ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

レイバーデイに思うこと

2017-09-06 | アメリカ事情

9月4日は、日本語でいえば、合衆国の勤労感謝の日で祝日。南北戦争後の産業拡張期を機会に幾つかの血なまぐさい労働問題、紛争を経て20世紀には、ほとんどの州が労働(に感謝するため)の祝日として受け入れた。昔は9月の最初の日曜日ということもあったそうだが、今は最初の月曜日で、ありがたい。この日はまさに勤労を休み、のんびりする日である。

1966年から45年間レイバーデイの恒例だった筋ジストロフィー協会への寄付金を募るテレソンは、主演のJerry Lewisが2011年に退き、結局2014年には放送も取りやめになった。今年そのThe Jerry Lewis MDA* Labor Day Telethonを長年勤めたJerry Lewisも先月8月20日齢91歳で心臓関係の病で亡くなった。

*MDA=Muscular Dystrophy Association=筋ジストロフイー協会

つい最近、と言っても、1980年の初期頃までは、小、中、高の学校は、このレイバーデイの次の日から新学年・新学期が始まったものだが、昨今は二週間は早くなっている。夏休み自体、5月の真ん中あたりからだったのが、今は6月に入ってから、というのが多い。

州にもよるが、30年前、40年前に比べて、今のアメリカの夏休みは大分短い。国際学力統計からして合衆国はかなり低い位置を占めているので、日本やその他の教育先進国並にせめて学校出席日数を多くすればいい、という考えがある。そして両親共働き、というのも原因の一つだろう。学校には保育施設を備えている所も多いし、学校があれば、そこも開所している。

レイバーデイは夏の最後のピクニックやBBQや湖川や海でのチュービング、水泳などの水遊びを楽しむ家族も多い。私も、学生の頃お世話になった家族(この家族)と共にReservoir(貯水池)へピクニックへ行った思い出がある。

これで夏は終わり、明日の新学期初日に備えて気持ちを新たにして、頑張ろうと殊勝なことを思ったものである。その日までには、新学期に着ようと作った服も仕上がり(自分で縫った。その時代1970年代後半でも服くらいは自分で縫える女子学生は多かった。)、文具品も揃え、教科書の幾つかも用意してあった。今は昔の話。

この日は旗日なので、ボーイスカウトが前庭先に星条旗を朝早く立てておいてくれる。日没前には引き抜きに来る。これはスカウトのファンドレイザーで、1年間こうして旗日には旗を立ててくれるのである。今は旗を掲揚しないうちが多いが、なんだか、寂しいことだ。市民権を取得した近所の元移民家族はいつも誇らしげに出している。


 

ご近所のこのお宅の庭にもボーイスカウトによる星条旗が。 

ちなみに国旗(Flag Code)には決まりがある。スカウト活動を長年してきたので、端がちりぢりになり、色も褪せた国旗が掲揚してあるのを目にすると、余計なお世話ではなく、本当に悲しくなる。国旗には尊敬の念を持たなければならない。次のはその国旗に関する決まりの幾つかである。

1)国旗は掲揚時に旗が地面や水や床は勿論、商品などに触れてはいけない。2)星条旗はフラットに掲揚する場合、ユニオン(紺地に星のある部分)は見る側の左になるようにする。3)国旗掲揚時間は国際的習慣では、日の出から日没までの掲揚であるが、愛国精神を表すイベントの場合、夜の帳にはきちんと旗を照らし出す照明をつければ24時間掲揚できる。 4)スポーツ大会やその他のイベントで国旗掲揚儀式を設ける場合、厳粛な気持ちできちんと行わなければならない。夫と私の行った大学では、確か朝7時と夕方5時に国歌が流れ、その間右手を左胸に置き、歩いていれば立ち止まり、座っていれば立ち上がって厳かに敬意を払った。この二つの時間は大学での国歌演奏と国旗掲揚の始まりと終わりである。5)国旗は一切飾りで周りを囲わない。軍とボーイスカウトのインシグニアは除く。つまりLeave It Beである。6)国旗は決して着るものではない。着てはならない。7)国旗を降ろす際、たたみ方があり、それを守る。8)破れたり、色褪せしたりした国旗はきちんと厳粛にリタイアさせる。普通はボーイスカウトが、引退セレモニーを執り行ない、焼却する。などなどコードはあるのである。

日本の国旗にもこうした決まりは通ずることと思う。日の丸は美しい。この日の丸を掲揚するのに、国粋主義だ、先の戦争では、と異議を唱えるのは、なんだかとても悲しい。日本での国旗掲揚時に右手を左胸に当てるのも実はおかしく思える。合衆国では、合衆国への忠誠の誓いが基にあり、1942年フランクリン・ルーズベルト大統領が制定したことだ。日本人は直立不動で国旗掲揚時に国歌を斉唱すればいいのである。

そんな難しいことを考えながら過ごした休日ではなく、この日はゆっくりのんびり過ごした。翌日からまた新しい一週間の始まり。今週は四日のみ。喜ばしいことである。  

 我が家の前庭先にも。

 

 

 

 

 


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