月に寄する | 言葉のロードサイド

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月に寄する

ずいぶん眠り続けていたような気もするし
ほんの数分まどろんでいただけのような気もする。
目が覚めると、月の光があたり一面を照らしていた。
風にかすかに揺れる木の葉も、つぼみから開いたばかりの

花も、今朝降った雨のしずくも、
鈴の音のような不思議な言葉で囁き合いながら

銀色の光を浴びてキラキラ輝いている。

ふと気づくと、月を見つめている少女がひとり。
あなたは、誰? 
声をかけると、少し驚いたような顔で私の方を見る。
ああ、あなたは、まだ幼い頃の私。

そうやって月を見て祈っているのね。
今の私にはもう思い出せない、何かを。
でもありがとう。幼いあなたに感謝します。
今の私は、月の光のように

静かで明るい気持ちに満たされていて、とても幸せです。

 


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