【レビュー】Boarding House Reach by Jack White

今回はJack Whiteが2018年にリリースしたBoarding House Reachをご紹介します。

アルバム概要

アーティスト:Jack White
アルバム名:Boarding House Reach
リリース:3/23/2018
トラックリスト
Connected By Love
Why Walk A Dog?
Corporation
Abulia And Akrasia
Hypermisophoniac
Ice Station Zebra
Over And Over And Over
Everything You’ve Ever Learned
Respect Commander
Ezmerelda Steals The Show
Get In The Mind Shaft
What’s Done Is Done
Humoresque




アナログサウンドの枠から飛び出した実験的な作品

Jack Whiteという人物について詳しい方はご承知の通り、彼はアナログなサウンドにこだわりながら名作と名高い作品を数多く世に送り出してきました。

そのオールドスクールなテイストが好きなJack Whiteファンの方はこの作品を耳にしたとき大いに戸惑ったことと思います。

その理由がデジタルサウンドを取り入れたことと、Hip Hop等のテイストを大胆に盛り込んだ実験的なサウンドであることが主な要因です。

実際、音楽雑誌等での評価は賛否両論、高く評価する場合はスコアがほぼ満点の一方、ネガティブな反応を示している場合はスコアが著しく乏しく酷評の嵐。

では私個人として今作をどう捉えたのか、それを確かめるために発売以降何度も何度もレコードを聞き返してきましたが、今のところポジティブに作風の変化を捉えています。

The White Stripes時代から彼の作品を追いかけてきて、アナログ主体の音楽が生み出す泥臭さや独特の音のうねりが好きだった身として、今作はJack Whiteの作品としてかつての枠をはみ出しながらも、完全に落胆する程そう遠くに離れていった訳ではないと思うのです。

白黒映画を撮り続けてきた監督が、急遽カラーでの映画を世に送り込んだかのような、そんな大きな変化による驚きは当然ありましたが、その一歩はJack Whiteという人物が音楽の幅を大きく広げるきっかけになったでしょうし、今後も実験的な音楽が楽しめるであろうことを予感させてくれます。

かつての持ち味を投げ捨てて全く別物になったのであればまた別の議論になるのでしょうが、楽曲から聞こえてくるギターリフは間違いなく彼の手から奏でられている音そのもので、その事実が安心して楽曲に耳を澄ませていられる要因になっています。

時折聞こえてくる鍵盤の音も古きよき温かみのあるテイストと、最新技術が生み出す少し無機質なサウンドが散りばめられており、過去と現在が何度も何度もクロスオーバーします。

私がこの作品を好きだと思うのは、適度にファンを突き放しながらも、それでも彼の手の届く範囲に留まらせてくれているJack Whiteの楽曲アレンジセンスがあってこそ。

雑誌やインターネットで酷評を目にし聞かず嫌いになっている方がいれば、まずはニュートラルな耳で今作を聞いてみていただきたいです。

「意外とこれはこれでいいな」と思えると、各楽曲のアレンジの奥深さをゆっくりと紐解く楽しみが生まれてきます。




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