ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

愛情という材料

2017-08-14 | 家族

子供達が結婚してから、娘たちも息子たちも、「お母さん、アレはどうやって作るの?」と電話が来るようになった。ポットロースト、チキンデイヴァン、チキンスープ、ビーフシチュー、ポテトサラダ、スパゲッテイソースなど、極々一般的な家庭料理や、トンカツ、すき焼き、牛丼、そして病気の時に好んで食べた卵粥などである。最初は一人一人に答えているうちに、そうだ、”うち”レシピ集を作ったらいいのでは、と思い立った。クリスマスも近いことだし、内緒で作って、各家庭にプレゼントしよう。そうしてできたのが、このバインダーである。これを5冊作った。



バインダーの表裏は、ダイカットした紙のチェリー以外、紙文字は全て手で切って、あとは、ジョアンズのスクラップブック用品コーナーでチェリー柄のページ、手芸用品コーナーで各種のリボンを買ってきた。バインダーは表と裏にビニールのカバーが付いているのを、そしてページデイバイダーも求めた。まずバインダー作りを楽しく終えた。レシピをタイプし、写真をつけ、印刷し、シートプロテクターに入れて、バインダーに整理していった。こうしたレシピは全て私風、うち風にアレンジしてあって、うち風の言わばおふくろの味レシピである。

制作途中で、息子が電話してきて、「お母さん、ちびチキンってどうやったの?」と聞いてきた。ちびチキンとは、唐揚げチキンである。忘れるところだったので、すぐ付け加えた。こうしたレシピは大抵目分量と経験で作ってきたものばかりだったので、いざレシピを書くとなると、タイプする手がしばし止まったりした。えーと、あれは、このくらいで、これはカップにどのくらいなんだろう?
私の母もきっちりとしたレシピは使わず、いつも目分量だった。それでも美味しかった。でも子供達には、やはり茶匙何杯、カップ何杯で書いていかなければ。そうこうしているうちに、3インチのバインダーがどんどん太っていった。

来週には、子供達がクリスマス休暇でやってくるというある日、とうとう5冊出来上がった。一冊一冊丁寧にラッピングペーバーで包み、リボンをかけ、クリスマスツリーの下に置いた。
クリスマスの早朝開けられたギフトは、とても喜ばれた。
末娘が言った。「お母さん、このレシピみんなには、お母さんの愛情が入っているの。だから美味しいの。」

私は、料理に優れているわけでもないし、どちらかと言えば、必要に迫られて、殆ど、ずぼらに作ってきたのだが、子供はそう見ていたのか、となんだか恥ずかしくなった。

高校生だった末娘に日本的なお弁当を作ったことがあり、娘はそれを昼食時みんなに見せびらかして羨ましがられたんだと言ったことがある。え?ちょっと!私はキャラ弁だの、ファンシーなことはできないし、ただ見よう見まねで作っただけなのに。タイラーは、残りちょうだい、と真っ先に名乗り出たそうだ。

ベーグルをトーストして、レタスとチーズの間にツナサラダを挟んだサンドウィッチ持たせ時は、次回は、二つ作って欲しいとリクエストされた。タイラーとケイドとマークがどうしても食べたい、そうだそう。それ以後そのサンドウィッチを作った時はいつも余計に持たせた。その友人たちは、決して貧しい家庭の子供達なのではない。父親が弁護士だの、コンピューター技師だの、である。自分の持ってきたランチは他の子にあげていた。何故娘のランチを分けてもらいたがるのか、聞いたら、娘は得意そうに、「それはね、お母さんのには、愛情が入っているからなの。」と答えた。愛情?それはどなたのお母さんだって愛情込めてランチ作るでしょうに?娘は、「ううん、違うの。うちのお母さんの愛情なの。」と言った。

これは姉が姉の孫の朝ごはんに作ったものです。





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