もちのシャドール考察

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シャドールでリンク召喚を採用するにあたって

 お久しぶりでございます。もちです。新マスタールールが到来して早ホニャララヶ月、色んなリンクモンスターが登場して世間をあっと言わせておりますね。あっとと言うレベルなのかはさておき。どんなデッキであっても、以降も変わらず活躍するためには新マスタールールへ対応することが必要になります。その為には基礎を振り返る必要があります。どんな特性があって、どんなものならば採用ができるのか。

 というわけで今回は、シャドールが新マスタールールに対応すべくリンクモンスターを導入するならばどのようなものが良くて、それをどのように出すのか、そしてどう使うべきかを考えていきましょう。「リンク召喚なんざ御免こうむるぜ!」という方は、確率論というものを追求してみてはどうでしょうか。世界とはどういう風な蓋然性で回っているのか、調べてみるのも一興でございます故――。

 

 

シャドールにおけるリンク召喚のメリット

 まずはここから考えましょう。これを考えずに「リンク召喚するんだ!!」などとしても無意味です。シャドールは展開が得意なデッキではないのですから、効果で墓地へ送る訳でもないリンク召喚そのものはリターンが少ないのです。なので「リンク召喚によるメリット」をきちんと考えなければなりません。

 当然考えられるのは以下の2パターン:

  1. エクストラから大量に出せる
  2. 非常に強力な効果のモンスターが存在する

 そして前者は「シャドール以外の混ぜ物が強い場合」に特に影響しますね。今回はシャドール全般についてお話ししたいので、後者の「強力なリンクモンスターが出ている」というものについて重点的に記述させていただきます。

エクストラから大量に出せることについて

 まずはこちらから。そもそも、例えばリンク4の強力なモンスターとして指標にあげられる「ヴァレルロード・ドラゴン」ですが、これは一般のシャドールではかなり出しにくいモンスターです。最大の理由は「シャドールそのものはリンク召喚に長けたテーマではない」ことですね。大量展開する方向にシフトすることは当然できますが、シャドールの展開の要であるファルコンは裏側表示で出すため、シャドール内部で複数のモンスターを供給するのは難しい。

 というわけで、リンク召喚しながら更にエクストラからモンスターを出す展開力があるテーマとの連携の際に思考する方向性と考えます。

 少し例を出すなら魔術師でしょうか。黒牙の魔術師はシャドールにとっても強力なモンスターなのですが、こいつはちょっと面白いモンスターを特殊召喚できます。

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 えー、こいつの蘇生先は「闇属性・魔法使い族」なので、例えばこういったモンスターの蘇生ができるわけです。

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 素晴らしきかな、リンクモンスター。この蘇生を足掛かりに追加の展開を狙い、例えばデコード・トーカーや電影の騎士ガイアセイバー、ファイアウォール・ドラゴンなどを出して新たなる展開をすることができるかもしれませんね。

 こういう方向にデッキをシフトするならば、当然こちらの「大量展開」が重要になって来ます。ただし前述の通り、汎用性に富んだ発想ではないので、次のことを考えましょう。

強力なリンクモンスターの存在

 さあさあご本命。というかきっと皆さまこちらを想像してらっしゃる筈なのですが。

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 はい、こちらの「サブテラーマリスの妖魔」。強いですね。

リンク2/地属性/幻竜族/攻2000
リバースモンスター2体
【リンクマーカー:左下/右下】
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのリンク素材とした「サブテラー」モンスターの元々のレベルの合計×100アップする。
(2):自分メインフェイズに発動できる。デッキからリバースモンスター1体を墓地へ送り、手札からモンスター1体をこのカードのリンク先に裏側守備表示で特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、このカードのリンク先のモンスターがリバースした場合に発動する。自分のデッキ・墓地からリバースモンスター1体を選んで手札に加える。

 如何にもリバーステーマであるシャドールで使ってくれと言わんばかりの効果です。強い。めっちゃ強いです。これが出た後のシャドールは、シャドールがやりたいことをできます。動かし方の例としては:

  1. 妖魔をエクストラゾーンにリンク召喚
  2. ②の効果によりデッキからハウンドを墓地へ送りつつ手札からヘッジホッグをセット
  3. ハウンドの効果によりヘッジホッグをリバース
  4. 妖魔の③とヘッジホッグの効果により融合素材と融合魔法の二つを一気に調達

 柔軟性に富む写し身を確保できる文句ない強力ムーブ。
 手札にあるのがヘッジホッグではなくファルコンだとしても「リザードを経由しながらのハウンド墓地送り」によりリザードをセットできるため選択肢が豊富になりますし、最悪の場合「とりあえずモンスターをセットする」だけでも十分な量のアドバンテージが取れる動きです。なにせ「ビーストのドロー」「ハウンド経由のサーチ」「ドラゴンの破壊」を選択肢に選べる上にセットモンスターが作れるのですから、これほどに強力な動きを他に考えるのも難しいでしょう。

 というわけで、妖魔の採用そのものに異を唱える理由はありません。では何を考えるべきか? 簡単です。それは次に出て来る二つの関門!!

どうやって出すのか

 問題その一。シャドールは残念ながらリバースモンスターの展開が得意ではありません。裏向きになら出せるのですけどね。シャドールだけでこやつを出すとなると「蘇生」か「ペンデュラム召喚」のどちらかになります。前者は「いや、その墓地肥やしというか、初動のための妖魔じゃないの?」ということで手段と目的がおかしくなっています。後者は可能性がありますが、結局のところ魔術師やEMなどを入れた方が安定するので、無理せず外注しましょう。

召魔装着 + 魔装戦士 ハイドロータス

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 案の一つとしてはこのようなものがありますね。ハイドロータスはリバースモンスターですが、フィールド魔法からリクルートすることができます。水属性なのでアノマリリスが無理なく採用できるのも魅力ですね。

  1. 召魔装着の効果で手札を1枚捨ててハイドロータスSS
  2. リバースモンスターをNS
  3. サブテラーマリスの妖魔をリンク召喚

  シンプルですが堅実で、盆回しを許すならばデッキに7枚入れられるフィールド魔法1枚と、デッキ内の枚数を自由に操作できるリバースモンスター1枚、さらに特殊召喚したいモンスター1枚の計3枚から自在な動きが可能です。召魔装着自体がシャドールモンスターたちのパンプアップもしてくれるので、リクルートが出来なくなってもある程度のお仕事をしてくれるのも素敵ですね。
 似たようなものに「音響戦士」がありますが、ギータスはややサーチに長けておらず、クリッターなどが使えない都合上、即効性を見てこちらに軍配があがるでしょう。

 弱点として主に挙げられるのは「召魔装着が妨害されやすい」ことでしょうか。増殖するG、幽鬼うさぎ、灰流うららなど、踏んでしまう妨害カードが多いのは珠に瑕と言えましょう。

レスキューキャット

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 ニャーン。今回無制限になりました。やったね猫ちゃん。この子を使用するという選択肢があります。これでデッキからリバースモンスターを2体出してしまえば良いじゃないかという自然なアイデア。このカードにもこのカードなりの利点があります。

  1. 必要な手札の枚数が少ない
  2. デッキに8枚入れられるようになった

 まず①ですが、とりあえず猫さえ出せば妖魔に繋がるので、召魔装着と違って何かを追加で召喚する必要がありません。素敵ですね。②は、「召喚僧サモンプリースト」と「緊急救急救命レスキュー」の存在のために手札に入りやすくなったよ、と言うことですね。

 ②について重点的にお話ししていきます。デッキに8枚と言うのがミソで、これはつまり「デッキ40において丁度期待値が1になる」数字なのです。YATTAね。そしてサモプリのコストとして成金ゴブリンやらチキンレースやらを投入するだけで救命レスキューのサポートにもなります。わーい。

 サモプリスタートの場合は増Gにもそこそこ強く、とりあえず「No.41 泥酔魔獣バグースカ」などのランク4を置いて返せるのも魅力ですね。猫スタートならばランク3の「No.49 秘鳥フォーチュンチュン」、ランク2の「No.29 マネキンキャット」などで相手を牽制することができるかもしれません。

 召魔装着と違う難点を挙げるならば「デッキ構築の難度が上がること」です。キャットから持ってくるモンスターとして何を何枚採用するかによって最終的なデッキが決まりますが、これが3~5枚ほどになるためデッキスロットをやや圧迫してしまいます。ライフ変動のためのカードも難しいところです。モンスター側の特徴的なものを以下に列挙しますが:

猫で持ってくるモンスターの例
  闇属性 地属性 風属性
レベル2 不幸を告げる黒猫 ハネハネ  
レベル3 デス・コアラ EMモモンカーペット 真空イタチ

 このあたりでしょう。ライコウは光属性なので少し難しいですが、効果が強力なので採用しても良いかもしれません。
 それでこの中から、相手の妨害、融合素材などを加味した採用が必要になるわけでございます。レベル2で固める、3属性全てを導入する、Pモンスターのモモンカーペットを優先する――方向性は様々ですが、ともかくここから何をピックアップするかが肝心。確率を信じて「デッキ内に2枚残る確率が8割を超えるようにする」など、そういうところから枚数を決めるのも一興でしょう。

妖精伝記―ターリア

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 こやつもリバースモンスターで、さらに一人で特殊召喚まで行ってくれます。ターリアを採用する場合:

  1. 強力なモンスターである妖精伝記―カグヤを採用できる
  2. 灰流うららで展開を邪魔されない

 という利点があります。しかし今までの2つになかった弱点が発生してしまい、特に「遅い」というのが問題になります。クロックを取るタイプのスローなデッキを目指すならば検討できるかもしれません。

黒魔術のヴェール

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 これによる特殊召喚は如何なものかと考えてみましょうか。利点は即効性と汎用性。手札から即座に発動出来て、初動でも手札から展開できるという魅力があります。中盤で引いてもミドラーシュの蘇生などを狙えるため腐りにくく、使いやすいと言えるでしょう。
 難点は「手札消費の荒さ」ですね。このカードを使って先攻に出すならば、妖魔の効果を活かすためのモンスター込みで必要枚数が4枚になります。おろかな埋葬を許せば3枚になりますが制限カードでは信用しにくい。このカードを妖魔の展開札として採用する場合は「妖魔を主軸にしていない」「長期戦を目論んでいる」といった意図が暗に出て来るでしょう。

使い方

 お次はこちら。せっかく出しても使いこなせなければ無用の長物。というわけなので、出した後にどうするかとどんな弱点があるかを考えます。展開の基礎から順にやっていきましょう。

デフォルト
 妖魔の②効果でハウンドを墓地へ送りながら手札からモンスターを特殊召喚して、妖魔の③のサーチ効果も発動する

 これを基準にしていきます。堅実にアドバンテージが取れるため最も使いやすいですね。好例が上記のヘッジホッグを使用した場合です。ちなみにですがハウンドが封印するのは「リバース効果」であり、「リバース時の誘発効果」は無効にしません。「召喚師アレイスター」の効果などは使えますので、そういう方向で考えるのも面白いでしょう。

特殊な例
 妖魔の②効果でファルコンを墓地へ送りながら手札からモンスターを特殊召喚して、リンク先のモンスターを2体にする

 「堕ち影の蠢き」がある状態で、加えて自ターンにモンスターをサーチするメリットがない場合に狙う手筈ですね。例えばエルシャがあるので相手ターンに特定のリバースモンスターをシルバーバレットして都合の良いモンスターをサーチ出来る場合です。

 妖魔の②効果でリザードを墓地へ送りながら手札からモンスターを特殊召喚して、リザードの効果でシャドール魔法・罠カードを墓地へ置く

 デッキ内のリソース枯渇を避けつつ融合魔法へアクセスする場合の特殊な展開例です。これは2回目の妖魔で稀に狙う行動でしょう。融合のエンジンが動いていなければこれほど余裕のある行動は出来ませんので。

 妖魔の②効果でビーストを墓地へ送りながら手札からモンスターを特殊召喚して、ドローを行う

 単純な圧縮ですが、これは「墓地にADチェンジャーがある」などによりセットしたモンスターがリバースできる場合に使用できる動きです。圧縮というくせにリザードを挟まないのは、この動きが融合をできる際に主に採択するものであり、妖魔で使ってしまうと、相手ターン中の融合やシェキナーガたちの代償としてリザードの二枚目を使用した場合にデッキ内のシャドールモンスターが一気に枯れてしまうからです。

踏みやすい妨害

 次に使い方で大事なのは弱点です。この人わりかし弱点多いので考える必要があります、以下列挙します。ちなみにですが、いずれかを踏みやすくなるため、妖魔を展開する前に打たれた増殖するGをツッパしてまで出すのは危険であると提言しておきます。

・灰流うらら

 ②の効果はデッキからカードを墓地へ送るためにうららを食らってしまう。被害は少ない方だが、それでも地味にキツイのに変わりはない。これを避けるには、影依融合やテラ・フォーミングなどの囮を作るのが良いであろう。

・幽鬼うさぎ

 正直一番食らいたくない手札誘発。2つとも効果がリンク先に依存するため、これ1枚で完全に封殺される。状況に拘わらず手札から突然来るので非常に厳しい。

・PSYフレームギア・γ

 すごく食らいたくない手札誘発その2。相手のフィールドに依存するため多少の覚悟はできるかもしれないが、それでも直撃すると厳しい。トーチ・ゴーレムのように相手にモンスターを送れるカードを併用すれば対策はできるかもしれない。

 ――列挙しましたが、とりあえず「効果の発動にチェーンして妖魔そのものを破壊されると終わる」というのがお分かりいただけるかと思います。ダブルヘリックスと違って横向きのリンク矢印がないので蘇生しても何ら役に立たないこともこの弱点に拍車をかけています。まあ斜め矢印2つだからこそ強いのですが――。ともあれこれはけっこうな弱点で、とどのつまり「相手の手札を見られる」、あるいは「破壊されることを割り切れる」状態でないと打ちにくいということですね。

活用するために何を混ぜるべきか

 私は今「SPYRAL」と混ぜています。と言っても数は知れていて、「ダンディ3ドローン1RESORT3」の計7枚というシンプル設計。なぜこのような出張を用いているかを箇条書きいたしますと:

  1. RESORTという、うさぎやうららを打つ明確な場所を作ることができる
  2. ドローンダンディが揃った時点で相手に浮幽さくらや増殖するGを誤発動させられる
  3. ダンディの性能が狂っているレベルで優秀なので使いやすい
  4. ハイドロータスなどの、妖魔の素材を素引きしてもRESORTで回収が狙える

 といったところです。①と②は相手が「SPYRAL」というデッキの幻影を見てくれるが故の狙い。③は何度か語っていますが、「とりあえず情報アドバンテージを稼ぐだけでもシャドール的に強い」ためです。終末の騎士と共有できる「増援」を入れても十分お仕事してくれますね。④は副次的な効果ですが、過剰に使ってしまったハウンドなどを回収できるのも魅力です、残念ながら維持コストなのでエクストラのカードを回復することはできませんが。

 大事なのは「手札誘発のチェック」なので、それを堅実に行える何かと混ぜ混ぜしたい。今回のこれは一例ですが、そうでない何かであっても、「妖魔を通すために混ぜるならば」囮を準備できるものであってほしいですね。妖魔を囮にするならば話は別ですが。

まとめ

  • リンクシステムそのものよりもリンクモンスターの効果を重視するよ
  • サブテラーマリスの妖魔はとても強いよ
  • でも、出すのに工夫が要るし、妨害を食らいやすいよ

 といったところでしょうか。さあ、皆様もリンク召喚を使ってみましょう。いつまでもマスタールール3のままではいられないのです。新マスタールールによって否定された概念もあれば、新たな翼を得たシステムもございます。もがれた羽根ばかりに拘泥せず、次なる何かを見据えて――その視野を広げる第一歩となることを祈って、この記事を終了させていただきます。

 良きシャドールライフを。

 

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