「はかせ」
じょしゅ
「このような絵を見つけたのです」
はかせ
「ほう。これは――」
はかせ
「――これは、男子児童向け雑誌の絵ですね。これの発刊当時のテレビアニメのロボットが大行進なのです」
じょしゅ
「……それは良いのです。問題はここなのです」
じょしゅ
「このロボットはなんなのです?」
「これはエウーゴの可変モビルスーツ『Ζガンダム』なのです」
「えっ」
「おそらく、なのですが」
はかせ
「――この絵が描かれた時点では、アニメの『Ζガンダム』で、まだΖが登場していなかったため、Ζの情報がこの絵を描いた漫画家に届いていなかったのではないでしょうか」
じょしゅ
「漫画家」
はかせ
「見る限り、この絵はすべて一人の漫画家が描いたものなのです。そのため、ロボットも周りのキャラクター達の絵柄は原作と大きく異なっているのですよ」
じょしゅ
「言われてみれば――…まるで作画崩壊――もしくは同人絵なのです」
はかせ
「この時代は大らかだったのですね」