fc2ブログ
何でか思い付いたお話ですが。
全然、曲とは関係ない出だしでスミマセン。
『あたしの事だけを忘れたなら、もうあたしは自分の幸せを探しに行く・・バイバイ道明寺』
『司・・・やっぱり、滋ちゃんは待ってた甲斐があったわよぉ』

『やっぱり、海の事好きなんだよねえ』
ショートカットのグラマーな女性と、流行りのおバカな舌ったらずな話し方で司の顔面目前に迫る女。

『やっぱり、あんたとは付き合えない。あたしは初恋の王子様と幸せになるから』
小柄で華奢な、黒髪のショートカットな女子は涙声で遥か彼方の向こうへズンズンと姿が小さくなって行く。
『つくし・・・オレは、つくしい・・・』


ハアハアと、息を荒げて司はベッドから頭を上げる・・・隣では、遥か彼方に消えて行った・・・筈の小さい女。
未だ日が登るには、少し早い朝焼けの日射し。
夢の中と変わらぬ華奢な体つき、クーラーの風に当たりながらつくしの耳元で髪が靡く。
耳たぶには付かない長さだが、黒髪は波立ててサラサラこぼれる。
世界的な企業の次期総帥の肩書を持ち、全ての紙・・もとい神をも凌ぐ美貌を持つこの男でも。
子猫の様に小さな女を見下ろす時は、只の普通の男になれるのだから不思議な事である。
何度も腕の中に抱き、宝物を手にする至極の時。
初めてではない・・その行為を、まるで今女に施した様な切ない気持ち。
弾力性に富むなだらかな白い頬へ触れると、それが気持ちいいのかイヤイヤしながら横顔を反らすつくし。
司は反応が面白い余りに、美しく長い指でマシュマロの肌に触れる。
つくしは夢見心地なのか、意識は覚醒しない。
記憶が消えて3年目。
つくしが居ないと気付いた時、初めて自分自身を恨んだ。
暴力や破壊行為を繰り返し、家族が別荘に有る牢獄へ放り込んだ程だ。
そんな司が唯一穏やかになれたのは、つくしが側
に居る一時の時間。
家族はつくしを探して、司の側に居る事を望んだ。



あれから、何度の時を巡ったであろうか。
今は妻となった彼女が、又自分を置いて行く事の不安を感じる。
つくしは誰とも隔てなく、付き合う事が苦にならない。
仲間すらその気になれば、再婚も出来るだろう。
幼なじみの中でも、『花沢類』とはソウルメイトの間柄だからだ。
記憶を失った時も、つくしに付きっきりだった幼なじみの存在に脅かされた事もある。
つくしはどんな世界でも、適応能力はある。
しかし自分は、社会不適合な存在で一歩間違えば人間失格だ。
経営者としての顔を持ち合わせてはいても、一個の人間としては全く機能していない。
息をするだけの、肉の塊に等しい。
つくしが居る時、彼女が生きる場所なら司も生きている実感は有る。
深い眠りのまま、つくしは首元を猫の様に揺り動かす。
光に当たりながら、散らされた牡丹が鮮やかに色を写す。
つくしは命であり、宝物でもある。
つくしが居なくなった時、自分はどうなってしまうのだろうか。
半身を求めてさ迷うのか。
何度も好きになり、恋を愛を囁く事を繰り返すのだろう。
金よりも美貌よりも、只の人間として愛してくれるつくし。
彼女は愛らしい表情で、司の隣で深く眠る。
緋牡丹全身に散りばめ(刺青ではない)、小さく丸まり口をモゴモゴ動かす。
酸素を求める様に。
「つ・・・か・・あぃ・・・」
つくしの小さな手は、何かを探している。
その姿を愛しく感じた司は、自分の大きな手で静かに握りしめる。
奥で揺れ動く果実に目を奪われるも、自戒しなければつくしの負担が増える。
苦笑いしながら、司は起こしかけた体を元に戻す。
考えたら今日は、数ヶ月ぶりの連休を取ったのだ。
「つくし・・・オレだけの大切な女」
ありがちな言葉しか、思い付かないもどかしさ。
プロジェクトの陣頭指揮を取る方が、全然楽である。
「お前には、毎日何度も恋してる・・・」
今、その時も新たな魅力に惹かれている。
項に掛かる短髪がゆらめいては、その場に牡丹を散らしたくなる。
喉奥がゴクリと鳴っては、煽られる。
かじりつきたくなる衝動を、抑える事が苦しく感じる。
明日は今日以上に、つくしへの想いが募る。


また君に恋してる。
いままでよりも深く
また君を好きになれる
心から

『しかし、幾つになってもよく寝てやがんな』
司は静かに笑いながらも、長い指でつくしの唇に繰り返し触れているばかりだった。


『ビリーバンバン』イイチコのCMから、妄想したのですが。
どちらか言うと、『坂本冬美』かな?
又しても、実力不足が露見しました。
S様のリクエストにお答えしたら、この程度の体たらく。
叱咤と激励のポチを、宜しくお願い致します。
執筆のモチベーションに、繋がります。

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
読んで頂きまして、有り難うございました。







スポンサーサイト



Secret