人里にまで下りてきた。恐ろしい世界かと思ってた。何故か落ち着く気持ちになった。

 

人の気配がした。

あわてて裏から外に出た。

 

疲れた。もう動きたく無い。

 

ふと、僕の今までのことが浮かんできた。

 


 
      Ⅰ

       幼 年 時
   私の上に降る雪は
   真綿(まわた)のようでありました

       少 年 時
   私の上に降る雪は
   霙(みぞれ)のようでありました

       十七 - 十九
   私の上に降る雪は
   霰(あられ)のように散りました

       二十 - 二十二
   私の上に降る雪は
   雹(ひょう)であるかと思われた

       二十三
   私の上に降る雪は
   ひどい吹雪(ふぶき)とみえました

       二十四
   私の上に降る雪は
   いとしめやかになりました……

 

      Ⅱ

   私の上に降る雪は
   花びらのように降ってきます
   薪(たきぎ)の燃える音もして
   凍(こお)るみ空の黝(くろ)む頃

 

   私の上に降る雪は
   いとなよびかになつかしく
   手を差伸(さしの)べて降りました

 

   私の上に降る雪は
   熱い額(ひたい)に落ちもくる
   涙のようでありました

 

   私の上に降る雪に
   いとねんごろに感謝して、神様に
   長生(ながいき)したいと祈りました

 

   私の上に降る雪は
   いと貞潔(ていけつ)でありました

 

        【詩 中原中也 生い立ちの歌】

 

 

思い浮かぶのは、暗くて寒い冬の日ばかり

おばあちゃんが作ってくれた雑炊が美味しかった。

囲炉裏に薪を入れるのは僕の役目だった。

入れすぎず、少なすぎず。丁度良い火の強さに出来る。

僕の自慢だった

 

ここは人里。太陽がまだまだ強い夏盛り。

眠くなってきた。

眠ってはいけない、ここは人里。

カッパの僕が見つかってはいけない人里。

 

でも、眠い ・・・・・・・・

 

 

主演

若松競艇場のマスコット、カッパくん。

 

 

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