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前回は北朝鮮の核実験のその規模の大きさと非難をする国々の欺瞞について述べました。
非難している核保有国の矛盾とでも申しましょうか。
もちろん、だからと言って北朝鮮の核実験を看過しているわけではございません。
今日はそれを具体的に-。
例えばお隣の中国では今回の北朝鮮の核実験への抗議を込めて、軍事演習を北朝鮮の国境近くの北の地で行いました。
ここはかつて「渤海」と呼ばれ、698~926年の間朝鮮半島より大きい国がありました。
満州からロシア沿海地方にかけての地域。
その頃の中国は「唐」、朝鮮半島は「新羅」でした。
国こそなくなり、現在は中国に併合されている訳ですが、そこにはかつての渤海の人々が住んでいる地です。
「渤海」はあまり日本人に馴染みがないようなので(教科書で素通りされやすい)、改めてブログを立てますね。(「やるやる詐欺」になりませんように)
日本人にも聞き馴染みのある「シルクロード」。
中国内のシルクロード、中国北西部の少数民族の自治区である「新疆ウイグル自治区」において、中国は1964年から核実験を行っています。
(長くなりそうなので、位置について(地理)、「新疆」のその興亡(歴史)、その次に現代問題(政治)など分けて語れたら、と思います。)
「新疆ウイグル自治区」は首都北京から遠く離れ、中央アジア寄りにあります。
中国の省・自治区の中では最大、日本の4.5倍の面積があります。
山岳と砂漠の地帯とも言え、
北にジュンガル盆地、中央にタリム盆地、そのタリム盆地の中にタクラマカン砂漠、
山脈も北からアルタイ山脈、天山山脈、崑崙山脈とあり大自然が広がります。
その山脈の間に天山北路、天山南路というシルクロードの「オアシスの道」があります。
他に現在のモンゴルやカザフスタンを通り、カスピ海の北を通ってヨーロッパに通ずる「ステップ(草原)の道」や海上を通る「海の道」があります。
目視で出入国を管理していた時代に中国に潜入するジャーナリストたちや偽造パスポートを持つ人たち(かつて中国政府から国外追放された人など)は、大都市ではなくここから入ることが多かったのです。(次にタイ国境、香港経由。)
この自治区の3分の2は実に砂漠です。年々砂漠化は進行しており、これが「黄砂」の飛翔源ともなっています。
中国の歴代王朝からすると異民族の地でありました。
その名の通り「新疆ウイグル」の「ウイグル族」を始め、他少数民族が多数を占めていましたが、近年の暴動に伴い、漢民族の移住計画を進め、「漢化政策」を取っています。
最大都市ウルムチ(烏魯木斉)では、今では漢民族の方が多くなっています。
以前は貧しく「イスラム教徒」・「イスラム建築」・「ウイグル文字」のあるエキゾチックな辺境でしたが、あっという間に航空・道路も整い、高層ビルが乱立する都会へ変貌しました。
「ウイグル族」とはトルコ系民族。
テュルク系とも言いますが、これはペルシア語の「トルコ系」という意味で、この地には「ウイグル帝国」「東トルキスタン」という国も存在しました。
このような地で1964年、コードネーム「596」という高濃縮ウランによる核実験がロプノールで行われ、中国は世界で5番目の核保有国となったのです。
翌年には水爆実験も行われました。
緑・・・ウルムチ(烏魯木斉) 赤…ロプノール湖
今まで同地で50回以上の実験が繰り返し行われたとされ、農作物や健康被害が懸念されています。
軍事演習にせよ、核実験にせよ、犠牲になっているのは少数民族の方たちなのです。
少女のミイラが発見されたことで有名な「楼蘭」でもメガトン級の核実験が行われています。
楼蘭はロプノール湖の西に位置します。
ロプノール湖は「さまよえる湖」で知られた所です。
この辺りは 標高差がわずかしかないため、末端湖や川床に対する堆積や侵食の作用によってタリム川の流路がある期間を経て大きく変化し湖の位置が移動すると、ロプノールを「さまよえる湖」と呼び、日本でも取り上げられていました。
…日本で有名になった頃には既に核実験が行われていたのですね
政府による核防護策もなく、数十万の単位でウイグル族が急死。
死産、奇形・先天性異常の胎児、がんなどの健康被害も百万単位で続出していますが、中国政府は公に認めおらず、情報を隠蔽しています。
医療保障もありません。
ご存知のように中国では集会・デモは認められていないため、今日でも知られず犠牲になっているこの地の方々が多くいます。
この地に長く暮らすようになった漢民族の方にも被害は出ています。
日本では、NHK「シルクロード」が1980年代から大ヒット。
その被害は何も知らずにシルクロードのロマンに惹かれ訪れた「日本人観光客」にも及んだと見られているのです
「死のシルクロード」とはイギリスのBBC放送が極秘撮影し、中国の核実験を報道したドキュメンタリー番組名なのです。
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