12日(土)にCBGKシブゲキ!!でこちらを鑑賞してまいりました
前回のサヨ唄の観劇から2回目のシブゲキ!!さん、前回と同じ席列で下手よりのお席、物販を買ってそのままDVDの予約もしてしまいました(笑)
初めての劇団さんなんかは観劇してから購入ですが安定のASSHさんなので迷わず予約
蒼海のティーダ〜Truth〜
the Five God Chronicle・琉球編
CBGKシブゲキ!!
8月9日(水)〜13日(日)
ASSH15周年記念興行第二弾の舞台です、はいASSHさんなので……つまり……。
鵜飼主水さんがいらっしゃいます!!!安定の鵜飼主水さん目当てです!
が今回はもうお一方、市瀬秀和さんも拝見したくて、はい、ウルTラマN秋桜にお出になられていた頃からのファンでございます
こちら再演の舞台ですが私は初見、この舞台が初めてです。
キャスト
大島 崚 ティーダ
栗生みな ザン
鵜飼主水 ゾーイ
長倉正明 テミー
田中宏輝 カジー
石川美樹 マージ
水月桃子 ラミ
丸山雷電 ウース
小栗 諒 迦具土神遊児
山本哲平 海原天陽
吉田宗洋 百竹蛇骨
紅葉美緒 円城寺猫麿
持田千妃平 成松唄
吉野哲平 江里口虎次
ヒロヤ リース
神越 将 ギヤ
秋吉あや ララ
花岡芽佳 レイ
未 莉 弓音
小倉江梨花 朱里
新木美憂 瀬名波
霜月 紫 ワタツミ
山本真夢 ソフィ
船岡 咲 真魚
市瀬秀和 ガンジュ
アンサンブル
梅田祥平
大田早紀
成瀬隆典
此処なつ
※敬称略・パンフレット掲載順
島国リューサー国の王子ティーダはある日、不吉の象徴と言い伝えられる人魚、ザンを海辺で見つけると、傷が癒えるまでと側近ゾーイが止めるのも振り切って御嶽へと匿う。
其の頃、リューサーから海を隔てた場所にあるヤマト国では3つの勢力がヤマトの覇権を争って戦争を繰り広げていた。
そんな中で3国の1つ烈火国に支える武将、百竹蛇骨が己の家臣を引き連れて、食べれば不老不死になると言われる人魚の肉を手に入れるためにリューサーへと向かう。
御嶽で話すうちにザンと心を通わせていくティーダ、しかし蛇骨はリューサーに対してヤマトの属国となる証に人魚を差し出せと迫る。
戦争、戦い以外での解決を望むティーダはザンを人間にするべく剣の師匠であるガンジュから助言をもらい、ヤマトでは八百比丘尼とも呼ばれる、元は人魚だと言われているユディの長、真魚に会いに行く。
人魚と人間の新しい関係を模索するティーダ、ティーダを慕うザン、人魚を狙う海賊リース、蛇骨軍、そしてリューサー王家。
人間を信じようとする真魚、ティーダとザンの2人に力を与えるワタツミ、真魚への恩返しにと彼女を探してリューサーの地に来た五神の内の2人迦具土神遊児と海原天陽、ティーダを国王へと願いながら、それでもティーダに協力するゾーイ。
様々な思惑がリューサーの地でぶつかり合う。
と、いうわけで、渋谷に琉球が、蒼く美しい海が、ニライカナイへと続く路がありました。
プロジェクションマッピングが効果的に使われていて、映像が白々しくならない舞台って凄いな〜と特にスクリーンの後ろに登場人物が現れる海底のシーン、映像が邪魔にならず本当に舞台装置として効果的でとにかく美しかった。
ソフィとザンの姉妹が海底で会話を交わすシーン、2人がふわふわと海を漂う本当に人魚のようで素敵でした。
この舞台、和風と琉球風をうまくミックスしたようなお衣装で、リューサー国の人たちは基本的に明るい原色系の色合いで細かく作り込まれていてとても素敵なのです。
お衣装だけを飾る展示とかしてほしいぐらい、特に人魚さんのお衣装がお美しかった。
あと好きなお衣装は持田千妃平さんが演じた成松唄のお衣装です。
男に引けを取らない剣の腕を自負する唄の衣装は短く作られた袴イメージのスカート(?)のようで、剣を振るたびにふわりとなびいて、他を圧倒する強さと唄のもつ可憐さが両方一挙に表されているようでした。
あと、うっはーって見とれたのが蛇骨様のお着物、柄が曼珠沙華でちょっともう似合いすぎて最高オブ最の高でございました。
演じられた吉田さんが恰幅いいのでお着物似合いすぎるのが罪深い!!!もう!!!!素敵過ぎかっっ!!!!!て、拝みたくなる勢いでかっこよかったです。
曼珠沙華、いわゆる彼岸花ですが個人的に曼珠沙華って響きが好きです、あと火事花とか親殺しとか不吉な名前が多いところも嫌いじゃない←
食用として植えられていたので今も人里に多く咲くお花、毒があるので食べるときは要注意。
それはともかく、そんな曼珠沙華がキャラにもあっていてすごく不吉でたまらなかったです。
動きも人外ぽくてですね、蛇骨様はかろうじて人間みたいな感じ。
蛇骨様と怪しい(大人の?/笑)関係の猫麿、にゃって話すの可愛かった
そんな魅力的なお衣装以上に魅力的な登場人物、キャストを見てもお分かりいただけますように、登場人物が大変多いのに、その全てが丁寧に描かれていてしかも2時間半ほどに凝縮された大変に密度の濃い舞台でした。
なにより魅力的なのが栗生さん演じるザン、最初は世間知らず(陸地知らず?)なザンは自分達人魚を殺して食べようとする人間を怖がり、人間であるティーダも怖がるものの、互いに言葉を交わすうちに惹かれあい、ティーダが望むように人になるコトを決意、地上でティーダと生きていく道を選びます。
そうして、ワタツミの力で人間になる代償に声を無くしたザン。
人魚の姿の時ははっきりと言葉を口にしているのに、人間になった瞬間から声が掠れて出なくなるシーンでのなんとか声を出そうとする姿が本当に健気。
声が出ない焦りと戸惑いがよく出ている上に、そのまま人魚であるザンを巡っての海賊、蛇骨軍、王宮親衛隊入り乱れての争いになるので叫び声も上げられず、しかも初めての歩く行為がほぼ走る。
クララだって立つまでに苦労して、歩くのだってさらに苦労したのに!
おんじを見習えよみんな!!(え?)
仕草や動作だけで全部表現してその上、表情が切ないんだ本当に。
人間になる姿を誰にも見られていなかったら、リューサーの人間に見えるような服に着替えて逃げるコトも出来たのにタイミング悪く目撃者多数の前での変化だったからゾーイの人間の女の子ですよー、だってほら足があるでしょ!っていう苦しい(笑)言い訳も通じず。
戦う理由が自分にあるコトがわかるザンは本当に争いを見ながら苦しそう、やっと出会えたティーダを見て泣く姿が切なくて、そこからさらに続く争いにとうとうティーダとカジーの兄弟での戦いにまで発展してしまいザンは人魚に戻って人と関わらないコトをワタツミに誓う。
ティーダはザンを人間にする代わりの刻印をワタツミに付けられるんだけど、それはティーダの怒りに反応してしまし、ティーダ自身も飲み込んでしまう。
自分の怒りに我を忘れて敵味方関係なく攻撃するティーダ、そんなティーダの姿に涙を流すザンがほんまに切ない、栗生さんのザンの雰囲気がまた良いんだ、涙腺崩壊します。
脚本を書かれた松田壱岱さんがズルいのはこのザンとティーダの2人の関係性とザンの狂おしいまでのティーダへの思いで涙腺崩壊させて来るのに、リース船長としっかり者の子供達の関係も涙腺崩壊で、さらに蛇骨軍の面々で涙腺が崩壊して、王宮親衛隊の朱里と瀬名波の絆に涙する、涙腺崩壊コースが怒涛のように来るところ。
そして、王宮では冷静で少し怜悧な印象さえ与えたカジーの兄への想いに、ほろっとする。
この兄弟の行き違いについてはティーダが全面的に悪いと思うから、反省文を原稿用紙(400字詰)に10枚分ほど書いて速やかにカジーに提出していただきたい。
あと「ゾーイくんごめんなさい」って1000回書いて、ゾーイに提出するべき。
ゾーイはティーダが王位を継ぐコトを望んでいるんだよね、病床の国王に直接第一王子であるティーダに譲位をしてほしいと頼みに行くぐらい。
何もなかったらゾーイはそんなコトを頼みには行かなかったと思う、実際蛇骨軍が来たおかげでうやむやになったけど、あのままだったら不敬罪で投獄されているところ。
あそこで、王様に嘆願をしに行ったのはティーダが王位につけば人になったザンと逃げなくても良いようになるからだと思う。
国王という座に嫌でも縛り付ける、ちょっとズルい気もするけれど、ティーダに王位を継いでもらい、かつザンとも暮らせるようにするには王様の口から直接ティーダに王位を譲る、という言葉が必要だったのだと思う。
もしも何も告げないまま王様が亡くなったら、跡目を争うコトになるのは火を見るより明らか、そしてティーダはそれを望まず、あっさりとカジーに位を譲ったら城を出て行くコトもわかるからゾーイはなんとかしたかったんじゃないかなとか。
それでもゾーイは最後までティーダのお願いを聞くんだよ?
どんだけ良い人なの?
ザンのいる御嶽に海賊たちや蛇骨軍が現れた時、ワタツミの元から戻ったティーダが助けに来るのかと思ったらゾーイが現れるの、必ず誰かがザンを狙って現れるから守れと言われたから。
海賊と蛇骨軍はともかく親衛隊からもザンを守って逃げるのはティーダとの約束はザンを守って落ち合う約束をした場所まで連れて行くコトだから。
でもこれ、冷静に考えてティーダとザンが逃げたあと、ゾーイもどう考えてもリューサーに残れなくない?覚悟の上なの?
どんだけ良い人なの?(2回目)
ゾーイは人魚は不吉の象徴であるとティーダに警告し、ティーダがザンにのめり込むのを止めたかったし、実際そういう事も直接ティーダに告げているのにザンを守り、しかもザンと国を離れるためにとティーダが約束した場所にまで連れて行こうとしているのに、途中で城の中に内通者がいるコトに気がついたら今度はカジーの力になるために城までとって返すの。
カジーの力になるコト、守るコト、これもまたティーダがゾーイに伝えたお願いだから。
どんだけ良い人なの?(3回目)
蛇骨軍や仲間である親衛隊とまで剣を交えてもティーダの頼みを守ろうとするゾーイは本当に1万回ぐらい沖縄ぜんざいを沖縄限定エリーゼ(紅イモクリーム&黒糖クリーム)付けてティーダに奢ってもらうべきだと思う。
そんなこんなで、舞台の後半は涙腺崩壊フルコースなのですが、それでもやはり目を引くのは殺陣!
はい、つまりはYes!殺陣!!
ASSHさんの舞台はいつも殺陣の煌びやかさがすごいのですが、今回の舞台では女性陣の殺陣シーンがすごかった。
唄もそうですが王宮の親衛隊も女性で、どちらも男に負けない強さを持っていると自負するゆえのプライドと意地がすごい。
唄が日本刀、朱里が棒、瀬名波がトンファー、中でも瀬名波の戦いっぷりがカッコいいのです、小柄なのに力強くて、身軽でトンファーという武器がすごく似合う。
瀬名波というキャラクターにもこの武器はすごくあっていたと思うのです。
演じられた新木美憂さん、めっちゃ可愛いのに瀬名波として凛と美しかった
ので、あのラストはです。
唄とあの2人は好敵手と書いて「とも」と呼ぶ関係になれたと思うんだ、会えばとりあえず拳合わせる感じで。
で、思う存分手合わせしたら無表情のまま無言で別れる(笑)
なので本当にあの唄と朱里と瀬名波のあの決着のつき方は泣けます、唄らしい決断だし瀬名波だって素晴らしかったけれど、それだけにあの別れは残念感が強い。
良いじゃん、待ち合わせたらインスタ映えするカフェに行く女子がいるなら、待ち合わせたらそのまま得物を抜く女子がいたって。
身軽といえば、アンサンブルの中に「わんぱく彩」の成瀬隆典さんがいらっしゃったのですが、やっぱり身軽で殺陣が素早い!
リトルマンメイトの舞台を拝見して素早くてキビキビした動きだなぁと思っていたのですが今回もついつい舞台上におられると目で追ってしまいました(笑)
で、市瀬さんですよ、もうね、あの捌きはあかんやろと、めちゃかっこいいやろと。
ガンジュは隻眼なので片方は隠してあるのですが、そうですか、それでその早さですか、なにそれかっこよすぎだろと舞台見ながらぽかーんです。
武器が剣で両刃なのですよ、なので順手から逆手、逆手から順手とくるくる攻撃の手が変わる上に早い。
そしてグッと構えた時の上腕二頭筋の素晴らしさな!
好みドストライクな上腕二頭筋&浮く血管でした(*'д`*)
ティーダの剣の師匠であるガンジュはリューサーを他国から守るために剣を振るうと誓っているのですが、ティーダに誘われても王宮には使えない孤高の剣士。
優しくて厳しくて、その中に凄みがあるのすごい。
蛇骨の妖力のカラクリを見破って、しかもそれに対応できるのは自分しかいないと言い切るのかっこいい。
実際、蛇骨と向き合ってたゾーイはガンジュが来なきゃ危なかったわけでして。
蛇骨vsゾーイ&ガンジュの戦いになった時の、あんたと一緒に戦って見たかったってゾーイの声がめっちゃ楽しそうだったから、この後ティーダが王位を継いだラストにガンジュが城に仕えるらしいので、ゾーイも楽しかろう(良い感じにガンジュにあしらわれて、結局剣を交えられないオチに100票ぐらい入れたいけれども)。
見所はたくさんある今回の舞台の殺陣ですが、一番好きなのはやはり蛇骨と相対するガンジュとゾーイのシーン。
DVD手に入ったらめっちゃガン観するんだ、このシーン!と、今からワクワクです。
ガンジュとゾーイが蛇骨に戦いを挑むわけですが、蛇骨様それ反則やん( ´・ω・`)
日本刀を振るう蛇骨様ダイナミ……は!?ってなった。
ぐいんて!刀がぐいんて!!っと、心中語彙力パーンで燃えたのですが、蛇骨様の刀が本当に蛇みたいに伸びるの、なんで二節棍になってんの!?
と、よく見て、ギミックとそれを使う素早さに死にそうになった。
蛇骨様かっこよすぎかよ……
獲物の長さがほぼ倍で伸びるのを避けつつ、戦うゾーイとガンジュもかっこいいのですよ、2人とも使うのが中国剣みたいな両刃の剣(琉球刀はルーツが日本刀なので片刃)なので順手と逆手で綺麗に型が決まるのが観ていて眼福。
あと好きなのは、王宮での謀反が発覚、内通者が誰かに気がついたゾーイがお城に戻りお妃さまたちを守るために城の兵とも戦うコトになった時に、ちょうど戻った朱里とゾーイが得物を取り替えるの。
ゾーイが棒で殺陣。
うん、良いよね鵜飼さんの殺陣!それ以外に何を言えば良いかわからない(真顔)
武器を変えるのなんで?って思ったら、叩きのめすだけでそれ以上には手を上げないのゾーイが。
確かに剣で戦ったら斬るしかないもんね、というコトで上官の命令に従っているだけだとわかっているから棒、逆に朱里は剣になってるから内通者とガチで対決。
だからゾーイはどんだけ良い人なの?(数えるのやめた)
SNSで公開されていたゾーイのビジュアルフォトでは逆手のお写真が多かった気がしたのですが実際の舞台は順手が多かったのかな?
毎回のことながら、1回しか舞台は拝見できませんが2時間半の密度に圧倒される舞台でした。
12月にはASSH 十五周年記念興行・第三弾『雷ケ丘に雪が降る』(12月20日(水)~24(日) 俳優座劇場 )の舞台、こちらも今から楽しみすぎてワクワクです。
最後になります上に、こんなところで恐縮ですが、物販での対応、大変丁寧にしていただきまして感謝いたしております、ありがとうございました。