本因坊戦開幕!井山裕太VS山下敬吾
どうも!こんにちは。みやれーです。
遂に第73期本因坊戦挑戦手合い七番勝負が始まりました!
第一局は5月15、16日の両日、山口県萩市の「明倫学舎」で行われました。
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山下の先番で始まる【第73期本因坊戦挑戦手合七番勝負第1局】 | 棋戦情報 | 囲碁の日本棋院
井山本因坊に山下九段が挑戦
今更説明も不要ですが、昨年の名人戦から挑戦手合いで17連勝を記録中の井山裕太本因坊に挑戦するのは、若手の台頭著しい昨今に風穴を開けた山下敬吾九段です。平成四天王と呼ばれ一世を風靡した山下九段の活躍は誰もが知るところですが、若手の勢いに対抗する筆頭格として、16年連続の七大タイトル戦挑戦手合いに出場となります。
今回はこの両者の顔合わせとなった本因坊戦ですが、その第一局の棋譜を一部抜粋して紹介していきます。
実戦途中図2
白1のノゾキに黒2と押し上げて、一転黒6と隅へツケ。左辺は白石が多い所なので、戦いになれば白有利になりそう。なので真っ向から戦わず、白が5と戦う意思を見せてきたタイミングで黒6と交わしに行くのが、戦上手な打ち方になります。
実戦途中図3
白2と左辺を取りきりました。白地が大きそうにも見えますが、黒3と連打出来たのも馬鹿にならない収穫です。
黒7とアタリした時、白8とアタリ仕返しました。勢い黒9、白10とポン抜き合いましたが、この辺りは気合いの進行でしょうね。黒9で黒地が大きく増えましたが、白10で中央を厚くして、下辺にポツンとある白石に援軍を送っている意味があります。言わば、黒は目に見える得を取り、白は目に見えない得を取ったのです。
参考図
白2と隅に打った場合は、参考図のような展開が予想されます。一番のポイントは黒7が先手になる所で(8に切られてはいけない)、黒に壁が出来るので悠々下辺の白石にプレッシャーを掛けれます。実戦白はこういう展開を嫌ったのでしょうね。
実戦途中図5
白1に黒2、4と突き出ていったのは山下九段らしい力強い手段。白9で黒一子取られますが、黒10で白三子を捕獲しつつ、黒14で戦っていきます。
ここは読む範囲が広く、変化の数も膨大にありそうな場所でしたが、黒は戦いの道を選びました。
実戦途中図6
下辺の白は完全に生きて、後は中央がどんな形になるのかが問題。
黒1は白石を切って攻めを狙った手ですが、白2が凄い一手。常人なら気付かないような発想で、流石井山本因坊です。
参考図2
おそらく白1の意味は、黒2、4などと上辺を受けて貰えれば、白5、7と黒石を切っていこうという意味だと思われます。黒8と中央を脱出していくしかありませんが、そこには白1、3の援軍がいて、中々簡単には逃げ出せません。これは黒が怖そうな展開ですね。
実戦途中図9
しかし上図の黒1が鋭い踏み込みでした。白2と遮りましたが、黒9で隅を荒らし、黒は地合い勝負へ持ち込むことに成功しました。
参考図
白は実戦と参考図白2とどちらが良かったかが問題ですね。仮に黒3だとしたら白4でしっかり受けておいて、黒5で右辺に回られますが、うーん難しい。黒3ではもっと良い手がある可能性もあって、そこの読みも入れなくてはならず、相当な難所でした。
実戦は地合い勝負となりましたが、おそらくこの時点で、細かいながらも黒が良くなったのではと思われます。
まとめ
本因坊第一局は山下敬吾九段の半目勝ち!これで井山本因坊が記録していた挑戦手合いでの連勝記録が17でストップしました。(歴代2位の記録)
大激戦でしたね。内容が濃すぎて、ブログに書くのが難しいくらいでした(^_^;)
序盤はほぼ互角の立ち上がりだったかと思うのですが、下辺から始まった戦いで白が上手く立ち回り、黒石を攻める碁になっては白優勢になっていたと思います。実戦も左辺を白地にして悪くない感じでしたが、山下九段が見せた左上隅の踏み込みが鋭く、結果としてそれが勝因に繋がったのだと思います。終盤もとても難解でしたが、ギリギリ半目勝ちきりました。
今期の本因坊戦は、挑戦者の山下九段が好スタートを切りました。続く第2局は5月23、24日に京都府京都市の「二条城」で行われます。(お城で対局するのですね!すごい!)
追記
この一局の終盤戦を紹介した記事をアップしました!
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