「自分を取り巻く人たちのことについて真剣に考えたんです。母にも『この状態でよく頑張ったんじゃない』と言われて。そこまでやれたのは早急に跳べるようにしてくれたドクターやトレーナーだったり、声援を送って支えてくださった観客や、仙台にいる人たちがいたからだよね、というような話をしました。応援してくれる人たちを思ったとき、怪我はあっても、それは関係なくフリーは頑張ろう、という気持ちになりました」
そしてフリーを迎える。プログラムは「ロミオとジュリエット」。冒頭、4回転ジャンプに成功。ミスのない滑りが続く。歓声と拍手が大きくなる。場内の熱気が高まっていく。
だが、思わぬところで転倒してしまう。
「左足で滑っているときにこけちゃったんですけれど、右足をかばっていたため左足に負担がかかっていた影響はあったと思います。やっぱり悔しかった。次のジャンプのときなんか、言葉はきれいじゃないですが『この野郎!』って口にしながら跳んだくらいです
「転んだ瞬間、大きな拍手をもらって、それが聞こえたんですね。これは頑張らないと、って思いました。世界選手権という舞台だけにプレッシャーはあったと思います。でも世界選手権だからこそ歓声や応援をもらえたと思うし、それを受け止められました」
転倒後はノーミスで演技を終えると、さらに大きな拍手が起こった。羽生は右手で小さくガッツポーズをすると、おじぎをするかのように下を向いた。
「まず右足に触って、『よくもってくれたね』って声をかけてあげたんです。とにかく足に感謝したい、という思いでした」
ここのちょっと前に右足首に触ってたけど
画面から切れてた
((゚m゚;)
うれしかったら思い切り笑顔を見せ、ときにおどけたしぐさもする愛嬌の一方で、失敗すれば地団太を踏むかのごとく悔しさを露わにする。そんな飛び抜けた負けん気を持つのが羽生だ。捻挫という弱みを見せたくなかったという心根、最後まで隠し切ったところに、彼らしさが表れている。
こういう人間らしいとこが本当に魅力的
そりゃ、惚れますよ(///∇//)
世界選手権を振り返りながら、何度も「支えてもらった」「パワーをもらった」と
心からの思いを込めて繰り返した羽生。そこには、震災の苦しみをくぐり抜けることで変わったスケートへの思いがあった――。
松原孝臣さんの記事全文は
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