情報収集の手引書

池上彰・佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方



「僕らが毎日やっている」ことと「普通の人がやるべき」ことが分けて書かれているのが親切。
最強レベルを見せられて「いやいや絶対無理だわ」と思わせられた後、普通レベルの(とは言ってもそこそこ高度な)読み方を提示される。すると「これなら私にもできるかも?」という気持ちになってくる。……そういう手法?

新聞、雑誌、ネット、書籍、それから参考書、と、媒体ごとの扱い方が解説される。取り入れてみたいと思うこともあれば、「へえ~」で終わることもある。しかし、豆知識的な意味でも、読んでいて面白い。

ノウハウについては半端になってしまうので触れないが、「新聞」「書籍」の部分について特に感想。

新聞

「社会人になったら日経を読め!」みたいなことがよく言われるけれど、それに対して意外にも否定的だった。いきなり読むには難しいということに加え、以下のような注意喚起も。

潜在的に右左の差はあったものの、それを表には出していなかったんですね。それが現在、『産経新聞』の路線、つまり保守派に『読売新聞』と『日本経済新聞』が乗って、『朝日新聞』『毎日新聞』『東京新聞』は逆に、現政権反対の立場を明らかにしています。(pp.50-51)

私の家では元々『朝日新聞』を取っていて、3年ほど前から『日本経済新聞』を取るようになった。取り上げられる内容が全然違うことには驚いたものの、「日経が経済に特化しているからかな」と、あまり気に留めていなかったのだった。
しかしどうやら、「日経が特殊な新聞だから」で片付けるのは危ないらしい。別に朝日が「一般的な新聞の代表」というわけでもないのだ。

だからと言って「新聞を読むな」ということではなく、むしろ複数読んで比較することが必要だとのこと。そのための時間をかけない読み方についても解説されている。簡単そうな印象を受けるが、実行するのはなかなか難しいかもしれない……。

書籍


最近「通勤しなくなったら読書もしなくなってしまった」と思っていたので、同じようなことを池上さんも言っていてちょっと安心。……レベルは全く違うので一緒にするわけにはいかないが。
ともあれ、教養や勉強のために読書には、決まった時間を確保することが必要だという根拠として、「池上さんですらそうなのだから」というのはかなり強力なんじゃないだろうか。

読み終わって思ったが、自分がまずすべきは「基礎知識をつけること」だ。読み方だけ改めようとしたって、基礎なしではやはり何も身に付かないだろう。
学校で習った「勉強」など、もはや記憶の彼方だ。まずは日本史や公民の教科書を紐解くところから始めよう。最強への道は遠い。

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