」とかの表示は増えたが、それがどうしたと思う。

我が家から一番近くで高い場所といったら家島橋のてっぺんだろう。東日本大震災やインドネシアの津波の映像を思い出しても、あのスピードで津波が襲ってきたら避難は難しいだろう。

車で逃げてもきっと間に合わないはずで、そうなると逃げ場がない。

 

 また、この辺りにどれだけの人口があるのか分からないが、これだけで足りるのかという疑念も残る。

 そして室戸市に入る頃には、そんなものは見かけなくなっていたのはどういう訳か?

 何となくだが、議会対策のように思えてしまい、どこまで本気でどれだけシミュレーションをして建てたのか?そういうお役所的な仕事は、何処に行ってもおんなじなんだなと感じながら室戸岬を目指した。

 

 

 

 

 でわ!