2014年09月15日

ケン三郎のニューヨーク珍道中その13

失意の中の発表が終わり

ああ、やっぱり英語をもっとやらなきゃ
とか

英語論文をかかなきゃ

と思うが、いつも思うけど、先延ばし、、


ふ〜っ、発表ばかりでは世界に伝わらねえ


と茫然としながら、他の先生の発表を聞いていると
セッションの最後に、シリアの先生の発表


「私はシリアから来ました、内戦で、罪のない多くの一般人が
戦争に巻き込まれています」


空気が一変する


物資も人も器機もきっと不足してあろう
である戦争の真っただ中、そこで働く耳鼻科医だ。


症例を提示します、20代男性です


銃弾を受け、下顎を丸ごと失ってしまい、救急搬送
になりました

幸い命を取り留めましたが、
この患者さんに何度か手術を繰り返し

1年たってようやく、食べる事ができるように
なりました

そこにいた誰もがその発表に
目を見張り、息をのむ。

そしてその元気になった患者さんの
笑顔にぐっと心をわしづかみにされる


我々は、こうした環境の中でも
患者の社会復帰をめざし頑張っています


ひゃ〜っ、、こ、、これはすごすぎるっ。


終了直後、拍手が鳴り響く。


検診とか、ロボット手術とか、経鼻内視鏡とか
拡大内視鏡、NBI、BLI、ELPS,ESD、鏡視下手術

一気にぶっ飛んでしまう


俺らは「平和」を当たり前と思ってるから
いろいろ研究もできるし発表や論文もかける

しかし、そうではない環境に置かれても
あきらめずに懸命に医療につくし
このニューヨークにその現状を訴える医師がいる


差がありすぎて、頭をガツーンとやられた
感じ

かといって自分がその戦時に
行って何かしようっていうわけでもない


いや〜この発表が聞けただけでも
ここに来た価値がある

俺らはずいぶんな環境にどっぷり浸かってる

もっとハングリーに
何かを残さねば。

生きてるのにもったいねえ。


ぽちっとな


tetsurou0404 at 08:56│Comments(0)

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古畑ケン三郎