露冷残螢瘠風寒柳影疎なるの時期とはあまり長すぎてゴロがわるくは候(そうら)えども僕が創造の冒頭ナレバ黙ってお読み下されたく候
(夏目漱石より正岡子規へ 明治22年9月15日)
黙ってお読み……読めないって。
ろれいざんけいせきふうかんりゅうえいそ?
どんなにググっても、そんな言葉はありません。
夏目漱石は不思議な人です。気難しく堅苦しい人格と、この手紙や「吾輩は猫である」のような、茶目っ気たっぷりの洒落た人格が、一人の人物の中に同居しているよう。
冒頭の写真は、「吾輩は猫である」の吾輩猫が、三平君の飲み残したビールを舐めて酔っぱらったところ、切り絵ボトルアートです。タイトルは「酔いどら」
~呑気と見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする~
「吾輩は猫である」の最後、この一文の力ゆえに、この小説は名作になり得たのではないか…と、私は勝手に思っています。
今日の便箋らぼ*は、夏目漱石の手紙と、切り絵ボトルアート「酔いどら」をご紹介しました。
切り絵ボトルアートのHPはこちら
「酔いどら」の作品解説はこちら
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