東大SPH入試と他の入試との最大の違い | 東大SPHを目指す貴方へ

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東京大学 公共健康医学専攻 (SPH:公衆衛生大学院)の卒業生有志による、入試対策法・学生生活・キャリアプランについて綴っているブログです。
東大ひいては日本国内でMPH(公衆衛生修士号)取得を目指されている皆様のご参考になれば幸いです。

東大SPH入試と他の大学院入試との違い。これは、東大SPHがなぜ狭き門なのか、とも言い換えることもできます。

それはひとえに、純粋な学力試験だからです。

大学とは、文理問わず幾つもの教室の集合体です。例えば、同じ「●●大学医学部・医学系研究科」でも、その傘下に「薬理学教室」やら「循環器内科学教室」やら「生物統計学教室」と言った教室が存在します。そして、各教室には教授が1人ずついて教室の人事を一手に担っています

学部単位で入試試験を課す大学受験と違い、大学院受験は一般的に自分の行きたい教室の扉を直接たたく形になります。そのため、上述の如く教室の人事を担っている教授に気に入って貰えるか否かが重要なカギとなってきます。もちろん、学部課程にいる学生はその教室でゼミを受講できる分、より「地の利」を利かせることが可能です。そして、ペーパー試験はあるものの、教授とのコネによって面接の点数を上乗せするなりして受からせて貰えることがあります。つまり、純粋な試験による学力に加えて教授の裁量が重要になるのです。

ところが、16もの教室で構成される東大SPHでは、所属する教室を受験時ではなく入学後に選択する形になり、入試の段階では選べません。

これは他大学のSPHにはない東大独特のやり方でもあります。

そのため、入学試験は教室単位ではなくSPH全体で課す筆記試験の点数のみで専ら合否が決定します。「●●教室の教授と仲がいい」と言うのは一切通じません。受験生の出身大学、出身学部、職歴、専門分野なども何の足しにもならない完全な学力試験になります。

逆を言うと、各受験生のバックグラウンドが何であっても、たとえ医療系とは一切無縁の世界の人であっても、試験で点数さえ取れれば必ず合格できると言うことでもあるのです!

私はこれまでに「東大SPHを受験したいけど、医学部出身でも東大出身でもないから不利なのでは?」と言った質問を数名から個人的に受けたことがあります。確かに、医学部や東大を出ている人は要領が良くて勉強慣れしています。そして、コメディカルを含む医療系の職務経験者は現場での予備知識がある分だけ試験対策がしやすいです。が、それはただスタート地点が少し前にあるってだけに過ぎません。

実際、医者や現役東大生でも不合格になったと言う話は数えきれないほど聞いていますし、逆のパターンもまた然りです。

ですので、東大SPHを目指す貴方、まずは無心になって勉強してください。勉強のやり方はこれまでの記事にも記した通りです。そして、試験で点数さえとりゃいいんです。そこに才能やら何やらなんて関係ありません。要は、やるかやらないかです。


余談ですが、東大の学部過程では全学生が最初の2年間を駒場の「教養学部」で過ごし、その成績でもって進学先の学部学科を決めるlate specialization (遅い専門化)をモットーとしています。入学してから所属研究室を決定するSPHもそれと似ていますよね。どことなく「東大らしさ」を感じさせてくれる良いやり方だなぁ、と思います。







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