前回、免疫抑制薬の一部の妊産婦に対する禁忌が解除されたと記載しました。

タクロリムス、シクロスポリン、アザチオプリンが該当します。

そこで、「服薬指導のエッセンス改訂第2版」掲載の「避妊する必要のある薬剤」「催奇形性のある薬剤」の表から、イムラン/アザニンを削除すると記載しました。

 

現状、まだ添付文書は改訂されていませんが、改訂内容はすでに公表されています。

https://www.e-mediceo.com/diweb/package_insert/1531192688

(閲覧するには登録が必要です)

 

この内容を精査すると、タクロリムス(プログラフなど)とシクロスポリン(ネオーラルなど)は「有益性投与」となっていますが、アザチオプリン(イムランなど)は「有益性投与」に加えて「可能なかぎり妊娠を避けさせることが望ましい」との記載がありました。

 

この記載の差を、「リスクの差」と考えて良いのか、正直なところ分かりません。ただ、「可能なかぎり妊娠を避ける」と記載があるので、「避妊する必要のある薬剤」の表には、注釈付きで残すことにしました。

 

前回書いた通り、今回の禁忌解除で、即「妊婦には安全」ということではないでしょう。

改訂前は「使用不可」、改訂後は「使用可」となったという事実だけがあります。

患者さんが、実際に「服用しながら妊娠を望むのか? 可能なのか?」ということに対しては、あまりにもデリケートすぎて、薬剤師が口を挟む範疇ではないと思います。

まずないとは思いますが、患者さんに「妊娠」についての質問を受けた際は、科学的事実と今回の改訂の旨を説明することはできても、その先については「医師と十分に相談して下さい」となるでしょう。

 

以上、あくまでも調剤薬局薬剤師としての私の考えです。

 

それでは、表の再訂正をお願いします。

以下にアクセスすると大きくなります。

https://www.dropbox.com/s/8rblzaiqvbmssip/%E8%A1%A812-1%20%E9%81%BF%E5%A6%8A%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E8%96%AC%E5%89%A4%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%83%B3.pdf?dl=0

 

※5月1日に「服薬指導のエッセンス改訂第2版」が発売されました。

自費出版のため、宣伝媒体がありません(切実)。

興味ある方は出版社のHPで立ち読みしてみて下さい。

もしすでに購入された方で「いいな」と思った方は、周りに拡散してください(苦笑)。お願いします!

https://www.tokyotosho.co.jp/info/syu/y09.html